Setouchi Vélo協議会の総会が尾道市で開催! 三代目会長に湯﨑英彦広島県知事が就任

目次

瀬戸内及びその周辺地域を世界に誇るサイクリングの推進エリアに育てていこうと取り組んでいる「Setouchi Vélo協議会」の総会が11月8日、広島県尾道市で開催された。

開催日:2024年11月8日(金)
会場:尾道市民センターむかいしま文化ホール
主催:Setouchi Vélo協議会

セトウチヴェロ尾道会議

新幹線の駅から最も近い島でサイクリング

Setouchi Vélo協議会の特徴は、会議の前に必ずその土地をサイクリングすることだ。
本会議に先立ち、今回も恒例のトライアルライドを実施。この日は、山陽新幹線の「三原駅」から三原駅まで歩いて5分&高速船で乗船14分と、新幹線の駅から最も近い島「佐木(さぎ)島」をeバイクで走った。
Setouchi Vélo協議会では、毎回開催地がルート造成に協力し、実際にeバイクで走行することにより、新しい気づきやヒントを得ることを目的としている。

三原市の岡田市長

乗船前に岡田吉弘三原市長が「風光明媚で穏やかな佐木島の景色を楽しんでほしい」と挨拶

湯﨑英彦広島県知事と井原木隆太岡山県知事

トライアルライドには湯﨑英彦広島県知事と井原木隆太岡山県知事も参加

船とサイクリングを楽しみ、ラストはしまなみ海道へ

この日のトライアルライドはサイクルシップ ラズリに乗って佐木島へ渡ってサイクリング。そして、また船で因島へと渡り、途中からしまなみ海道を走り、因島大橋を渡って向島(むかいしま)にある、地元食材を使ったアイスクリームが人気の「tsubuta SANK!」まで走り、この日のトライアルライドは終了。

約30名の参加者の中にはeバイクがまったく初めての参加者もいたが、ライド前にヘルメットの被り方やライドの講習もされており、かつeバイクなので、初心者でも十分に楽しめるトライアルライドだった。

佐木島

佐木島は岡田吉弘三原市長がおっしゃったように、風光明媚で穏やかな海を眺めながら楽しめるルートだった

八天堂のくりーむパンと瀬戸田の柑橘ミックスジュース

佐木島から因島へ向かう船の上で、ご存知「八天堂のくりーむパン」とカンキツスタンド オレンジの瀬戸田レモンジュースがふるまわれた

アイスクリーム

2022年オープン後、サイクリストに大人気となっているtsubuta SANK!のアイスクリーム。オーナーの澤野さんは、2021年に終了した自転車サイト「Cyclist」の最後の編集長

因島大橋

因島大橋を初めて走ったという参加者に感想を聞いたところ、空を飛んでいるような鳥の目線で見える瀬戸内海に感動したとのこと

設立3年目を迎えるSetouchi Vélo協議会

セトウチヴェロ尾道会議

トライアルライド後、尾道市民センターむかいしま文化ホールに会場を移し開催されたSetouchi Vélo協議会尾道会議では、第2期会長の池田豊人 香川県知事、芦谷 茂(一社)中国経済連合会会長、新会長の湯﨑英彦 広島県知事、井原木隆太岡山県知事、後藤政郎 本四高速社長をはじめとする構成団体、ならびに参加団体56団体から約100名が参加した。

池田豊人 香川県知事

第2期会長 池田豊人 香川県知事のコメント
「瀬戸内海のサイクリングは全国でも眺望、気候に恵まれたロケーションで、サイクリングを通じて街のにぎわい作りにも貢献している素晴らしいコンテンツだと思います。引き続き、Setouchi Vélo協議会で、瀬戸内地域のサイクリングを盛り上げていきましょう」

芦谷茂 中国経済連合会会長

構成団体を代表して、芦谷 茂(一社)中国経済連合会会長のコメント
「近年のアドベンチャーツーリズムへの関心の高まりから、瀬戸内海の島しょ部の自然や暮らしを楽しむクルーズや、瀬戸内と山陰を結ぶサイクリングなど、多彩な観光資源を活用した島しょ部と中山間地域の活性化にも力を入れており、当経連として、Setouchi Vélo協議会の取り組みに対しても微力ながら伴走していきたい」

