Setouchi Vélo協議会 愛媛県上島町(ゆめしま)ミーティングが開催

目次

瀬戸内及びその周辺地域を世界に誇るサイクリングの推進エリアとするため、地方自治体、国、経済連合会等で構成するSetouchi Vélo協議会 4回目のミーティングが愛媛県の北端に位置する上島(かみじま)町で行われた。

開催日時●2024年3月14日(木)
会場:せとうち交流館
主催:Setouchi Vélo協議会

セトウチヴェロ第5回ミーティング

Setouchi Véloとは?

瀬戸内地域及びその周辺地域を、環境に配慮し安全で快適な、世界にも認められる「サイクリングの推進エリア」にしたいという想いから2022年10月に瀬戸内圏8県と中四国の経済連合会、地方整備局や地方運輸局等約30の団体で設立され、現在76の団体が所属する。

瀬戸内地域のブランド価値の向上を図り、瀬戸内地域やその周辺地域の持続的な地域振興を実現することを目標に、各地・各機関が連携し、さまざまな取り組みを実施していく。合言葉を「ひとつの瀬戸内、それぞれのストーリー」とし、以下の事項について、連絡、調整を行い、相互に連携、協力することで目的の達成を図る。
(1)サイクリングルートのネットワーク化
(2)サイクリングの推進エリア化
(3)国内外への情報発信

信号がないゆめしま海道

ミーティングに先立ち、恒例のトライアルライドを実施。ライド前のブリーフィングでeバイクの乗り方やハンドサインを学んだ後、スタートする。また、各グループの先頭と最後尾にサイクリングガイド有資格者がいて、安全最優先で誘導してくれるので、eバイクに慣れていない参加者でも安心だ。

トライアルライド

ハンドサインにも余裕が出てきた参加者の皆さん

ライドは弓削(ゆげ)島~佐島(さしま)~生名(いきな)島~岩城(いわぎ)島まで行って帰る15kmほどなのだが、常に横目で海を感じ、さらには四島をつなぐ3つの橋を渡るたびに、海の上を走れるので、距離は短いが非日常感をたっぷりと味わえる。また、島内には上りの箇所もあるが、eバイクのパワーがアシストしてくれるので、ビギナーも十分にサイクリングを楽しむことができる。

エイド

エイドでは岩城島の名産であるレモンが盛り盛りのレモンスカッシュ、せとか、あまえくぼなどがふるまわれた

上り区間を走行

上り区間もeバイクなら誰でも楽に上ることができる

どんどん広がるSetouchi Vélo

開催地の上村俊之 上島町長は冒頭の挨拶で「Setouchi Vélo協議会のミーティングを上島町で開催していただき感謝します。ゆめしま海道は常に海を見ながら走れるのと現在の天皇陛下が過去、大学の卒業論文研究のためにお越しになられた土地であるなど、歴史も趣深いところなので、サイクリングだけでなく歴史・文化も一緒に楽しんでもらえると思います」と語った。

上村俊之上島町長

上村俊之上島町長

さらに事務局を代表して、本州四国連絡高速道路 後藤代表取締役より「Setouchi Vélo協議会設立から4回目のミーティングとなる。ゆめしま海道を初めて走ったが海がきれいで、車が少なく、車も自転車にフレンドリーで走りやすかった。4月から、サイクリストをサポートする店舗を「Setouchi Véloスポット」としてホームページで紹介していく。今後も中四国エリアと連携して、活動を進めていきたい」との話があった。

本四高速 後藤政郎社長

本四高速 後藤政郎社長

基調講演「ヨーロッパの先進事例とDX化」

プロサイクリストの(株)コイデル 門田 基志代表取締役による基調講演では、ヨーロッパのサイクリング先進事例とDX化について、動画を見ながら発表された。

「数年前、ドイツ~オーストリア~スイスと国をまたぐサイクルルートを走ってきたが、国境を越えると通貨が変わり、ユーロが使えなくなることもあるが、どの国も道路が整備されていて、サイクリングルートの環境が変わらない。

オーストリアでは歩道と、段差により分離された自転者レーンが設置されているのでとても分かりやすいし、マナーやルールもきちんと守られている。また、ヨーロッパの市街地では車も乗り入れできないエリアがあるほどだ。
現在、Setouchi Vélo協議会は9県をまたいでいるが、エリアを超えても同じ環境でサイクリングを楽しめるようになるのが理想である」

インスブルック(オーストリア)の道路環境

インスブルック(オーストリア)の道路環境

「さらに、日本はさまざまな電子決済が増えてきているが、海外ではスマホで電子決済するよりも、タッチ機能付きのクレジットカードがスタンダードなので、インバウンドを目指すのであれば、導入することをお勧めしたい」

門田 基志氏

プロサイクリストのコイデル 門田 基志社長

パネルディスカッションは「上島町の未来と今後の課題」

ミーティングの最後は、上島町の魅力と今後の課題について語り合った。
上村町長からは「今まで上島町には観光のキラーコンテンツがないと思っていたが、自転車を導入し始めてから、国内外問わず、観光客が増え、その外部の人から、島の人間では気づかなかった魅力を教えてもらい、自転車は最高のコンテンツだと分かったし、可能性はさらに広がると感じている」。

上島町は本州からのアクセスもよく、自転車だけでなく、さまざまなアウトドアアクティビティが楽しめ、さらに食もおいしく、人も優しい土地柄なので、リゾートアイランドとして、さらに観光は伸びる可能性を秘めている。

課題としては休日に飲食店や、ガソリンスタンドが空いていない等、観光客向けのサービスの充実が必要。さらには、サイクリングとシーカヤック、SUP、ヨット、釣り、キャンプ、ヨガ等の豊富なアウトドアアクティビティを絡めた滞在型観光、尾道、今治大三島などの観光地と連携して、オフシーズンでも誘客できるように情報発信していくことの必要性が語られた。

パネルディスカッション

コーディネーターにプロサイクリストの(株)コイデル 代表取締役門田 基志氏、パネリストは上島町上村町長、サイクルスポーツ編集部迫田、バイシクルクラブ山口編集長(写真左から)

まるで海の上を走っているかのような景色を眺めながらの絶景サイクリング

次回5回目のミーティングは4月25日に米子市で開催予定。

 

構成団体(順不同)
兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、鳥取県、近畿地方整備局、中国地方整備局、四国地方整備局、近畿運輸局、神戸運輸監理部、中国運輸局、四国運輸局、(一社)中国経済連合会、四国経済連合会、(一社)せとうち観光推進機構、(一社)四国ツーリズム創造機構、本州四国連絡高速道路(株)

Setouchi Vélo HP