シンクロスから新型ロードカーボンホイール「キャピタルSL」登場
スコットのパーツブランドであるシンクロスから、新型のロードバイク用カーボンホイール「CAPITAL SL(キャピタルSL)」が登場。 新たに一から設計されたモノコックデザインのフルカーボンホイールで、より速い加速、より速いコーナリング、より優れたハンドリング、より高い空力性能を得たという。日本国内での発売は2024年頃を予定しており、価格等の詳細はスコットジャパンのホームページやSNSで今後公開される。
キャピタルSLは1170g、キャピタルSLエアロは1290g
ラインナップは、リムハイト40mmのキャピタルSLと、60mmの「キャピタルSLエアロ」の2種類だ。カーボンハブシェルを使用しない新しい設計が採用されており、部品点数が減ったことで軽くなり、ハブ径とフランジが小さくなったことで空力性能が向上した。
空力性能
シンクロスのエンジニアは、当初からライディングスピード、風速、風向など、現実的な走行条件を考慮してキャピタルSLを設計した。
CFD技術により、ホイールの約200か所がそれぞれ異なる風向きでシミュレーションされた。リム形状を最適化し、より横風に近い角度でも抵抗を低減することができたという。これは、走行抵抗の低減だけでなく、風の強いコンディションでもハンドルにかかる抵抗が安定することも意味する。つまり、コントロール性も高められている。
また、専用システムによる風洞実験も行われた。異なるリム形状の構成をテストするため、金属製のテストリムが用意され、競合他社のホイールと同時にテスト。すると、キャピタルSLは競合ホイールより7%近く空気抵抗が低かったという。
加速性能
回転慣性の低さは、スプリントや加速におけるホイールの反応性を決める重要な要素だ。キャピタルSLは、ホイールの外周部分であるリム周辺の重量を減らし、中心部分のハブ周辺に集中させている。この独自の製法により、回転慣性は、同種の製品と比較して20%低減しているという。スピードに乗せるために必要なパワーが少なく済み、加速、減速、旋回のあらゆる反応が速くなる。
コーナーリングとハンドリング
キャピタルSLは、特許取得済みのモノコック・ホイール・システム・テクノロジー(MWS)と独自のプレストレインプロセスにより、従来のカーボン製スポークホイールと比較して高いスポークテンションを実現している。また、キャピタルSLのカーボンスポークは、従来のステンレススポークよりも重量が軽いにもかかわらず、35%高い強度を持つ。さらに、スポークはリムに直接接着され、リムからハブフランジを越えて反対側のリムまで、交差部で編まれながらつながっており、ねじれ剛性を高め、最適化している。より反応が良くなり、あらゆる状況でより速く、より正確に曲がることができる。
フックレス
キャピタルSLのリムはフックレスデザインで、より強く、より軽いリムを実現している。フックがないことでタイヤからリムへの接合部分の移行がスムーズになり、空気抵抗も減少する。リムの内幅25mmは、空気抵抗と幅広タイヤによる転がり抵抗の低減とのバランスを取ったものだ。また、フックレスビードは衝撃保護性能を高め、リム打ちダメージを低減するので、キャピタルSLはグラベルでの使用にも適している。
キャピタルSLは、タイヤを含むシステムとして設計されている。パートナーのシュワルベとの共同で特別なタイヤ「プロワンエアロ」も開発した。特に風を最初に受ける前輪を重視し、フロントは空力的に優れた形状に設計され、リヤは転がり抵抗の低さと駆動輪に必要な耐久性に特化している。
プロワンエアロ以外のタイヤももちろん使える。自転車タイヤのメジャーブランドと協力し、ロードタイヤとグラベルタイヤの互換性を保証しており、そのリストはスコットジャパンのホームページで確認できる。ただし、タイヤの種類を問わず72.5psi(5bar)を超えた空気圧では使用できない。
キャピタルSLには、落車などにより修理不可能なダメージを受け、使用できなくなった場合に、特別価格で新品を購入できる3年間のクラッシュリプレイスメントプログラムも用意される。