“ヴィアローナ” フランスのローヌ河を巡る、憧れの自転車旅へ

目次

Presented by Avignon Tourisme/Auvergne-Rhône-Alpes Tourisme/FELLOW CYCLE

アルプスから南仏、そして地中海まで、フランスを南北に流れるのが「ローヌ河」だ。この大河では、自転車専用観光道路「ヴィアローナ」の整備が国を挙げて進んでいる。今回は本誌・エリグチが、アウトドア専門旅行会社のフェローサイクルによるツアーに参加。リヨンからアヴィニヨンへと続く美しき自転車の旅に出た。

ヴィアローナ

ヴィアローナのマップ

スイスのローヌ氷河を源流に、レマン湖を経由してリヨンでソーヌ川と合流し地中海に流れ込む、総延長約850kmのフランス最長の河川だ。そしてこのローヌ河を旅することを「ヴィアローナ」と呼称する

河が流れゆくままに、自転車で旅をする

ヴィアローナ

風が、川面を強く吹き抜けていく。紺こんぺき碧の空の先には、真っ白な頂を抱く山がそびえている。あの山の名はモン・ヴァントゥー。フランス語で「風の山」を意味するツール・ド・フランスの決戦場は、なだらかに伸び伸びとたたずんでいた。ローヌ河の道を自転車でこぎ進むにつれて、その光景はどんどんクリアになっていく。

「ヴィアローナ」とは、ローヌ河を巡る旅のこと。フランスや欧州の人々にとっては、僕らの「しまなみ海道」をはるかにしのぐほどに憧れで、しかも約15倍以上の距離を有するサイクリングルートだ。フランスの水力発電会社「CNR」が中心となり、国を挙げて総距離約850kmの自転車道の整備が進んでいる。

僕(エリグチ)は、そんなヴィアローナのリヨンからアヴィニヨンまでの約350kmを、5日間(フライトを含めれば1週間)で旅をすることとなった。そして今回は、創業50年を迎える海外アウトドア旅行会社フェロートラベルによる「フェローサイクル」のメディアツアーであり、代表の水澤史さんも同行。現地では、フランス観光局やサイクリングガイドがアテンドをしてくれた。

このヴィアローナ、30C前後のタイヤであれば快適に走り続けることができるよう滑らかに整備されており、ルートも車道や歩道と区別されている。異国の交通事情に気を張ることなくサイクリングを楽しめるというのは、まさに初めての体験だ。

だからこそ、ロードバイクとeバイクに乗ったシニアのご夫婦、小さい子供やワンコを連れたファミリー。バイクパッキングで旅する若いリヨン娘、キャンプツーリング装備の初老の男性と、まさに老若男女の自転車旅人と、「ボンボヤージュ(良い旅を)!」と幾度となく挨拶を交わす。

風の谷を越えるには

ヴィアローナ

そんな万人に開かれた河川ルートは、もちろん平坦基調だ。時折民家や農園を回避するように、車道で迂回するルートもあるが、ほとんどに案内表示が記されているため、それをトレースするだけ。もはやGPSナビも必要ない。

そしてせっかくのフランス旅は、愛車のロードバイクで走ってみたい。だけど意外とオススメなのが、グラベルバイクとレンタルeバイクだ。緑豊かな小こ みち径には、砂利の未舗装路も現れる。ちょっと逸れて遊んでみるなんていうのも、旅のアクセントになるものだ。特筆すべきはeバイク。本ツアーではeバイクもレンタルし、100km以上を走ったのだが、流さ すが石は本場の性能だ。スポーティな速度域(時速25〜28km程度)のアシストで、安心してロングライドができる。何よりこのヴィアローナ、意外や風が強いのだ。強いアゲインストの中でのアシストは、ペダルを回す喜びを損なうことなく旅を導いてくれる。

そして、せっかくの海外旅には、自転車以外も満喫したいところ……でも何の心配もない。ここはフランス、美食の国なのだ!

