天使?悪魔?疋田ハカセの電動モビリティ大研究“3種類の「電ジャラス自転車」が状況をカオスにしている”第1回

目次

電動モビリティ大研究

電動モビリティを考える

どもども、自転車ツーキニストかつ自転車ハカセの疋田(ヒキタ)です。 今回から電動モビリティについて、じっくり考えていく予定なんだけど、うーん、電動モビリティ、昨今の状況は良いか悪いかと言ったら、余りよろしくない。いや、ちっともよろしくない。 本誌読者なら誰もがご承知のとおり、正直申し上げて、違法で、迷惑で、「自転車と一緒くたにされて困る!」という連中が蔓延、というのが常態だろう。 そういうなか、しかしながらこの連載では、なるべくプレーンな目でこの「路上の新参者」を見ていこうと思っている。なぜなら現在の自転車状況は、たしかに端境期だからだ。これは日本に限らず世界的に。世界中がアンチ地球温暖化に舵を切っているなか、電動の小さなモビリティには、見るべき未来がある。いや、あるかもしれない。 ただし、それが安全かつ便利に整合性あるマネジメントがなされれば、という条件付きではあるが。 どうだろう。現状かなり疑問だろうとは思うのだが、初回の今回はその中でも特に危険で迷惑な「電ジャラス自転車」ってやつを見ていこうと思う。

3種の「電ジャラス自転車」

もう昨今増えた。いや激増した。「うわー、ペダル回さずに進んでくよ、あれは何だー?」みたいなの。または、ペダル回してても、スマホ見ながら涼しい顔で楽々と急勾配を上っていくヤツ。 人呼んで「電ジャラス自転車」。 ただし、あれらを全部一くくりで「違法の電動自転車」と言ってしまうとちょっと違うのだ。完全違法の「フル電動」ってやつもあれば、こりゃもうどう見ても違法と思いきや合法の「特定小型原付」ってのもある。 おおまかにいって3種。「違法」「脱法」「合法」だ(全部危険)。このところの法改正で、この辺り非常に分かり難くなっているので、今回はその辺り整理していこう。  

【分類① 違法電ジャラス自転車】「フル電動」あるいは「モペッド」

昨今、最も目につく、最も狂暴なのがこれだ。見た目の差異でいうと、何よりスロットルが付いている。右手をひねればパワフルに走り出す。ペダルもあるけれど、踏まなくても走る。 多くの場合、ネットのみで販売され、小さく「公道は走れません」みたいな言い訳が書かれている。それもそのはず、日本では完全違法だからだ。 別名で「モペッド」ともいう。MOTOR+PEDALからできた造語である。 原付1種と同等、いやそれ以上の性能を持ちながら、保安部品も、ナンバーも、免許もなく歩道を走ってる。中には1000W(125ccバイクと同等)みたいなハイパワー型もある。 ただ、これに関しては話は単純で「ナンバー付けて、免許取って乗れ。警察も警察だ、取り締まれ」と言うに尽きる。

違法フル電動のレバー型スロットル

分類①違法フル電動のレバー型スロットル

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