「サイクリストに優しい福岡の宿」を大紹介!福岡サイクリングをもっと便利に【後編】
目次
安全な場所への自転車保管や、エアポンプ・工具の貸し出しサービスなど、サイクリストに向けたサービスが充実しているのが「サイクリストに優しい宿」だ。そして福岡県では、そんな自転車旅で利用したい宿を認定中。前後編に分けて紹介しよう。
サイクリストへの対応万全!福岡サイクリングで活用したい宿泊先
サイクリングの旅の途中に、どんな宿に泊まりたい? 九州随一の都会でありつつ、自然豊かなスポットが満載の福岡県では、街と自然が共存するロングライドコース「福10(てん)ルート」の整備が進むとともに、実は“サイクリストに優しい宿”が増加しつつあるのだ。
それは、自身のスポーツバイクを安全・安心して保管できるための設備が整っていることだけでなく、もしもの時の工具やエアポンプ、リペアキットなどの設備が充実。あるいは魅力的なサイクリングルートへのアクセスも良好など、様々な“おもてなし”体制が整っているという宿泊施設たち。
そんなサイクリストウェルカムな宿やホテルがあれば、福岡のサイクルツーリズムはもっと便利で快適なものとなっていくと言えるだろう。
ここでは、そんなサイクリストへのサービスが充実した福岡の宿泊施設を紹介! 今回は福岡の筑豊・筑後エリアを紹介する後編だ。
No.09 久留米 片の瀬温泉 湯元小林
源泉掛け流しの温泉と、はかた地鶏の水炊きで元気をチャージ
サイクリングの疲れを癒すのに最適なのは? そう、温泉!
筑後川沿いの「湯元小林」の温泉は、地下に堆積する植物の層を通って湧き出る希少な「モール泉」。
泉質は弱アルカリ性の「ナトリウム炭酸水素泉」で筋肉痛、関節痛、打撲などへの効能が期待される。鮮やかな黄金色が特徴で、サラリとした滑らかなお湯が心地よく、植物由来の天然保湿成分や有機物が含まれるため、美肌の湯とも呼ばれるのだとか。
さっぱりしたところで、名物・はかた地鶏の水炊きでお腹を満たそう。水と鶏ガラと香味野菜だけで7時間炊いた黄金色のスープは、塩さえ入れていないのに深い味わい。続いて肉や野菜を投入、〆の雑炊まで全て調理してくれるから、まさに至れり尽くせりだ。
サイクリスト向けのサービスも、もちろん充実している。
まず、宿の入り口にはスポーツバイクを洗うスペースを完備。きれいになった愛車を押し歩きでチェックイン、そのまますぐ左手へ進めば、絨毯敷きの贅沢な部屋が駐輪スペースになっている。
さらにその隣の客室は、サイクリスト仕様。そのまま自転車を押しながら部屋へ持ち込むことができる。
もうひとつ、サイクリストへの宿泊特典として500mlペットボトル入りの水と栄養補助食品、自転車を拭くウェスがついてくるのもうれしい。
久留米 片の瀬温泉 湯元小林(くるめ かたのせおんせん ゆもとこばやし)
住所:〒839-1225 福岡県久留米市田主丸町菅原2251番地2
電話番号:0943-73-7820(受付時間10:00~21:00)
WEBサイト:https://yumotokobayashi.com/
No.10 貸邸 満天の庭
田主丸の一棟貸しの宿で、贅沢なひとときを
1500坪もの広大な敷地には、美しい緑と四季の花々で彩られた庭園があり、その背景には耳納連山の雄大な姿が広がっている。やがて陽が落ちると、シティライトのない夜空いっぱいに宝石を散りばめたように星々が輝き始める。まさに「満天の庭」の名のとおり。ここには大自然に抱かれてゆったりと過ごせる豊かな時間が流れている。
宿泊施設は、風格のある純和風の母屋棟と、よりプライベート感のある離れ棟の2棟のみ。グループライドの仲間や親子3世代で気兼ねなく盛り上がれる母屋棟の大広間は、293㎡という圧巻の広さが自慢。少人数なら定員4名の奥の間も落ち着ける。一方、離れ棟はバーカウンターを備えたムーディな空間がカップルに人気だ。宿泊者貸切の庭園露天風呂や好みの食材を持ち込んでバーベキューを楽しむスペースも備えている。
また、フルーツの里として知られる田主丸では、開植の地を誇る巨峰をはじめ、いちご、いちじく、ブルーベリー、柿などのフルーツ狩りもおすすめ。大分・熊本方面へのアクセスもいいので、ここを拠点に遊びの範囲を広げることもできる。
貸邸 満天の庭 (かしてい まんてんのにわ)
住所:〒839-1214 福岡県久留米市田主丸町地徳2213-1
電話番号:080-3996-2840
WEBサイト:https://www.manten-no-niwa.com/jp/
No.11 宿屋 昭
総面積400坪、一棟貸しの邸内で日本庭園を眺めつつ、愛車のメンテナンスを