このヴィアローナの南方ルート序盤は、有数のワインの産地「オーヴェルニュ・ローヌアルプ」地方を貫いている。まるで遺跡かと見間違うほどに、川の両岸の丘にはぶどう畑と道が段々と続き、実際にワイン造りはいにしえの時代から脈々と続いてきたこの地の文化そのもの。麓にあるワイナリーでは、そんな歴史を聞きながら赤白泡と選ぶこともできる。だからこそ、走り終えてからの毎夜のディナーに胸が膨らむ。

前菜、メイン、そしてスイーツ。レストランのシェフごとに全く異なるアプローチで趣向を凝らした一皿と、そこに合わせる土地の一本は、どれもその一夜をとびっきり鮮やかに彩る。毎食の新たな美味との出合いが楽しみで、また次の日も、その次もと、もっとペダルを回したくなるものだ。

ヴィアローナ

check ルートの案内や整備が充実!
ルート案内

ルートは路面の色や区分けが施されているだけでなく、マップを表示した案内板も一定距離ごとに現れる。情報はどれもその年の最新版に更新されているのが驚きだ

check ポイントごとに、空気入れや充電まで!?
無人ポート

ルート上にある公園などのポイントには、工具&エアポンプ、そしてeバイク用に給電設備も備えた無人ポートが設けられている。何と充電中にアダプターを収納できるボックスまで内蔵!

お気に召すまま、ヴィアローナ

ヴィアローナ

リヨンからヴィエンヌへ、エルミタージュからヴィヴィエ、そしてアヴィニヨンへ。一日一日ペダルを回し、味わい、景観に心を打たれ。いつしかアテンドのピエール氏とも打ち解け、食事の度に水澤さんたちと話し込む。こんなにただ楽しくっていいのかしら。そう、これはガイドツアーだからこそ、個人旅行のように重い荷物の運搬もなく、毎夜の予約に悩むこともない。海外を自転車で旅してみたいのなら、これほど頼りになることはないだろう。そしてライド中にパンクやトラブルがあってもすぐに対応してもらえ、あるいは今過ぎ去った町がツールの舞台になっていたことや、自身の操るスポーツバイクの話も盛り上がる。自転車趣味を共有する仲間とのんびり異国を旅するのは、大人になった今だからこそ分かる純粋なぜいたくさなのだろう。

夕暮れが近づき、青はどんどん濃くなっていった。傾き始めた陽光に、アヴィニヨンの橋が照らされている。これまで地図や本で見てきた街が、川が、あるいはフランスの空気そのものが、ゆっくりと僕の中に吸い込まれていった。

ヴィアローナの旅は誰にも開かれている。そしてその喜びを深く感じることができるのは、自転車で走って来た人の特権なのだ。

ヴィアローナの案内表示

ローヌ河はアルルの町で地中海に流れ出す。ヴィアローナの旅には、まだ先があるのだ

day 1 リヨン〜ヴィエンヌ 約36km

午前は世界遺産にも指定されているリヨンの市街地をポタリング。もちろんブションは外せない!その後古代ローマ時代の遺跡が残るヴィエンヌへ移動してラグジュアリーなホテル「ラ・ピラミデ」へ。ローカルのワインと共にディナーを楽しもう。

ヴィアローナ ヴィアローナ ディナー

day 2 ヴィエンヌ〜タン・レ・エルミタージュ 約82km

ホテルからローヌ河へのアクセスは至近。そのまますぐに走り出して、ワイン農園の丘を間近に眺めながら進む。たどり着くのがフランスで最も歴史のあるワインの町エルミタージュ。走り終えた後に、ワインテイスティングなんていかが?

ワイン農園の丘 ヴィアローナ ワイン農園

day 3 タン・レ・エルミタージュ〜ヴィヴィエ 約100km

山・河・街を一望できる景観が素敵なバランスの街を経由して、イゼール県からドローム県へ移る。今宵の宿泊地は、右岸の小高い丘の上に位置する、かつての司教座の町ヴィヴィエ。道中には花々が咲き誇り、町の壁や屋根は南仏の彩りへ。

ヴィアローナ ヴィアローナ

ヴィヴィエのホテル

古き町のヴィヴィエでは、何と元修道院を改装した一室がホテルに

day 4&5 ヴィヴィエ〜アヴィニヨン 約100km

これまでの山に囲まれた雰囲気からは一転、耕作地が広がる平野部に出て、遠くに見えるモン・ヴァントゥーの山容の変化を楽しみながら最後の100kmを行く。今回は到着したアヴィニヨンで一日滞在して、歴史の街でポタリングやアートをゆっくり満喫。

ヴィアローナ

ヴィアローナ
ヴィアローナ

初めてのフランス海外自転車旅のサポートは?フェローサイクルに聞いてみた!

