西鉄サイクルトレインを使って筑後川をサイクリング!
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じわじわと広がりつつあるサイクルトレイン。2022年3月よりサービスを開始した西日本鉄道 天神大牟田線「サイクルトレイン」を使っておいしいところだけサイクリングしてきた。
国内でも注目され始めているサイクルトレイン
自転車交通政策の先進地である欧州諸国では、特急列車を除けば自転車をそのまま車内に持ち込めるサイクルトレインが普及している。
車の多い都市部を回避し、サイクリング環境に恵まれた郊外へ電車移動し、そこでサイクリングやグルメ、観光等を楽しみ、自走で戻るもよし、疲れたら電車で戻るもよし、サイクルトレインはその日のルートを思うままに作れるメリットがある。
また、2023年5月には国土交通省より国内の鉄道事業者やバス事業者に向けて、「サイクルトレイン・サイクルバス導入の手引き~国内外の参考事例集~」が発表されたように、サイクルトレインの機運は高まりつつある。
予約が超簡単!西鉄サイクルトレイン
予約の仕方は以下の通りだ。
1.西鉄電車LINE公式アカウントを友達追加し「ホーム画面」→「サイクルトレインメニュー」へ
2.メニュー画面内の予約購入をタップし、乗車日、人数(台数)、乗車駅、降車駅を入力
3.クレジットカードまたはPayPayで決済
以上で、予約は完了だ。実際に予約してみたが、1分も掛からなかった。駅に着いてからでも、空いていれば予約できるので、例えば突然、雨が降り出したときや、突発的な体調不良時のエスケープの手段としても利用できる。
予約の変更は出発前であればいつでも可能。さらに予約の便に間に合わなかった場合、自動キャンセルとなり、事前決済した乗車料金は返金されるとうシステムだ。まさに至れり尽くせりのサービスだ。
ちなみに西日本鉄道は2023年5月に国土交通省より自転車活用推進功績者として表彰されている。
【運行日】
毎週土曜・日祝日運行(※ゴールデンウィーク、お盆、年末年始は除く)
【持込可能時間帯】
・西鉄福岡(天神)発:6:30~16:00
・大牟田発:10:25~21:25
【対象駅】
特急列車停車駅(10駅)
西鉄福岡(天神)・薬院・大橋・西鉄二日市・西鉄久留米・花畑・大善寺・西鉄柳川・新栄町・大牟田
【対象列車】
特急列車のみ(「水都号」も利用可能)
【持ち込み可能車両】
6両編成の場合、全車両
7両編成の場合、6両
※予約時に乗車する車両が指定される
【料金】
乗車運賃+自転車持ち込み料(300円/回)※持ち込みは1人1台まで
今回は天神から久留米までサイクルトレインを利用したが、車で行くと国道3号の渋滞で、1時間半掛かるそうだ。電車だとわずか30分で到着するので、ストレスフリーでサイクリングが始められる。仮に自走で天神から久留米まで行くと、車も信号も多いので、やはり“おいしいところだけを走れる”サイクルトレインの利用をお勧めする。
筑後川CRを走り、うきはまでukiukiサイクリング
久留米駅で下車した際、ホームで同じ電車に乗っていたサイクリストを見つけたので、挨拶がてらお声掛けしたところ、特に行き先は決まってないという。
一人で走るより、二人で走ったほうが楽しいので、筑後川サイクリングロード(以下、CR)経由でうきはまで行くと伝えたところ、一緒にライドすることになった。ちなみに若いお姉さんではなく、お兄さんだ(笑)。早速、自分の子供と同じくらいの年齢の山本さんと、筑後川まで向かった。
久留米駅から筑後川CRまでは20分ほど。この日はサイクリストも歩行者もほとんど見かけなかったので、お互いの自己紹介や自転車歴などを話しながらライドすることができた。山本さんは自分の娘と同い年で、就職を機に福岡へ来たそうだ。
この日は筑後川CR経由で、筑後吉井で白壁の街並みを見学。その後、浮羽(うきは)稲荷神社をヒルクライムしてから、旧知の友人が営むうきはの超人気古民家レストランでランチをして、筑後川CRで久留米に戻る約60kmのルートを設定した。
筑後吉井 白壁の街並み~浮羽稲荷神社
うきは市の中心部の筑後吉井地区は、江戸時代に城下町久留米と日田天領を結ぶ豊後街道の宿場町としてにぎわっていた。重厚な漆喰壁の商屋が259軒ほど並び、今もなお、その当時の歴史的景観が大切に保存されている重要的建造物群保存地区だ。
吉井から浮羽稲荷神社まではわずか5.5kmなのだが、ラスト手前で最大勾配15%の激坂が待っていた。かなりきつかったが、登坂後には絶景ビューを見ることができたので、頑張った甲斐があった。
泊まれる古民家レストラン「きふね」でランチ
築150年の古民家をリノベーションしたレストラン「きふね」では十割そばと新鮮な地元食材が味わえる。オーナーの鍋島さんはお人柄もフレンドリーでめちゃくちゃユニークな方なので、うきはに行ったらぜひ行ってほしい!また、敷地内には、パン屋「そらいろ」も併設しているので、補給食や家族へのお土産にお勧めだ。ちなみにこちらの古民家では宿泊も可能なので、気になるひとはチェックしてみよう!
帰路は時間、体力、天候を考慮してサイクルトレインをセレクト
昼食後、オーナーの鍋ちゃんと懐かしさのあまり、ついつい話し込んでしまったため、すっかり遅くなってしまった。しかも雨雲レーダーをチェックすると、1時間後に一雨ありそうな感じだ。
再び筑後川CRで、帰路へと向かった。数時間前に出会ったばかりの“サイクリスト仲間”山本さんとは、原鶴大橋でお別れすることになった。若い彼はまだまだ体力が有り余っているようで、自走で博多に戻るという。一方、筆者は雨雲にビビりつつ、疲労もあったし、日没までに帰れそうにないと判断し、久留米まで走り、サイクルトレインで天神に戻った。
サイクルトレインで体力が復活したので(笑)、夜の街へと繰り出し、鉄鍋餃子と豚骨ラーメンで一杯やったのは言うまでもない。
※本記事の内容は2023年10月に取材したものです。現在の情報とは異なる場合があります。