ルンのロードバイク用カーボンホイール「メガ」をプロ選手がインプレッション
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WINSPACE(ウィンスペース)が展開するホイールブランド、Lún(ルン)から、特徴的な先進技術を用いたロードバイク用ハイエンドカーボンホイール「MEGA(メガ)」が登場。製品の特徴を紹介するとともに、プロロードレーサーによるインプレッションをお届けする。
Lún(ルン)・MEGA(メガ)シリーズの特徴
ハイト違いで3つのホイールを用意する。D33はローハイトで初速の軽さと高い登坂性能が魅力。D45はミドルハイトで、オールラウンドタイプ。そしてD67はハイハイトで、平地での高速巡航を得意とする。シマノ、カンパニョーロ、スラムの全てに対応し、どれでも金額差がないのが非常にうれしいポイントだ。
ウィンスペースは2008年に日本の大阪で立ち上がったブランドで、現在は中国に本社と工場を構える。そう、実は日本に縁があるブランドなのだ。ロードバイクとグラベルバイクをラインナップし、カーボン素材にこだわった製品を作り続けている。現在では世界中で販売をしており、イギリスとアメリカではかなりの出荷数を誇っている。
そんなウィンスペースが2021年から展開するホイールブランドがルンだ。代表的なのが「ハイパー」シリーズで、高い完成度と高いコストパフォーマンスが魅力のホイールである。本誌でも過去にインプレッションしてきている。
そしてルンが満を持して発表し、ついに発売となったのが、ハイエンドカーボンホイールシリーズの「メガ」だ。既に十分すぎるほどの完成度を持っていたハイパーをベースに、さらに進化させたホイールを作り出してきたというのだ。
使用用途に応じて3つのハイトをラインナップするのは共通として、特徴的な“一本カーボンスポーク構造”と新型ハブを持ち、軽さや剛性を高めただけでなくメンテナンス性も確保した。
プロロードレーサーによるインプレッション
サイクルスポーツ(以下CS):住吉選手、メガを使ってみた印象は、ずばり?
住吉:トータルバランスが良いのはハイパーから継承されており、さらにこぎ出しや車体を振ったときの軽さとスピードの伸びが向上していると感じます。特に劇的に進化したと感じられるのはこのスピードの伸びです。下りはもちろんですが集団内で走っているときに足を止めていても速度が伸びて進んでいき、体力が温存できるんです。
石倉:実はメガではハブとスポーク部分が軽量になったことで、リム外周部に重心バランスが移動しています。これにより全体の重量が軽くなったうえで慣性がより働きやすくなったので、速度が乗ってからの伸びが顕著になったのだと思われます。
CS:それは面白い。さて、剛性が高まった一方で、乗り心地はどうなのでしょうか?
住吉:剛性の高いホイールにありがちなガチガチな印象はないです。選手レベルではない人でも乗りやすいと思います。
CS:3つのハイトがありますが、選手目線での使い分けは?
住吉:私はD45一本でどんなシチュエーションでも対応できると感じています。こちらでも相当軽量な部類に入るので、平地はもちろん上りもこなせてしまうんです。D33は上り一本のコースや獲得標高が高いコースで使いますね。ただ、ローハイトの軽量ホイールにありがちな慣性が働きにくくてペダリングし続けないと失速することがなく、先ほど述べた“伸び”が働いてくれます。なので、こぎ出しが軽く上りで強いこのホイールは、レース派ではない人にも恩恵が大きいでしょう。D67は、まさに平地系レーサーやトライアスリートに向いていると思います。
CS:カーボンを使った特殊構造ながら、メンテナンス性も重視した作りですが、それは選手にとっても恩恵が大きい?
住吉:かなり大きいですよ。我々は数多くのレースをこなさないといけないので、とっさの修理にすぐ対応できないといけませんから。スポークの張りが微調整できる点も選手としては非常にうれしいですね。
石倉:ブランドテーマとして、「バランス」を掲げています。どんなに高性能なホイールでも、ユーザビリティが低いのでは意味がない。性能とメンテナンス性の全てのバランスを取ることが大切だと考えています。
住吉:メンテナンス性の利点も含めて、レースで勝つためにこのホイールを選択したい。まさにそう思わせるシリーズです。
CS:ありがとうございました。