国内で唯一の自転車海外旅行会社「フェローサイクル」による、海外旅の手厚いバックアップをここでQ&Aとして紹介します!

Q1「海外飛行機輪行」って不安です……。

海外飛行機輪行は、その運搬や梱包方法から、国内輪行以上のハードルがあるものだ。そこでフェローサイクルでは、事前に輪行の講習も開催する。また、現地でスポーツバイクをレンタルしてしまうのも手。このリヨン〜アヴィニヨン間のツアーにおいては、レンタルバイクのタイプを途中で変更することも対応する。

ロードバイク

A  飛行機輪行は事前に講習を行います。また、現地でレンタルも可能!

Q2 現地での荷物の移動はどうすれば良い?

1日当たり80km以上を自転車で移動する行程においては、サポートカーが帯同する。もちろんキャリーケースなど大型荷物は、ホテルから次のホテルまでを運搬してくれるので、スポーツバイクで走る際は軽装でOK。個人旅行のように荷物の運搬や手配を気にしなくて良いだけでなく、もしものメカトラブルや体調変化の際も安心だ。

サポートカー

A 街から街へ移動する際は、サポートカーが帯同します

Q3 買い物する時間はありますか?

せっかくの海外旅、ショッピングも楽しみたい! このヴィアローナはまさに南仏ワインの名産地がルート上にあり、ワイナリー見学ももちろん組み込まれているので、ぜひテイスティングしてお気に入りの一本を購入したい。ツアーではフリータイムが設けられており、スーパーマーケットやお土産屋を巡ることもできる。

買い物

A 現地のショッピングできる場所も紹介します

Q4 どんなホテルやレストランへ?

フェローサイクルは、現地の観光局やサプライヤーとダイレクトにコミュニケーションを取っているので、それぞれの町でのイチオシのレストランや上質なホテルをアテンドしてくれる。また、それぞれのホテルは自転車の保管場所や施錠状況も事前に確認を行っているため、愛車と共に海外を旅する際にも心配ご無用!

ホテル レストラン

A 誰もが安心できるホテルを選んでいます。自転車の保管も確保!

Q5 ツール・ド・フランスのことも興味があります!

フェローサイクルでは、「ツール・ド・フランス2025 8・10日間現地観戦ツアー」も催行。2024年11月に行われた「フェローサイクルフェスタ」では、元プロロードレーサーの別府史之さんが、自身の出走経験を基に2025年ツールの見所を解説してくれた。ヴィアローナでも、もしかしたらフランス在住の別府さんと会えるかも!?

別府史之さん

ヴィアローナ・ロングライドサイクリング [価格例]
9日間ツアー(成田・羽田・関空発)
73万7000円(6/28・土曜発) 74万8000円(7/13・日曜発) 87万2000円(8/3・日曜発) 74万5000円(9/22・月曜発)
※燃油サーチャージが別途必要となります。(2024年11月現在目安7万6000円〜7万7400円)
募集人数/8人限定、最小催行人数/6人
※燃油サーチャージ代は2024年12月より約2万円下がります 

ヴィアローナ

皆でヴィアローナを走破!

A このツアー以外にも、「ツール観戦ツアー」も用意しています!
詳細はこちらから!

水澤代表

フェローサイクル代表 水澤 史さん「海外旅への扉を開きましょう!」

Check!

様々な海外ツアーを紹介する「フェローサイクルセミナー」が開催決定!
開催日時/ 2025年1月11日(土)15:00〜16:30
開催場所/日比谷図書文化館4FセミナールームA