ゆめしま海道でリトリート。 サイクリングとアウトドア・アクティビティで整う2泊3日ひとり旅(前編)
目次
ゆめしま海道(愛媛県上島町)は瀬戸内海の4つの離島を結ぶ道。信号が一つもないストレスフリーのドリームアイランドで癒される2泊3日のひとり旅をお届けする
リトリートとは?
リトリートという言葉をご存知だろうか。
心も体も休まらない現代人が、仕事や家庭、人間関係などの日々の忙しい生活から離れ、静かで落ち着いた場所で、日々頑張る自分にさまざまな方法でリラックスする時間を与えてあげることを指すそうだ。
心と体をリセットし、リスタートするというポジティブな意味があり、現代人には必要な時間らしい……。
実は最近、この言葉を知ったのだが、3年連続でここ「ゆめしま海道」を訪れている筆者は来るたびに癒され、リセットされ、そして自然と翌週からリスタートしていたので「何や、リトリートしてるやんっ、オレ!」と自分で自分をほめてあげようと思った次第だ(笑)。
ちなみに愛媛を拠点に活躍しているプロサイクリストの門田基志選手は、ゆめしま海道に来ると戦闘意欲がゼロになるそうなので、アスリートのリトリート(親父ギャグではない)にも向いているエリアなのかもしれない。
こんなリトリートを叶えてくれるゆめしま海道で三日間、リラックスして思いっきり癒されようと思う。
気軽にじてんしゃ島旅を楽しめる“ゆめしま海道”
11月某日の金曜日、広島県の福山市に出張することがあったのだが、日帰りで東京へ戻るのは何とももったいないと思い、週末を利用して、ゆめしま海道のある上島町へリトリートしに行くことに(笑)。
福山駅から上島町へのアクセスは意外に楽ちんで、1時間半ほどで行くことができる。
ちなみに今回は下記の行程で弓削島へ渡った。
高速バス(シトラスライナー)
福山駅前14:40発→因島・土生港15:47着(料金:1500円)
芸予汽船
因島・土生港16:00発→弓削港16:10着
首都圏の島旅でメジャーな伊豆大島へは竹芝桟橋から高速ジェット船で約2時間。関西の島旅でメジャーな小豆島へは神戸からフェリーで約3時間なので、いかに気軽に島旅ができるかがお分かりいただけると思う。
この日は弓削港の目の前にある「せとうち交流館」でeバイクをレンタルし、8kmほど走って生名(いきな)島にあるサウンド波間田(はかんだ)キャンプ場へと向かった。初日はキャンプ泊だ。ちなみにせとうち交流館でレンタサイクルを借りると、荷物預かりを無料でしてくれるというありがたいサービスがあるので、ぜひ利用しよう。
ゆめしま海道は、しまなみ海道の生口島・因島の東側に位置する4つの島を結ぶ海道で最終的には船に乗らないと行けないのだが、いずれも乗船時間は短いので、想像以上にアクセスは容易だ。しまなみ海道を走る際、ちょっとだけ船旅を入れることで、アクセントとなりより旅感が増すので、オススメしたい。
乗船時間
・因島(長崎桟橋)⇔生名島(立石港) 3分
・因島(家老渡港)⇔弓削島(上弓削港) 5分
・生口島(洲江港)→岩城島(小漕港)7分
盛りだくさんのアクティビティが楽しめる島
サウンド波間田キャンプ場を予約するとき、以前から親交のある末廣支配人から、キャンプ場から乗合いの釣船予約ができるようになったと聞いていたので、二日目の朝一に予約をしておいた。
二日目の朝、穏やかな波の音と鳥のさえずりで目を覚ます。11月だが今年は暖かいので、寒くもなくぐっすり寝ることができた。
起きて早々、キャンプ場から3kmほどの生名港までeバイクで行き、釣船に乗り込んだ。同乗する他のお客さん同士で軽く挨拶を交わしたところ、東京から来た女の子二人組、華ちゃんと唯香ちゃんと一緒に釣りをすることになった。
聞けば自分の子供たちよりも年下ということで、オレも歳をとったんだなとひとりごちる。また、華ちゃんは、岩城島出身で帰省を兼ねて東京の友人である唯香ちゃんを連れて来ているとのことだった。
何はともあれ「釣りじゃ、釣りじゃ~」と釣り糸を垂らし始めて30分もしないうちに、釣りは人生で初めてという隣の唯香ちゃんがヒット。結果、50cmの鯛を釣り上げるのだが、それ以降も唯香ちゃんと華ちゃんは何匹も釣り、船釣り歴4回目の筆者はまさかのボウズという結果に……(涙)。過去3回はいわゆるビギナーズラックというやつで、鯛、アコウ、太刀魚を釣っていたのだが、まさか4回目にしてビギナーを卒業することになるとは、釣り恐るべし……。
釣り船から上がると、キャンプ場の末廣支配人が釣った魚を受け取りに生名港に来られていた。鮮度の良いうちに魚の下処理をして、刺身と鯛茶漬けを用意してくれるというサービスだ(オプションにつき有料)。
三人でキャンプ場まで行き、名物のジビエバーガーを食べながら、筆者はテントで昼寝でもしようかと思っていたところ、華ちゃんたちは、これからeバイクで岩城島に行き、青いレモンの収穫体験に行くそうで、「よかったら一緒にどうですか?」と誘ってくれたので迷わず混ぜてもらうことに。何てええ子たちなんや、おじさん泣いてまうやろ~。
サウンド波間田キャンプ場から岩城島の東にある「ブルーレモンファーム」へは、約10kmほどで行ける。
岩城島は「青いレモンの島」と言われるほど、国内有数の生産地だそうだ。また、季節によってレモンの色が変わるそうで9月から青いレモン(グリーンレモン)が採れる。筆者はレモンの収穫体験は初めてだが、レモンの良い香りに包まれたハウスの中で もぎながらも頭の中はすでに今晩のハイボールのことでいっぱいだった。
料金:大人1500円、小人1000円、未就学児750円
予約方法:5日前までに電話予約
3月末~5月はいちご狩り体験もあり
たっぷりと青いレモンを収穫した後、再びeバイクでサウンド波間田キャンプ場へ戻る。いよいよ今朝釣った鯛をいただく時間の到来だ。おれは一匹も釣ってないんやけどね……。
BBQコンロセット2人用(炭2kg、紙コップ、紙皿、アルミトレイ、割りばし、軍手、トング、火箸):2750円~
この日は弓削島の定宿に泊まるので、彼女たちとはここでお礼をして、お別れした。しかし、よくぞこんなおじさんに付き合ってくれたものだと思いながら、島のお母さんの待つ「民宿 中塚」へとeバイクを走らせた。
地の食材をふんだんに使った極上の晩ごはんのかたわらには、もちろん今日収穫した青いレモン入りのハイボールが置かれていた。爽やかなレモンの香りのおかげで、無限ハイボール天国となったのは言うまでもない。
滞在二日にして、すでにいくつのアクティビティを体験したのだろう。
キャンプ、サイクリング、船釣り、レモンの収穫、BBQ、鯛茶漬け、ビーチヨガ、そして青いレモン入り無限ハイボール(笑)。
完全に非日常ゾーンに浸り、仕事や人間関係など、どこかに吹っ飛んでいった。そして明日もまだまだ遊ぶで~。
リトリートが叶う島、ゆめしま海道へぜひ遊びにいってほしい。