木曽川ライド!サイクリング&アウトドア・アクティビティを満喫

目次

1泊2日で岐阜県と愛知県をまたぐ木曽川中流域でサイクリングと、それ以外のアウトドア・アクティビティを楽しむモニターツアーに参加してきた

新幹線の駅からすぐに走り出せる木曽川沿川サイクリングコース

モニターツアーのスタート&ゴール地点となる「BLOCK47」はJR岐阜羽島駅から徒歩5分に位置し、地域とサイクリストをつなぐハブとなっているスポットだ。
ロッカー、シャワーもあり、クロスバイクから本格的なロードバイクまでレンタル可能なので、新幹線で手ぶらで来ても気軽にサイクリングを楽しむことができる。

今回のツアーは90kmを1泊2日で走るプラン。中級者以上のサイクリストからすると、何とも短く感じるかもしれないが(実は筆者も物足りなさを感じていたのだが……)これがなかなか身も心も十分満たされる2日間となった。

<一日目の行程>
BLOCK47スタート→濃尾大橋を渡り木曽川沿川サイクリングコース→138タワーパーク→犬山城下町→リバーポートパーク美濃加茂(約42km)美濃加茂泊

ブロック47

「食」「運動」「対話」を一つの施設に集約し、体験することができる「BLOCK47」(岐阜県羽島市福寿町千代田3-54岐阜羽島ガーデンモール内/TEL:058-372-3196)

起渡船場跡

木曽川に入るとすぐに「起渡船場跡」がお出迎え。美濃路は、東海道と中山道を結ぶ脇街道で、その最大の難所は、日本有数の大河である木曽川を渡ることであった

木曽川沿川サイクリングコース

木曽川沿川サイクリングコースは路面状況良く、道幅も広いので、とても走りやすい。また、すれ違うサイクリストの皆さんが挨拶してくれるのが何とも心地よい

愛あむさん

この日はグルメライドイベント「ツール・ド・KISOGAWA」が開催されており木曽川沿いにそびえ立つ138タワーパークで大垣市出身のゲストライダー愛あむさんにばったりお会いした

木曽川沿川サイクリングコースは歩行者、ランナー、サイクリストがそれほど多くなく、道幅も広いので走りやすい。また、少年野球のグラウンドもコースから離れているので、子供の飛び出しも少ないと感じた。ただし、あくまでも道を使わせていただいてる気持ちを忘れずに、いつでも止まれる速度で走ることが重要だ。

道幅が狭いエリア

エリアによっては、道幅が狭くなるので、減速して歩行者に注意しよう

いよいよ一日目のハイライトとなる犬山城下町へと向かう。現存する日本最古と言われる木造天守の国宝「犬山城」を有する犬山市は2023年から2024年にかけて、インバウンドの増加率が国内1位となったそうで、この日も国内外から大変多くの観光客でにぎわっていた。

犬山城

現存する12天守の一つ国宝「犬山城」が見え、俄然テンションが上がる筆者↑↑

犬山城下町

すごいにぎわいの犬山城下町。観光と共にそこに古くから暮らす地元住民の生活感があるのがすばらしい。

犬山城の天守に登りたかったが、団体行動につき、泣く泣く本日の最後のお立ち寄りスポット「リバーポートパーク美濃加茂」へと向かう。この日は「日本ライン・KISOGAWA River to Summit2024」が開催されていて、同会場では水上アクティビティ、地元食材などを楽しめるマルシェやアーティストによるコンサートなどを楽しむファミリー層や観光客でにぎわっていた。

五平餅

マルシェで「五平餅」を即食い!岐阜に来たらそら食べるでしょ~

けいちゃん

食はこれまた地元料理の「けいちゃん」。活字では表現できないが、独特のイントネーションが面白い

自転車を移動手段として、他のアクティビティも楽しめる木曽川のポテンシャル

<二日目の行程>
美濃加茂→中山道太田宿→リバーポートパーク美濃加茂(ラフティング体験)→日本ラインロマンチック街道→伊木山フォレスト(BBQ)→笠松みなと公園→BLOCK47(約45km)

二日目は宿からほど近い中山道の太田宿から始まる。筆者は4年前に東京日本橋~京都三条大橋(約530km)を自転車で走ったので、この太田宿へ再訪できると知り、このツアーに参加したと言っても過言ではない……。
ここで、旧街道の魅力を語りだすとキリがないので我慢するが、中山道の木曽路から美濃路にかけて十七の宿場がある岐阜県のこのエリアは、今もなお日本の原風景を色濃く残す、まさに日本が世界に誇れる「オールドハイウェイ」であるとだけ伝えておきたい。

旅籠旧小松屋

中山道太田宿 旅籠旧小松屋(岐阜県美濃加茂市太田本町2-8-6)。江戸時代の旅籠を活用したお休み処。建物の真後ろに木曽川が流れている

木曽川に並走する大好物の中山道を泣く泣く離れ、この日のハイライトとも言える「ラフティング体験」をしに、昨日の最後に立ち寄った「リバーポートパーク美濃加茂」へと自転車で向かう。
現地に到着するなり、早速ウエットスーツに身を包み、レクチャーを受けてから颯爽とボートに乗り込む。筆者は15年前に高知県四万十川で経験しているので、楽しみワクワクなのだが、同乗者には泳げない人もいて、不安の表情が隠せない。

