なななさんが行く 荒川サイクリングロード定番コースガイド
目次
東京とその近郊に住むサイクリストにとっては定番中の定番コースの「荒川サイクリングロード」(通称・荒サイ)。その中でも、秋ヶ瀬公園をスタートして榎本牧場まで行くコースはさらに“ド定番”。サイクリング初心者にもおすすめだ。そのコースガイドを、人気自転車系YouTuberのなななさんをナビゲーターとしてお届けしよう。
ちょっと道が複雑なのでコースはよく確認したい
荒川サイクリングロードは、正式名称としては「荒川自転車道」で(さらに言えば「さいたま武蔵丘陵森林公園自転車道線」がより正確な名称だ)、実際には荒川自転車道ではない箇所を通ったりしつつもいくつかの定番コースがサイクリストの間で形成されており、それを総称して「荒川サイクリングロード(荒サイ)」と呼ばれている。
その中でも、集合地点/中間アクセスポイントとして人気の秋ヶ瀬公園を起点とし、榎本牧場でジェラートを食べて帰ってくるのが人気コースだ。
ただ、工事中の箇所が多かったり途中で道が分岐したりと、初めて行くには少しコースが複雑で(しかも何通りか行き方がある)、迷ってしまう人も多い。
そこで今回は、これが“公式の正解ルート”だ! というものはないものの、多くのサイクリストが通っていると思われる、編集部おすすめのルートを紹介していきたい。
「動画の撮影のために訪れた荒川サイクリングロードですが、ずっと河川敷の直線の舗装路が続く“いかにもサイクリングロード”というような単調なコースではなく、途中で田園風景の中を通ったり森の中を抜けたり、休憩スポットがあったりと変化に富んでいるので、走っていて飽きないなという印象です。
ただ、やっぱり初見だと迷いやすいなとも思ったので、この記事を参考にして、無事に牧場のおいしいジェラートにたどり着いてほしいと思います。レッツゴー!」となななさん。
荒サイ 秋ヶ瀬〜榎本牧場コースガイド
コースデータはこちら↓(Ride With GPS)
距離:約18km(牧場までの片道)
START & GOAL 秋ヶ瀬公園
大きな森の広がる巨大な公園。駐車場もかなり広く、車に自転車を積んできてここからスタートするサイクリストも多い。公園中央を通る広い道路は荒サイ北部へ抜けるアクセス道路としても活用する人が多い。木陰が気持ち良いストレートだ。
POINT① 羽根倉橋
序盤でさっそくやってくる分かりにくいポイント。秋ヶ瀬公園の直線道路を北へ直進すると、羽根倉橋(はねくらばし)という大きな橋の下をくぐってT字路になり、右に見える坂道を上ることになる(左側は工事用道路で侵入できない)。坂道を上ったあたりで奥に見える信号のある交差点まで行かずに、写真でなななさんが指さしている方へ左折する。
ちなみに、信号手前まで進むと現在整備中の広く新しい(正規の)サイクリングロードに出られるが……(後の章で詳しく説明)。
POINT② 竹林の小道
自動車教習所と野球場の横を抜け、竹林のある小道になる。道路が木の根で波打っているので注意して進みたい。ここで少し木陰ができるので暑い時期にはありがたい。
POINT③ 田園の中の道
しばらく進むと田んぼが広がる場所に出る。「自転車道左折」と看板が出ており、そのとおりに進むと良い。緑の季節はここの田園風景がなかなか美しい。「ここは景色がいいし、気持ちがいいですね」となななさんもコメント。なお、冬季は北風がきつくなるので、つらいポイントとなる……。
POINT④ 西遊馬(にしあすま)公園の入り口
ここも分かりにくいポイント。ずっと北上していくとやがて大きな公園(西遊馬公園)が見えてきて、公園の中を通る道へ右折していく流れとなる。よく見ると「自転車道→」と看板があり右折しないと砂利道になるので、行きすぎることはないはず。なお、公園内にはトイレがある。
POINT⑤ 西遊馬公園から土手の上へ
公園内の道を進んでいくと、土手にぶつかる。ぶつかったら右折し、土手の上へ上ろう。土手に上ってからは、上の写真のように「自転車道」の表示がある道を進んでいけば良い。
POINT⑥ 国道16号の高架下をくぐる
「自転車道」の表示に従って北上していくと、高架下のちょっと薄暗いトンネルが見えてくる。若干不安になるが、ここをくぐっていくので合っている。ちなみに、この先から後述の環境センターまでは荒川自転車道ではない(たぶん誰もそんなことは気にしていないだろう)。
POINT⑦ 環境センター前で左折して土手下の田んぼ道へ
ここから先は特に迷いやすいポイントが連続する。POINT⑥の高架下をくぐったあとは広く快適な道になる。しばらく北上すると大きな煙突が目印の上尾市西貝塚環境センターが見えてきて、道が分岐するポイントに出る。ここは左折して土手の下にある田んぼ道へと降りよう。長年工事が行われている場所で大型のトラックが出入りするので注意しよう。
