【キャリーミー編】石井正則さんと最新&定番モデルを乗り比べ!いま選ぶべき折りたたみ自転車
目次
モデルごとにがらりと違う個性を見せる折りたたみ自転車。どれを選ぶかは、単に性能のよし悪しといった尺度だけではなく、乗り手の用途や価値観が決め手になる。
数多くの折りたたみ自転車を所有し、生活と旅の双方で活用してきた石井正則さんがパシフィックサイクルズのキャリーミーに乗った。経験と直感、そして「趣味性」に基づいたモノ選びに定評がある。もう一人の案内人は、「折りたたみ自転車で旅に出る」編集長である田村浩。輪行を駆使して全国を走ってきた経験を活かし、モデルの特徴や適した用途を解き明かす。
石井正則
ドラマや舞台で幅広く活躍するタレント・俳優・ナレーター。初代ミニベロ親善大使や7代目自転車名人に任命されるほどの折りたたみ自転車愛好家。写真撮影、喫茶店めぐり、軽量ギアを活用したハイキング、オーディオ機器選びなど、自転車を軸に多彩な遊びを実践する趣味人でもある。
Pacific Cycles CarryMe
パシフィックサイクルズ・キャリーミー
価格/12万6500円(エアタイヤ仕様)、13万7500円(ソリッドタイヤ仕様)
小径を極めたスティックタイプ
わずか8インチ、直径20cmの極小タイヤが強い印象を与えるキャリーミー。前輪&ハンドルとサドルをメインフレームに寄せる折りたたみ構造によって、接地面積がA4サイズに収まるほどスリムになる。そのうえ公称重量8.6kgと軽く、フレーム後端に設けられたローラーで転がすこともできる。まさに「スティックタイプ」であり、袋に収めると自転車であることを忘れてしまう。現行モデルは折りたたみ時のシートチューブロック機構が改良され、固定と解除がよりスムーズになった。リアフォークはスライド式になり、チェーンテンションの調節もできる。また、専用のキャリアを装着すれば、見た目以上の積載力を発揮することができる。
もちろん走行性能は限定的で、段差などの影響を受けやすい。輪行との相性が抜群なので、目的地の最寄り駅まで輪行し、後は歩くより速ければOK、といった感覚で乗りこなしたい。
SPEC
フレーム/アルミ
フォーク/アルミ
コンポーネント/シングルスピード
ギヤ/84×14T(マイクロピッチ)
タイヤ/8×1-1/4インチ
重量/8.6kg(エアタイヤ仕様)、9.1kg(ソリッドタイヤ仕様)
折りたたみ寸法/高さ100cm×幅32cm×奥行き25cm
カラー/グリーン、マットオリーブグリーン、オレンジ、ルナグレイソリッド、ブルー、イエロー、レッド、ホワイト
インプレッション
石井:本当に楽しい自転車です。見た目も可愛らしいですが、実は完全に玄人向けの自転車です。いわゆる「クセつよ」の極み。ミニベロに乗り慣れていないと不安定ですし、変速ギヤはないですし、脚を止めたら進みません。それを知った上で使いこなせば、こんなに楽しい自転車はありません。走行性能の評価は低くなりますが、ガジェット的なワクワク感は文句なしに五つ星。かなり尖ったアイテムなので、折りたたみ自転車入門者にはバーディーを勧めます(笑)。
田村:キャラクターがはっきりしています。スリムで輪行が苦にならないのは間違いないですし、慣れてしまえばそれなりの距離もこなせますが、個人的にこれで走りたいと思えるのは5km圏内の移動ですね。そんな自転車なのに、100km単位を走る猛者や、わざわざ峠を越えるヘ○タイも大勢知っています。そういう大人気ないことをしたくなるような、不思議な魅力というか愛嬌があるのも事実。猫のような存在かもしれません。
評価
今回のキャリーミーを紹介しているサイクルスポーツ特別編集「折りたたみ自転車で旅に出る」は好評発売中です。誌面では、他の車種のインプレッションも掲載しています。