2025注目のロードバイクを試乗〜ピナレロ・ドグマ F 2025

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Presented by PINARELLO JAPAN

サイクルスポーツ編集部がピックアップする、2025シーズン注目のロードバイクを試乗するシリーズ企画をお届けしよう。今回はPINARELLO(ピナレロ)の「DOGMA(ドグマ) F 2025」だ。

ピナレロ・ドグマF2025

ピナレロ・ドグマ F 2025  【試乗車スペック】●メインコンポーネント/シマノ・デュラエース Di2 ●ホイール/フルクラム・スピード57 ●タイヤ/ピレリ・Pゼロ レース TT 700×26C ●ハンドル・ステム/モスト・タロン ウルトラファスト インテグレーテッドハンドルバー ●サドル/同・リンクス 2.0 スーパーフローカーボン ●カラー/G112 ラクスターブルー

 

ドグマ F 2025の特徴〜飽くなき進化を続ける究極のオールラウンダー

グランツールの常勝機、ドグマシリーズの最新作。2021年に登場したドグマFの基本形状を継承しながら、素材は新たに弾性率に優れる高弾性糸のM40Xを採用。フレーム形状は、グランツールにおいてCdA値が(空気抵抗係数)0.2%向上すれば175gの軽量化に相当するというピナレロの研究のもと、デザインされている。

前面投影面積を低減すべくヘッドチューブ先端を細くし、ダウンチューブの幅も抑制。さらにBBエリアは「エアロキールボトムブラケット」という新設計となり、この部分の空力が1.2%改善している。こうして先述したCdA値の向上と108gの軽量化を達成。“究極の万能機”と呼ばれるドグマがさらなる高みへと上り詰めた。

●価格/
115万5000円(フレームセット・レギュラーカラー)
132万5500円〜151万5800円(フレームセット・MYWAYオーダー)

●サイズ/430、465、500、515、530、540、550、560、575、595、620

●カラー/7色

ドグマF2025の特徴1

ダウンチューブ全体は駆動効率を高めるために筋肉質な造形だが、ヘッドチューブ側は、前作に対して横幅をかなり狭めている。これによりヘッドまわりの空力性能が進化した

ドグマF2025の特徴2

ピナレロのアイコンともいえるオンダ形状のフロントフォークは、形状がスリム化している。フォークオフセットも47mmに見直され、エンド右側のスルーアクスルの穴も塞がれた

ドグマF2025の特徴3

先端が前に突き出る独自のヘッド部「ノーズシェイプ」は、体積を減らし、横幅を8mm狭めて前面投影面積が抑制される。フォークコラムも新たに横方向への楕円形状となった

ドグマF2025の特徴4

BBまわりの形状は、同社のアワーレコードバイクの仕様を反映したもの。ダウンチューブは3.5°上を向いた新設計となり、このエリアの空力性能を1.2%向上させるという

 

インプレッション〜濃密なレーシング性能に酔いしれる

ピナレロ・ドグマ F 2025を試乗

インプレッションライダー:自転車ジャーナリスト/吉本 司 フリーの自転車ジャーナリスト。40年におよぶ自転車歴において数々の車種に乗り、多様な楽しみ方を経験。そのキャリアを基に機材、競技、市場動向に至るまで、スポーツバイクシーンに幅広い見解を持つ

 

走り出してすぐに感じる一枚岩のようなフロントまわりの強さ。加速を試みると高い剛性感を脚に伝えるペダリングフィール。この筋肉質な走りは、まさにドグマ固有のものだ。

新型ドグマFは、前作に比べて脚当たりがややマイルドになった感覚があり、筆者のような“弱者”にもちょっと寄り添ってくれるようにも思う。

しかし高負荷・高負荷域の走りは変わらずレーシングフィールが濃厚なドグマ味。良い意味でバイクに煽られペダルを踏みしめると、バイクが力強く加速を試み、重戦車のごとくぐんぐんと進み続ける。思わず“はえぇー”と叫びたくなるほどに強烈で、レーシングバイクに乗っているという高揚感がライダーを包み、それがさらに速く走らせたいモチベーションになる。さらには高速域の下りの安定感とハンドリングも絶品。

乗り心地がどうだとか、剛性感がどうだとかは関係ない。この速さの濃密な興奮を味わえるだけでドグマFを買う価値がある。

 

Brand Info〜PINARELLO(ピナレロ)について

1953年創業のイタリアンロードの雄。15回のツール・ド・フランス制覇を始め、常にレースの第一線で活躍を続けている。独創的な設計と美しいイタリアデザインの高度な融合が、世界中のサイクリストをとりこにする。