後藤政郎 本四高速社長

後藤政郎 本四高速社長より以下の活動報告が発表された

<今期の主な活動報告>
・サイクリングルートのネットワーク化 前期82ルート→今期108ルート(961km増加)。総延長8611kmとなった
・サイクリングパンフレット(日本語版/英語併記版)を発行し、500か所以上配布
・サイクリングの推進エリア化 四国4県をまたぐトライアルライドの実施、愛媛県上島町、鳥取県境港市・米子市、香川県綾川町でミーティングとトライアルライドを実施
・9月9日より、シェアザロードの啓発チラシを全加盟県9県内で配布、道路利用マナーの向上、意識醸成を行っている
・4月よりサイクリストを支援いただける施設、店舗をSetouchi Véloスポットとして320施設を登録
・参加団体数が第2期34団体→56団体となり、加盟団体数が79団体となった
・国内外への情報発信するため、台湾商談会、ツーリズムエキスポでPRを実施

盾引継

会場ではSetouchi Vélo協議会第2期会長の池田豊人 香川県知事から新会長の湯﨑英彦 広島県知事へハンドオーバーセレモニー(盾引継)が行われた

アメリカのトレイルやシングルトラックでMTBを楽しまれていたという新会長の湯﨑英彦 広島県知事にお話をうかがった

今回のトライアルライドのコースは参加者の皆さんに「海を感じてもらう」をテーマにコース設定されたそうだ。船に乗ったり、雄大な因島大橋の下をくぐったりと、瀬戸内海以外のエリアの方に海を感じていただきたかったとのこと。

「新会長としては、しまなみ海道含め、インバウンドが増えているが、旅の仕方が変わってきている。有名な観光スポットに寄るだけではなく、体験や時間を使って、より地域のものに触れ合うことがクローズアップされてきていると思う。
サイクリングは歩くより長い距離を移動できるし、よりその土地土地を味わうことができると思うので、海でも山でゆっくり走って、寄り道をしながら楽しんでほしい。
また、eバイクは誰でも乗れて、坂を気にせずにいろんなコトが楽しめるユニバーサルな乗り物だと思うので、普及できるように促進していきたい」。

記念講演「最近の自転車施策の動向」「eバイクの規制緩和と型式認定について」

記念講演一部では「最近の自転車施策の動向」について国土交通省 道路局 自転車活用推進本部事務局 次長 直原史明氏より、国の2040年までの道路政策ビジョン、ノルウェーオスロ市における自家用車の市街地への流入抑制の施策事例や、高速道路と並行して整備されている自転車道、また国内の地方版自転車活用推進計画の施策事例紹介、次期自転車活用推進計画などの貴重な話を聞くことができた。

基調講演一部

同じく二部では「eバイクの規制緩和と型式認定について」ジャイアント 商品部長の臼井亮太氏より、数値を基に分かりやすく話していただいた。
「結論としては、規制緩和によってEU基準と合わせることで、アシスト最大速度が24kmから25kmにわずかに上がることになるが、コスト減により車種、サイズが増えより多くの人が楽しめるようになる。 一方、国内基準不適合の電動アシスト自転車が増えている現状を踏まえ、基準適合の証となる「型式認定」の重要性を業界を挙げて伝えていきたい。自治体がレンタサイクルで導入される場合等は型式認定を受けている自転車にしていただければと思います」と注意喚起も含めて語られた。

基調講演二部

Setouchi Vélo協議会とは

セトウチヴェロ尾道会議

瀬戸内地域等を、環境に配慮し安全で快適な、世界にも認められる「サイクリングの推進エリア」に育てることにより、瀬戸内地域等のブランド価値の向上を図り、持続的な地域振興を実現することを目的として、2022年10月29日に地方自治体、国、経済連合会等で構成、設立された組織。現在では79団体が所属する。
※Vélo=自転車(フランス語)

構成団体(順不同):
兵庫県、岡山県、広島県、山口県、鳥取県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、近畿地方整備局、中国地方整備局、四国地方整備局、近畿運輸局、神戸運輸監理部、中国運輸局、四国運輸局、中国経済産業局、四国経済産業局、中国経済連合会、四国経済連合会、せとうち観光推進機構、四国ツーリズム創造機構、本州四国連絡高速道路

参加団体(順不同):
南あわじ市、淡路市、神戸市、明石市、川西市、上郡町、洲本市、備前市、玉野市、真庭市、美作市、新見市、津山市、総社市、高梁市、呉市、尾道市、福山市、竹原市、江田島市、東広島市、三原市、安芸太田町、柳井市、周防大島町、大山町、南部町、鳴門市、小松島市、三豊市、土庄町、多度津町、坂出市、観音寺市、さぬき市、東かがわ市、小豆島町、高松市、綾川町、今治市、上島町、松山市、宇和島市、八幡浜市、伊予市、大洲市、西予市、内子町、伊方町、松野町、鬼北町、愛南町、香南市、いの町、宿毛市、本州四国連絡高速道路協会

来年は3回の市町村ミーティングとトライアルライド、11月に岡山県内での総会を予定している。

Setouchi Vélo HP