2025注目のロードバイクを試乗〜ファクター・オストロ VAM 2.0

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Presented by TRISPORTS

サイクルスポーツ編集部がピックアップする、2025シーズン注目のロードバイクを試乗するシリーズ企画をお届けしよう。今回はFACTOR(ファクター)の「OSTRO(オストロ) VAM 2.0」だ。

ファクター・オストロ VAM 2.0を試乗

ファクター・オストロ VAM 2.0 カラー:デヴィッド・ミラーエディション

 

オストロ VAM 2.0の特徴〜空力と軽さが進化した、高次元なエアロ万能機

イスラエル・プルミエテックが駆るファクターの旗艦モデルが「オストロ VAM 2.0」だ。空力性能を最大化しつつ、重量比剛性と快適性も高い次元を獲得すべく、「3Dヴィジュアライゼーション」という高度な空力解析を元に、フレームを5つのゾーンに分け、それぞれで求められる要素(空力、剛性、軽量性)を最適化。さらに、姉妹ブランドであるブラックインクの「48 | 58」ホイールと同社のステム一体型ハンドル、フレーム専用ボトルケージを装備した状態で最高の空力を発揮する統合設計も展開。これらにより前作「オストロ」に対して空力は7W削減、重量は48g(フレームセット&ステム一体型ハンドル)軽くなり、より高次元なエアロ万能機へと進化した。

オストロ VAM 2.0の特徴

ヘッドベアリングはセラミックスピードの「SLT」仕様。自己潤滑性があり腐食に強くメンテナンスフリーなので、交換の手間が掛かるフル内蔵式フレームにはありがたい仕様

オストロ VAM 2.0の特徴

上下異径ヘッドベアリングとノーズ状のヘッドチューブ設計により前衛投影面積を削減。さらに沈頭式のフォーククラウンを組み合わせることにより空気抵抗を最小限に抑える

ファクター・オストロ VAM 2.0の特徴

ドロップドシートステーは、その根元を幅広に設計することで空力性能を高める。ステー全体の外径はかなり細身に仕上げられており、路面からの衝撃を的確に緩和してくれる

ファクター・オストロ VAM 2.0の特徴

上下異径ヘッドベアリングとノーズ状のヘッドチューブ設計により前衛投影面積を削減。さらに沈頭式のフォーククラウンを組み合わせることにより空気抵抗を最小限に抑える

 

スペック

●通常フレームセット価格/89万5400円

●ブラックインク 48|58ホイール付きフレームセット価格/130万4600円

●完成車価格/181万5000円(シマノ・デュラエース)、149万2700円(同・アルテグラ)、186万5600円(スラム・レッドeタップAXS パワーメーター付き)、152万5700円(同・フォースeタップAXS パワーメーター付き)

●サイズ/45、49、52、54、56、58、61

●カラー/10種類

 

インプレッション〜懐の深いライドフィーリングに酔う

ファクター・オストロ VAM 2.0を試乗

インプレッションライダー:自転車ジャーナリスト/吉本 司 フリーの自転車ジャーナリスト。40年におよぶ自転車歴において数々の車種に乗り、多様な楽しみ方を経験。そのキャリアを基に機材、競技、市場動向に至るまで、スポーツバイクシーンに幅広い見解を持つ

 

試乗車は、かつての強豪選手であるデヴィッド・ミラーモデル。ローズゴールドのメインカラーとミントグリーンのアクセントによる、えも言われぬ気品あるルックスは、所有欲を強く刺激する。そして、その走りも魅力的だ。初速から鋭く加速が立ち上がり、レーシングマインドは自然に高揚してしまう。

造形はエアロロードだが、動きの軽さは軽量車的だ。一方、中高速域の加速や巡航走行ではエアロロードの性格が強くなる。脚当たりの良いフレーム剛性で高負荷の踏み心地も軽やかで、滑るようにバイクが進み、無駄なパワーを使うことなく高速を維持できる。しかもペダリングフィールは上品で、乗り心地もエアロロードとしては高次元。

情熱的だけど冷静かつ上品な走りのキャラクターは、プロ選手だけでなくホビーサイクリストのロングライドも許容する懐の深さを持つ。高次元のオールラウンダーにして美しいルックスは、身も心も満たしてくれるだろう。

 

Brand Inro〜FACTOR(ファクター)について

レーシングカーや航空宇宙産業に携わる英国の「b1システム」が、その技術の粋を集めた「ファクター001」を2009年に発表した後、自転車界に参入。以降、独創的かつ高性能な製品作りで人気ブランドへと上り詰めた。