スペシャライズド第8世代ターマック登場
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今年各社が発表しているフラッグシップモデルの新作はみな、軽さをウリにしたものが多い。そしてもちろんエアロだよと言っている。
そこに登場したのがスペシャライズド・ターマックの新作だ。第8世代となったターマックはエアロで、軽くて、快適という3つの性能を強化し、より速いレースバイクを目指した。
ターマックSL8を動画で紹介
群馬県嬬恋村で開催された国内メディア向け発表会の会場で収録した動画。後半には、自転車ジャーナリスト吉本司氏による試乗レビューも。
16.6秒速い
一見すると前作のターマックとの違いが見つけられないし、ましてやエアロロードっぽさもない新作ターマックだが、空力性能は向上している。前作ターマックを上回っているのはもちろん、以前エアロロードとしてラインナップされていたヴェンジよりも空気抵抗が少ないという。
前作ターマックと比較して、40kmを走った場合16.6秒速くなる。春先のクラシック「ミラノ~サンレモ」を例に挙げると、294kmのレース距離で、128秒速く走れるという計算になるそうだ。
ヘッドチューブの前面投影面積を減らすためにコラムの前方にボリュームを増やした新形状を採用。またステム一体型ハンドル「ラピッドコックピット」を組み合わせることが空気抵抗の低減につながっている。ちなみにこのハンドルセットは50gの軽量化にもなっている。
開発段階では風洞実験施設を使用しているのはもちろん、「フロービズペイント」といフォーミュラーカーの空力性能チェックでも用いられる、手法が使われた。フレーム表面に揮発性の高い液体を混ぜた塗料を塗り、風を当てることで、フレーム表面の空気の流れを可視化する方法だ。
本当に空気抵抗低減が必要な部位を可視化して、それ以外の部分は軽さを重視した形状としている。
15%軽い
軽量化も怠っていない。先に発表された軽量モデルのエートスで培ったカーボンレイアップや形状の設計ノウハウを、新型ターマックにも取り入れている。フレーム重量は685gをマーク。実際、ダウンチューブからBB周辺にかけての形状だけを見るとエートスに似ている。このターマックは前作のターマックにヴェンジとエートスの要素をミックスしたようなデザインなのである。
軽量化を図っているが、剛性は落としていないという。重量と剛性を比べた「重量剛性比」は33%向上。
もちろん、各サイズごとに、必要な剛性バランスに仕上げるという設計思想は健在だ。
6%快適
レースバイクではあるが、その長い距離を最後まで疲れずに走りきるために、快適性にも注目して開発された。シートポストはエアロ形状ではあるが、前後方向へしなりをもたせるようなカーボンレイアップになっている。
なお、タイヤクリアランスは32Cまで対応している。
スペシャライズド・ターマックSL8価格
・SワークスターマックSL8 (シマノ・デュラエースDi2完成車)価格/179万3000円
・SワークスターマックSL8 スラム・レッドeタップAXS完成車価格/173万8000円
・SワークスターマックSL8 フレームセット価格/73万7000円
・ターマックSL8プロ シマノ・アルテグラDi2完成車価格/110万円
・ターマックSL8プロ スラム・フォースeタップAXS完成車価格/104万5000円
・ターマックSL8エキスパート スラム・ライバルeタップAXS完成車価格/82万5000円
販売開始は8月18日(金)