Setouchi Velo協議会の第3回ミーティングが高知県いの町で開催
目次
昨年10月、瀬戸内地域及びその周辺地域を世界に誇るサイクリングの推進エリアとするため、瀬戸内圏8県と中四国の経済連合会、地方整備局や地方運輸局等約30の団体で設立されたSetouchi Vélo協議会のミーティングに58名が参加した。
開催日時●2023年8月23日(水)
会場:亀の井ホテル高知
主催:Setouchi Vélo協議会
Setouchi Véloとは?
瀬戸内地域及びその周辺地域を、環境に配慮し安全で快適な、世界にも認められる「サイクリングの推進エリア」にしたいという想いから2022年10月に地方自治体、国、経済連合会等で構成する「Setouchi Vélo 協議会」が設立された。
瀬戸内地域のブランド価値の向上を図り、瀬戸内地域やその周辺地域の持続的な地域振興を実現することを目標に、各地・各機関が連携し、さまざまな取り組みを実施していく。合言葉を「ひとつの瀬戸内、それぞれのストーリー」とし、以下の事項について、連絡、調整を行い、相互に連携、協力することで目的の達成を図る。
(1)サイクリングルートのネットワーク化
(2)サイクリングの推進エリア化
(3)国内外への情報発信
仁淀ブルーを眺めながら走るトライアルライドは荒天のため中止……
ミーティングに先立ち、eバイクを使った仁淀川沿いを走るトライアルライドが予定されていたが荒天のため、残念ながら中止となった。代わりに①オージーケーカブト柿山氏によるヘルメット着用に関する座学②いの町池田町長、近森氏による観光PR③金籠参事官×門田プロサイクリストによる「ヨーロッパの自転車先進事情とベロシティグローバル」についてのディスカッションが実施された。門田プロ自らがヨーロッパを走る動画に映し出される自転車道は見たことないものばかりで、たいへん勉強になった。いつの日か日本もこういう自転車道ができればとただただ願うばかりだ。
サイクルツーリズムの答えは一つではない
開催地となる池田牧子いの町長は冒頭の挨拶で「自然に恵まれた豊富なアウトドアアクティビティと、その移動手段として活用できる自転車の親和性に期待している。仁淀川のサイクルツーリズムはサスティナブルツーリズムにもつながっていくものだと思うのでセトウチヴェロをきっかけに盛り上げていきたい」と語った。
さらに事務局を代表して、森田真弘本州四国連絡高速道路 取締役常務執行役員より「Setouchi Vélo協議会設立から10か月が経過。その間、セトウチヴェロルートの造成、マップの作成、ならびにサイクリスト受け入れの地域理解を深めるための市町村ミーティングを実施してきた。瀬戸内エリアを安全・快適、かつ世界に誇れるサイクリングの推進エリアに育てていくために今後も関連機関の活動を深めていきたい。次回は10/24香川県にて協議会の総会を予定している。今後も中四国地整と連携して、盛り上げていきたい」
続いて、前 国土交通省 自転車活用推進本部 事務局 次長 現 内閣官房 新しい資本主義実現本部事務局参事官の金籠史彦氏が「自転車活用のこれから。副題:自転車を使って町と人をつなぐ」をテーマに、国が推し進める「自転車活用推進施策」をご自身のスイス赴任の経験も踏まえ、国内外さまざまな事例を紹介しながらの基調講演。
「自転車は日常も非日常も楽しめる乗り物である。現地の人にとっては当たり前のことが、実は外部から来た人にとっては、それが非日常を味わえるサービスにつながる。その土地土地のオンリーワンのものをサイクリストに伝えていくことが大事である」というのは瀬戸内エリアの自治体担当者に強く刺さったのではないだろうか。
さらに開催地を代表して、高知県 スポーツ課 企画監 谷内康洋氏より「高知県のサイクルツーリズムの取組状況と今後の方向性」についての報告があり、キーワードは①地域(高知)らしさ②インバウンド③量から質へとの発表があった。
また、日本を代表するヘルメットメーカー、オージーケーカブト 広報チーム リーダー 柿山昌範氏より安全講話が行われた。ヘルメットを被ることで確実に死亡事故を減らすことができるので、引き続き安全啓蒙活動を広めていきたい。
eバイクを使って何ができるのか?
最後は、「eバイクの世界の現状と国内の活用について」というテーマでパネルディスカッション。パネラーは金籠参事官、バイシクルクラブ山口編集長、サイクルスポーツ編集部迫田、コーディネーターは門田プロが務めた。
eバイクの可能性を知ってもらいたい思いで、それぞれが魅力を語ったのが以下のとおり。
・誰でもどこでも楽しむことができるアクティビティ
・eバイクは燃料のいらない移動手段として大きく普及する
・長崎のような激坂エリアでもeバイクを使うことにより、観光地の魅力が向上する
・免許返納者に子どもから親へとeバイクをプレゼント
・CO2削減に貢献できる
・誰でも楽に乗ることができるので、家族が付き合ってくれる
当日参加されていたほとんどの方がeバイク未経験だったので、まず乗ってもらうことが大切なので経験してもらいたかったのだが、ミーティング後も自治体担当者にeバイクのことを質問攻めにされるほど、参加者の皆さんに興味をもっていただいたのが良かったのではないだろうか。
構成団体(順不同)
兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、近畿地方整備局、中国地方整備局、四国地方整備局、近畿運輸局、神戸運輸監理部、中国運輸局、四国運輸局、中国経済連合会、四国経済連合会、一般社団法人せとうち観光推進機構、一般社団法人四国ツーリズム創造機構、本州四国連絡高速道路株式会社