自然豊かな耳納連山の麓に位置する「宿屋 昭」は総敷地面積400坪を誇る一棟貸しの宿。70坪の日本家屋を囲むように広がる330坪の日本庭園は圧巻だ。枯山水や水が流れる滝口を観ることができる庭には、五葉松・梅・ツツジ・ナンテンなどが植栽され、四季折々の風景が楽しめる。純和風の邸宅は、外国人の宿泊客に大好評だとか。
一見、敷居が高く感じるかもしれないが、実はここ、サイクリストにやさしいサービスが満載なのだ。まず、玄関内にサイクルラックを設置し、スポーツバイクを掛けておくことができる。
さらに庭に面した板張りの廊下まで自転車を持ち込むことも可能。スポーツバイク用の工具も貸してもらえるので、日本庭園を眺めつつ、メンテナンスを行うなんて贅沢もかなう。
サイクリングの疲れを癒す足湯が用意されているのも、うれしいポイント。緑豊かな庭園を眺めながらゆっくりと足をほぐそう。
最大12人まで泊まれるので、チームで利用するのも楽しそうだ。
冷蔵庫(業務用)完備のキッチンも自由に使えるが、併設の鰻・鯉料理の食事処「魚国」で郷土料理を味わうのもおすすめ。
宿のワンブロック東側の道は、天然記念物に指定された「柳坂曽根の櫨並木」。南北約1.2キロメートル、260本が続く並木道は人気の紅葉スポットになっている。
宿屋 昭(やどや しょう)
住所:〒839-0827 福岡県久留米市山本町豊田1656-3
電話番号:0942-43-2581
WEBサイト:https://shoinn-fukuoka.com/
No.12 きふね
泊まれる蕎麦屋!? 古民家ステイもキャンプも楽しめる
築150年の古民家「きふね」では、浮羽の天然地下水で仕込む、つなぎなしの十割蕎麦が味わえると評判。蕎麦打ち歴約半世紀の職人が、水回し、練り、延し、たたみ、切りの工程を全て行う完全な手打ち。鹿児島県枕崎産の本枯れ節と、屋久島にのみ生息する屋久サバ節の削りたてを丁寧に煮出して作るつゆにもこだわっている。蕎麦をつゆに軽く浸して、一口啜れば、華やかな蕎麦の香りとともに旨みと甘みがじわぁっと広がる。
実はこちら、1日1組限定の一棟貸しの宿でもある。落ち着いた和風の外観から一転、室内は白を基調としたモダンな佇まい。
一泊二食付き。夕食はBBQスタイルのお肉のコースか、自慢の蕎麦だしで仕込む鴨鍋から選べ、朝食はかまどの炊きたてご飯がいただける和食となっている。
玄関内にスポーツバイクを持ち込めるのもうれしいポイント。元・トライアスリートの店主が揃えるスポーツバイク用の工具も充実。貸し出しはもちろん、修理も手伝ってくれるかも。
外のキャンプサイトで宿泊するなら、BBQ機材のレンタルがあり、好みの食材を持ち込んで豪快にアウトドア料理を楽しめる。「道の駅うきは」に近接しているので、地元の新鮮な食材を買い込んでいこう。満点の星空の下で焚き火をするのもアウトドアの醍醐味だ。
敷地内にはベーカリー「そらいろ」を併設。やさしい味わいのパンが好評。
きふね
住所:〒839-1408 福岡県うきは市浮羽町山北694-1
電話番号:0943-73-7380
WEBサイト:https://kifune-fukuoka.com/
No.13 いいづかスポーツ・リゾート ザ・リトリート
大自然のなかでリフレッシュ、身体とこころにウェルネスを
忙しい日常から離れて自分のための時間を持ちたくなったら「いいづかスポーツ・リゾート ザ・リトリート」へ。「自然」と「ウェルネス」をテーマにしたホテル&グランピング施設で、ゆったりとくつろぐもよし、アクティブに楽しむもまたよし。
宿泊スタイルも多彩。アスリートたちが選ぶマットレス『エアウィーヴ』を使用した部屋や、バルコニーを備えた部屋などで快適に過ごせるマウンテンロッジ(ホテル棟)、冷暖房・トイレ・シャワーを室内に完備したおしゃれなジャーニーテント、アメリカンビンテージデザインのエアストリーム(高級キャンピングトレーラー)、専用ジャグジー付きのアウトルックキャビン(コテージ)など、4タイプが揃う。
スポーツバイクは、フロントからそのまま押し歩きで数メートル先にある多目的ホールで預かってもらえるので安心。コインランドリーも完備している。
ディナーは緑いっぱいのガーデンキッチンで楽しむBBQ。分厚いステーキをウェーバー社製ガスグリルで焼きあげる本格アメリカンスタイルだ。午後3時から9時までのフリードリンクまでついてくるというから最高!毎晩、行われるキャンプファイヤーも大好評だ。
翌朝の朝食は、地元でとれたお米を使った『和のおにぎり弁当』か、ホットドッグがメインの『洋朝食』からチョイス。各部屋まで届けてもらえるのでゆっくり過ごせる。
腹ごしらえができたら、さあ、サイクリングへ出かけよう!
