iRC・ボウケン アンバウンドを走るライダーたちはグラベルタイヤをいかに選ぶか?
目次
世界最大のグラベルレース「アンバウンドグラベル」の“公式タイヤ”が「iRC・ボウケン ダブルクロス」だ。では当レースに参戦するライダーたちは、どのようにグラベルタイヤを選んでいるのだろうか?現地でピックアップしたレーサーたちのリアルを紹介しよう。
BOKEN DOUBLECROSS TUBELESS READY
ボウケンダブルクロス チューブレスレディ
価格/6820円
ラインナップ/700×33C(410g)、700×38C(495g)、700×42C(530g)
多彩なラインナップから、 自身のためのグラベルタイヤを選ぶ
日本から世界へとタイヤ製品を送り出すiRCによる、グラベルカテゴリーのタイヤが「ボウケン」シリーズ。最もシンプルな編み目のトレッドパターンを採用するフラッグシップの「ボウケン」、舗装路の軽快な走りにつながるセンタースリックのトレッド面を採用しつつ未舗装路でのグリップを兼ね備えた「プラス」、マッドコンディションで強力なトラクションを与えてくれる「スロップチョップ」と、走り方に応じた多彩なラインナップを持つのが本シリーズだ。
そして、アンバウンドグラベルの会場でも、特に注目を集める大会公式タイヤが「ダブルクロス」。未舗装路における直進やコーナー、それぞれに最適化されたトレッドパターンを備えた本タイヤは、アンバウンド会場において広く目にするものに。そこで同タイヤを装着したユーザーに話を聞くと、モデルはもちろん、太さやエアボリュームまで様々な選択肢があるグラベルタイヤだからこそ、自身のお気に入りを選びとることが重要だと誰もが語る。
そんなあらゆる参加者の中で最もタフなレースを行うトップ選手は、どのようにしてそのセッティングを決めているのだろうか? 下に登場するピーター・ステティナは、レース前に試走と熟考を重ねた結果、フロント42C、リヤ38Cのボウケンプラスを履き、当日に臨んだ。そこに行き着くまでの試行錯誤は、あらゆる領域のライダーに参考になるものだ。そしてiRCでは、そんなトップグラベルレーサーたちのフィードバックを基に新たなグラベルタイヤの開発も進む。ライダー一人ひとりの冒険心が詰まったグラベルレースだからこそ、プロダクトの進化もまたとどまることはないのだ。
HEATER JACKSON
ヘザー・ジャクソン
女子エリート200マイルカテゴリーにおけるiRCサポートライダーであるヘザー・ジャクソンもまた、今大会では「プラス」の前後42Cで挑んだ。10時間に及ぶレースの末、トップ9人のスプリントを経て5位となった
Lineup
ボウケン チューブレスレディ
価格/6820円
ラインナップ/700×36C(470g)、700×40C(505g)
ボウケンプラス チューブレスレディ
価格/6820円
ラインナップ/650×42B(535g)、650×47B(595g)、700×32C(435g)、700×38C(545g)、700×42C(590g)
ボウケンスロップチョップ チューブレスレディ
価格/6820円
ラインナップ/700×36C(520g)
BOKEN USER PICK UP
グラベル上でのバランス良し
Winston
bike/TREK CHECKPOINT
tire/BOKEN DOUBLECROSS 42C
race/100mile
「アンバウンドはもう何度も走ってきました!ダブルクロスは今回のアンバウンドのような、砂利をメインとしたコースにおいてはベストだと思っています。グリップを十分にしてくれるし、タイヤ全体に十分な剛性感があるから、長距離を走っていても力がよりスムーズに伝わるように思います。空気圧は前後35psiにしました」
耐パンク対策は十分
Luka
bike/SPECIALIZED DIVARGE STR
tire/BOKEN DOUBLECROSS 42C
race/100mile
「今回のコースはとがった大きめの石も多いと聞いているから、エア圧は高めで前30、後ろ35psiでいこうと思っています。スペアタイヤも一応用意して走りますが、ボウケンはタフなタイヤだからトラブルなく走りきれるでしょうね!」
知り尽くしたグラベルでのベストな選択
Jackson
bike/VENTUM GS
tire/BOKEN DOUBLECROSS 38C
race/200mile
「グラベルが好きでエンポリアに移り住んできたから、今は自転車で走る場所はグラベルしかないんだ! アンバウンドは2回目の挑戦になるんだけど、ダブルクロスを選んだのは今回が初めて。何本か別ブランドのタイヤを試してみたけど、今のところこのタイヤがお気に入りで、普段のライドから活躍しているよ。今回のコースもよく知っている道だけど、空気圧は前後32psiが今のところベストかな」
タイヤの太さは要チェックでした
Jeffrey
bike/ARGON18 DARKMATTER
tire/BOKEN DOUBLECROSS 38C
race/100mile
行きつけショップでもお墨付き
Jash
bike/SPECIALIZED CRUX
tire/BOKEN DOUBLECROSS 42C
race/100mile
「iRCのタイヤはショップで薦められて取り入れてみたんだ。結果、文句の付けどころがないね。グリップ力が高くてコーナリングしやすいなと思っているよ。今回が初めての参加だからコースは想像が付かないのだけど、フレームに詰まった泥をかき出すスティックも用意しておいたよ!」
“公式”の信頼感!
