サイクルロードレースのドキュメンタリー映画『栄光のマイヨジョーヌ』2020年2月公開決定!
目次
映画『栄光のマイヨジョーヌ』はオーストラリア発のプロ・サイクリング・ロードレースチーム「グリーンエッジ(現ミッチェルトン・スコット)」の物語。2012年の発足から5年に渡り、彼らのレースツアーに密着したドキュメンタリー映画だ。
アスリートならではの反骨精神で逆境を跳ね返し、勝利をつかむ決意で団結したチームが、国際レースに挑んだ5年間のツアーの様子をチーム内部からつぶさに撮影。勢いに乗る選手や困難にぶつかる選手の姿を通して、チームの信念が浮き彫りとなる。
この新生チームはメンバーそれぞれがその深い人間愛から競技にアプローチし、ちぐはぐなチーム編成にもかかわらず、まさかのチャンピオンが誕生する。選手ひとりひとりが自らの目標を達成してく過程で芽生える信頼を糧に「本当に強いチーム」とは何かを描き出していく。
フランス、スペイン、イタリア、ベルギー、コロンビア、南アフリカ、アメリカ、オーストラリアで撮影した、2020年という新たな時代の幕開けにふさわしい挑戦のスポーツ・ノンフィクション。
「我々はライダーである前に人間で、このチームは人間の集まりそのものなんだ」
ーエステバン・チャベス
『栄光のマイヨジョーヌ』
原題:ALL FOR ONE
© 2017 Madman Production Company Pty Ltd
2017年/オーストラリア/英語、スペイン語/99分
監督・撮影:ダン・ジョーンズ
2020年2月28日(金)より 新宿ピカデリー/なんばパークス(大阪)ほか全国順次公開
公式サイト:http://www.greenedge-movie.com/
Facebook:@green.edge.movie
Twitter:@greenedge_movie
ダン・ジョーンズ監督からのメッセージ:
楽しむのが、チームの務め
これまで12年以上の多くの時間、⾃転⾞競技に関わってきましたが、レースの現場に⾏って、なぜ世界中 の⼈々がこの競技に熱狂するのを理解するのは難しいことではありませんでした。ロードレースはアクシ ョン、ドラマ、歴史、戦略、全てが揃っている、まさに旅するサーカスです。私は夢中になり、もっと知 りたくなったのです。
外からは⾒えないチームの内部がどうなっているのか?チームの団結⼒はどのように育まれるのか?アスリートそれぞれのストーリーは?レースの裏側でチームはどんな働きをしているのか?サングラスアイウエアとヘルメットを外したライダーの姿は?
2010年、オーストラリア⼈ビジネスマンで起業家のゲリー・ライアンは⾃分のチームを作ろうと思い⽴ち 、オーストラリア初のワールド世界ツアー出場レベルのサイクルロードレースチーム「グリーンエッジ」が誕⽣しました。
チーム編成は既存のアプローチとは違っていて、何よりも競技者を結果だけで選出しませんでした。それ ぞれの個性や、どのようにチームに溶け込めるかに重点を置いたのです。厳しい練習が基本とはいえ、競技から離れて楽しむことも重要だというアプローチ。それは伝統のある⾃転⾞競技の世界では⽩い⽬で⾒られてしまうリスクでもあります。
しかし、このチームの何がユニークかといえば、楽しむことも⼤切なレーサーの仕事と認識していたこと。チームはグランドツアー中にミュージックビデオの⼝パクや料理動画、ライダーの故郷や競技から離れた普段の⽣活を紹介する動画「マイ・ピース・オブ・ザ・ワールド」を配信し、気がつくとユーチューブ で⼈気1位のサイクリングチャンネルになっていました。ゲリーの⽴案したエンターテインメント計画が功を奏したのです。
私はそんなチームを⾒続けました。いい時も悪い時も、競技中も競技を離れても。まさにジェットコースターのように急上昇や急降下、そして笑いに満ちあふれた5年間のツアーを多くの⼈々に観てもらうことがこの映画の⽬的です。
この映画は単なる⾃転⾞競技についての映画ではなく、ヒューマン・ストーリーなのです。登場⼈物たちと感情を分かち合い、夢を実現するための決意と犠牲を知ってもらいたいと思います。
サイクルスポーツのレビュー
原題で『ALL FOR ONE』と題された当作品は、オーストラリア初のプロサイクリングチームとして2011年に誕生した「グリーンエッジ」のチーム発足からの5年間の足跡をチーム関係者や選手のコメントを交えながら、当時のレース映像を元に追ったドキュメンタリー映画だ。
監督のダン・ジョーンズは、チーム発足当初からその裏側をYouTube動画で配信し、人気チャンネルとなった『バックステージ・パス』を撮影してきたいわば同志。動画は話題を呼び、ヨーロッパ文化の根強いロードレース界に、その陽気さと団結力で新旋風を巻き起こした。
この映画を通して一貫して感じたのは、”仲間との絆”。その信頼関係があってこそ、一人では成し遂げられないことも克服していく選手たちの姿に、観客も我がことのように勇気をもらえる映画だと思う。ロードレースをまったく知らない人でも人生ドラマとして楽しめるはずだ。
もちろんロードレースファンなら、当時のレース映像とその裏側で展開されていたドラマに確実に引き込まれる。2012年のミラノ〜サンレモのサイモン・ゲランス、2013年ツールでゴールバナーにチームバスが接触した騒動、その後のチームTTとマイヨ・ジョーヌ獲得、ゲランスとダリル・インピーの友情、エステバン・チャベスの加入と2015年ブエルタ、そして2016年パリ〜ルーベのマシュー・ヘイマン。こう書いてるだけでちょっと感動が蘇ってきた。
選手引退後にチームスタッフとして働くマシュー・ホワイト、ニール・スティーブンス、ジュリアン・ディーンなどがいい味を出してコメントしているのもまた楽しい。ぜひ映画館でグリーンエッジの仲間の一人となって、彼らの喜怒哀楽をともに体感してもらいたい。