POINT⑧ 最初の田んぼ道を右折して北上する
適当に田んぼの中の道を北上しても先には進めるのだが、POINT⑦で左折して土手を降りてから最初の交差点を右折するのがおすすめ。こちらものどかで気持ちが安らぐ場所だ。
【おすすめ食事スポット】カフェダイニング529(ゴフク)
コース付近にはいろいろなおすすめの食事スポットがあるが、榎本牧場まで往復してくるのなら、だいたい中間地点ほどにあるこちらのカフェダイニング529に立ち寄るのがおすすめだ。サイクルラック完備で、しかも店内の窓際の席からしっかりと愛車が見えるので安心感が高い。地元で採れた野菜をふんだんに使った料理が振る舞われる。上尾市の名物「上尾カレー」が定番メニューだ。
POINT⑨ ゴルフ場を抜ける道
ここから先は「県央ふれあいんぐロード」という、やはり荒川自転車道とは違うサイクリングロードだ(がやはり、気にしている人はほとんどいないだろう)。こちらを進んで榎本牧場を目指すことになる。「サイクリングコース」という案内表示が出ているのでそれに従っていけば迷うことはないが、ゴルフ場の中を突っ切るような道のため若干不安になってくるポイント。だけどここで合っているのでご安心を。
途中で緩い上り坂になり、サイクリングロードと一般道路が並走する道に出くわすが、どちらを通ってもすぐ先で合流するので問題ない。なお、サイクリングロードの方が草が伸びていて通りにくいことが多い。
POINT⑩ 住宅地に入る地点を右折
ここも案内表示があるのでそのとおり行けばいいものの、道が狭いうえに住宅地へと入っていくため、またまたこれで道が合っているのか不安にさせられるポイント。大丈夫です。そのとおり進みましょう。
POINT⑪ 一時停止のある地点を左折
POINT⑩から少し進むと、すぐに一時停止のある交差点がある。ここにある「サイクリングロード」の案内表示に従って左折しよう。まず見逃すことはないはず。もちろん、きちんと一時停止して安全確認を。
POINT⑫ 一般道からサイクリングロードへ入り牧場へ
先ほどのポイントからすぐに「サイクリングロード」の案内表示がまた現れ、一般道からサイクリングロードへと分岐する。ここからはわりと狭い道で、途中で森のトンネルを抜けたり、(時期によっては)草が生い茂る道を抜けていくことになる。「ここは特に、よくイメージするような川沿いのサイクリングロードの風景とはまるで違っているので、これはこれで面白いですよ」となななさん。途中で案内表示があるので、迷うことはないはずだ。
しばらく進むと牧場が見えてきて、サイクリングロードから牧場に入れる入り口に到着する!
榎本牧場に到着!
牧場内の売店では、名物のジェラートが買える。また敷地内では飼育されている牛を間近で見ることができる。他にもミニブタや鳥類が飼育されているので、ちょっと眺めていくのもおすすめ。
秋ヶ瀬公園へ戻るにはもと来た道をたどって行けばいい。時間に余裕があるなら少し違う道を入れてアレンジを加えてみて、自分なりにいろいろなルートを探ってみるのも面白い。
【注意】工事中で迂回になることも多い
荒サイでは各所で頻繁に工事が行われる。その際は迂回路の案内表示が掲示されるので、こちらをよく見て迷わないように冷静に迂回して対処しよう。
新ルートの整備が進行中
ここまで紹介したのが荒サイとして親しまれるコース(の一部)だが、「荒川自転車道」として広くきれいな自転車道の整備が進められてきており、近年はだいぶ通れる箇所が増えた。
秋ヶ瀬公園内のストレートを北上し、羽根倉橋をくぐって坂道を上ったら、もう少し先にある交差点前から“新道”に入ることができる。上の写真のようにバリケードはあるが、空いている部分から進入できる。
途中にいくつかバリケードがあるが、ここも空いている部分からそのまま進むことができる。
しかし、まだ途中までしか開通していないため、案内表示に従っていくと途中で“従来のサイクリングロード”へ戻されるうえ、道が狭くて草が生い茂り、かなり進みにくい箇所を通らされることになってしまう。
いつか全て開通することを期待したいが、こちらはザ・サイクリングロードという感じで単調な道のうえ、日陰もないので、「やっぱり従来の道の方が楽しい」と感じるサイクリストは多いかもしれない。
なななさんが乗っているクロスバイクはこちら
フォースはチェコの総合自転車用品ブランドで、このクロスバイクはサイクリングロードを走るのにぴったりなディスクブレーキ仕様の一台だ。写真ではサイクリングに役立つさまざまなアイテムを装着した仕様となっている。詳しくは、『サイクリング初心者に知ってほしい! 自転車女子が教える クロスバイクでサイクリングに挑戦するコツ』の記事をチェックしよう!