Loyd
bike/LAUF
tire/BOKEN DOUBLECROSS 42C
race/50mile
「私は今58歳で、これまでもMTBやロードレースと楽しんできたのですが、このグラベルレースというもののスピード感やタフさといったものが唯一無二で、今はとても好きなサイクリングとなっています。“公式タイヤ”ということからダブルクロスを履き始めたのですが、トラブルも少なく、とても信頼できるタイヤだと思っていますよ」
グラベルでスピードに乗りやすい
Mario
bike/ALLIED ABLE
tire/BOKEN DOUBLECROSS 42C
race/100mile
「地元のカンザスは本当にグラベルだらけだから、グラベルバイクで毎週のように走っているよ。そしてやっぱりグラベルレースに出たくなるよね。ダブルクロスは何といってもスピードを上げることができる。トレッドパターンが良いからかな? エアはちょっと高めの方が好きかな」
“BOKEN Series is really good!”
PETER STETINA
ピーター・ステティナ
北米グラベルレースシリーズであるベルジャンワッフルライドの7冠達成者であり、iRCサポートライダーとしてボウケンシリーズの開発にも携わる
雨予報のアンバウンドを走るのであれば、泥はけが良くシンプルで、抵抗が軽くスムーズに走る“プラス”を選択します。ドライであれば、グリップ力のある“ダブルクロス”を選択したいところですが、アンバウンドの泥は非常に粘着質で詰まってしまうため、42Cの“プラス”を使います。また、泥はけにさらに気を遣う場合は、クリアランス確保のため、リヤを細めの38Cにすることも検討しなければなりません。私自身iRCのタイヤ開発に2020年から携わっていますが、現在も開発陣と話し合いながらテストを重ねています。テストライドでの目的は最も競争力の高いタイヤを作ること。その中でも、開発中の『ボウケン“ライト”』シリーズは、私のとても大好きなタイヤの一つです。これより薄く、軽い構造も試しましたが、史上最軽量のタイヤであることより、一定の強さを保ちながらも、競争力を上げることが重要です。もちろん、通常のボウケンシリーズの強く、グリップの高いコンパウンドを搭載する設計も、バランスが良く気に入っています。そのため、非常に荒れていて、石の大きいアンバウンドでは、いつも通常モデルを選択します。しかし、転がり抵抗の軽い120TPIの“ライト”はとても速く、私自身多くのレースではこの新しいタイヤを使っています。皆さんもその登場を期待していてください。
【EVENT】2024年秋、白馬村でグラベルイベント開催が決定!
iRCが、長野県白馬村を舞台に「初心者に優しいグラベルイベント」の開催を決定した。白馬エリアの美しい風景やおいしい食事、良質なコースをローカルと作り上げる2日間のイベント。初めてのグラベルイベント参加におすすめだ。7月上旬より参加者募集中。
開催日時:2024年9月28日(土)〜29日(日)
開催場所:長野県・白馬村
事務局:白馬八方尾根スキースクール