いいづかスポーツ・リゾート ザ・リトリート
住所:〒820-0115 福岡県飯塚市仁保8-37
電話番号:0948-82-3177
WEBサイト:https://the-retreat.jp/

木立のなかで異彩を放つ、コンフォートRV(キャンピングカー)での宿泊もおすすめ。アメリカンヴィンテージデザインのエアストリーム(高級トレーラーハウス)で、ホテルやキャンプとは一味違う、優雅なグランピング体験を

ダブルベッド・冷暖房・シャワー・ウォシュレット付きトイレ、ドライヤー・電気ケトル・冷蔵庫・貸金庫を完備。タオル、歯ブラシ・シャンプーやソープ類・スリッパ、コーヒー・ハーブティなどアメニティもホテル並みに充実

広大な敷地内には7つのテニスコートを完備。ヨガやハイキング、薪割り体験、キャンプファイヤーなど多彩なアクティビティが用意されている。遠賀川河川敷を通り、飯塚市~小竹町~直方市間を結ぶ飯塚直方自転車道も近い
No.14 MEIJIKAN
アーティストを応援するホテルは、サイクリストにもやさしい
ホテル前に「福岡サイクルステーション」ののぼりがはためき、サイクルラックが設置されているあたりからして、すでにサイクリストへのやさしさを醸しだしている「MEIJIKAN」。
筑後で100年続く宿泊施設「明治館」を2017年にリノベーション。1Fは現在、地域内外の人々が集う交流の場、2Fはアーティストの作品展示やワークショップなどが行われるギャラリー(フリースペース)、3・4Fは宿泊施設として生まれ変わった。
シングルルームから最大6名まで宿泊できるファミリールームは、客室内へのスポーツバイクの持ち込みがOK。グループライドなどで自転車の台数が多い場合は1階の営業終了後、シャッター内に自転車を入れて施錠してもらうことも可能だ。
コインランドリーを完備。立ち寄りでシャワーのみの利用もできるので、ツーリングの途中で、洗濯しながら汗を流すこともできる。
「筑後の伝統、文化、自然資源、物語を活かしながら、地域の皆さんと共にまちを元気にしたい」というオーナーの願いが形になったギャラリー「CHIGGO」や九州のアーティストたちが手がけた客室「アーティストルーム」もユニーク。館内の随所にアートが感じられるデザインホテルだ。
MEIJIKAN(メイジカン)
住所:〒833-0031 福岡県筑後市大字山ノ井138-23
電話番号:0942-52-5353
WEBサイト:http://meijikan.jp/

九州のアーティストが筑後に滞在し、筑後をテーマに制作を行った4つの客室『HOTEL ART IN』。それぞれに個性的な客室のアートに囲まれて見る夢はどんな夢?(※HOTEL ART INの客室には自転車の持ち込み不可)
No.15 天空の茶屋敷
標高460mまで辿り着けるか!? 福岡県No.1の秘境ゲストハウス
福岡県の南端に位置する八女市黒木町は、八女茶発祥の地。標高約460m、くねくねと曲がりくねった山道をひたすら上り詰めて、ようやく辿り着いた築100年の古民家は、まさに秘境と呼ぶにふさわしい。体力に自信があるなら、サイクリングに挑戦を!うれしい自転車割引あり。
多彩な個室やドミトリーが揃うなか、一番人気は絶景バルコニー付き12畳の個室。バルコニーにはヒノキ風呂が設えてあり、なんと宿泊者自身で火を起こして入る。美しい夕陽や星空を眺めながら、旅の疲れを癒そう。共有キッチンは、タイムスリップしたかのような竈門のある土間。竈門で炊いた、甘みと旨みたっぷりのごはんを味わって。
オーナーのジロー(本名:坂本治郎)さんは約6年かけて65か国を旅したという異色の経歴の持ち主。「友だちが来た感覚で一緒に遊べるといいなぁ。かつて自分が旅人だったから、その経験を生かして楽しみながらゆる〜くやってます」と、おいしいお茶を振舞ってくれた。
春は山菜採り、初夏はお茶摘みや手揉み体験、夏は川遊び、秋は栗拾い……四季折々に大自然を満喫できる。
天空の茶屋敷(てんくうのちゃやしき)
住所:〒834-1222 福岡県八女市黒木町笠原11250
電話番号:090-7263-5544
WEBサイト: https://www.skyteahouse.com/