しかし、時間の経過と共に、陽気で不適な笑みを浮かべるインストラクター「HIDE」のおかげで、緊張もほぐれ全員が安全にラフティングを楽しむことができた。大きな岩の出現と川幅が狭まる自然の摂理により、突如として激流となったり、穏やかになったりと、川の自然を満喫することができた。何より一番はしゃでいたのは、筆者であったことはいうまでもない……。

リバーポートパーク美濃加茂

リバーポートパーク美濃加茂(岐阜県美濃加茂市御門町2-6-6/TEL:0574-49-6717)はラフティングやサップ体験の他、BBQ、キャンプ、カフェなどの施設があり、気軽にアウトドア・アクティビティが楽しめる

激流を乗り越える

昨日出会ったばかりの同乗者とも、息をそろえて激流を乗り越えることができた。すでに僕らはワンチームだ(知らんけど……)

3mの岩からダイブ

オプションで3mの岩からダイブさせていただきました~

ラフティングを楽しんだ後、高揚した気分そのままに、サドルにまたがり20kmほどサイクリングをして、ランチ会場の伊木山フォレストへと向かう。この日のランチはBBQ。前日から地元の方が声をそろえておっしゃっていたのが、「岐阜県民はとにかくBBQ好き」。そんなん「どこの県民もBBQは好きやろ~」と思っていたが、会場に到着すると見たこともないスケールのBBQ広場に圧倒される。とにかく、老若男女が皆、楽しそうにひたすら肉を焼いて、ばくばく食べているではないか。恐るべし岐阜県民のBBQ愛……。

伊木山フォレスト

犬山城と木曽川を一望できるキャンプ&BBQ場「伊木山フォレスト」(岐阜県各務原市鵜沼小伊木町4-265/TEL:058-370-0740)

岐阜県庁の北村課長と加藤さん

一枚入魂の真剣な眼差しで一心不乱にお肉を焼く岐阜県庁の北村課長と加藤さん。岐阜県民のBBQ愛ここにあり!牛、豚だけでなく、鶏肉もあり、めちゃくちゃうまい。ごちそうさまでした~

BBQでお腹いっぱいになった御一行は、再びサドルにまたがりゴールのBLOCK47へと向かう。距離は25kmほど。木曽川沿川サイクリングコースの路面には「日本ラインロマンチック街道」と表記されいる。
岐阜県美濃加茂市、各務原市、可児市、坂祝町、愛知県犬山市の5つの地域を流れる木曽川は、国の名勝に指定されていて、その風景がヨーロッパ中部のライン川の風景に似ていることから「日本ライン」と呼ばれているそう。

途中、地元サイクリストの定番休憩スポットとなっている笠松みなと公園で休憩をはさみ、川を離れ内陸部を走って帰ったのだが、河川敷のほうに目をやると、長いグラベル道があったので、次回はグラベルバイクで走りたい。
また、木曽川から内陸部へわずか4kmほどのところに位置する「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」にも次回は必ず行こうと心に決めた。

<二日目>ホテルルートイン美濃加茂~BLOCK47(約45km)

日本ラインロマンチック街道

ラフティングしているときに川から右側に見えていた道が「日本ラインロマンチック街道」。日本ではないような壮大な景色を眺めながら気持ちよく走れる道だ

犬山城

昨日とは真逆の木曽川右岸から見える「犬山城」。いかに難攻不落の城だったのが、素人目にも見て分かる

木曽川右岸

木曽川右岸は、左岸の景色とは打って変わり、原生林の中を走っているような風景

田園地帯に敷かれた一本道

ゴールの市街地近くへ続く田園地帯に敷かれた一本道。きれいな夕陽を眺めながら走っていると、旅の終わりが近づいたと感じるが集中力が切れやすいタイミングなので、この時間帯は注意が必要だ

90kmを1泊2日で楽しむことで十分な旅情を味わえる

一日100kmとか150km走ることがサイクリングの定番だと思っているサイクリストは多いと思う。しかし今回のような一日40~50kmのライドでも十分に楽しめるということが分かった。あちこち寄り道したり、観光したり、アウトドア・アクティビティを絡めたりと、自転車をスポットとスポットをつなぐ移動手段として使うのもありだと思う。

距離が短ければ短いほど、初心者と上級者が一緒に楽しめるサイクリングが可能となる。具体的に言えば、自転車にあまり慣れていない奥さんを誘うこともできるし、ファミリーやカップルでも十分に楽しめると思う。

ここ木曽川中流域では、サイクリングをしながら、さまざまなアウトドア・アクティビティを体験したり、犬山城、中山道の宿場町、航空宇宙博物館などの歴史・文化を学んだりすることができるので、好みに合わせていろんな組み合わせをして、楽しめる魅力的なエリアだと思う。そして、サイクリングでカロリー消費したら、けいちゃん、五平餅、栗きんとんなどの地元メシを楽しむことは言うまでもない。

道標

木曽川沿川をサイクリングしていると、左右どちらにも行きたくなるような道標にでくわす

岐阜羽島駅

岐阜羽島駅へのアクセス:東京から新幹線で約2時間。新大阪から新幹線で50分