2025注目のロードバイクを試乗〜トレック・マドン SL 5 Gen 8

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Presented by TREK JAPAN

サイクルスポーツ編集部がピックアップする、2025シーズン注目のロードバイクを試乗するシリーズ企画をお届けしよう。今回はTREK(トレック)の「Madone(マドン) SL 5 Gen 8」だ。

トレック・マドン SL 5 GEN 8

トレック・マドン SL 5 GEN 8 試乗車のカラー:ヘックスブルー

 

マドン SL 5 GEN 8の特徴〜究極の万能モデルの走りを身近に楽しむ

2024年に第8世代へと進化したレースモデル「マドン」。アイコンでもある空力構造「ISOフロー」のコンセプトを前作から継承しながら、新たに専用ボトルを装備した状態で空力を最大化する「フルフォイルシステム」の設計を展開。

第7世代のマドンが持つ高い空力性能と軽量モデルのエモンダの優れた重量比剛性を高次元で融合させ、究極の万能機へ変ぼうを遂げた。そんなマドン Gen 8の魅力を最も身近に体験できるのが「マドン SL 5 Gen 8」だ。

フレーム形状は上位機種のSLRと同様だが、カーボン素材をOCLV500に置き換え、ホビーライダーに最適な剛性感を追求。シマノ・105の機械式コンポと別体式コックピットを搭載して価格を抑えた。

●価格/44万9000円
●メインコンポーネント/シマノ・105 機械式12速
●ホイール/ボントレガー・パラダイム SL
●タイヤ/ボントレガー・R1 ハードケースライト 700×28C
●サイズ/XS、S、M、ML、L、XL
●カラー/3色

 

ISOフロー

超個性的なシートまわりの構造「ISOフロー」。高い空力性能と乗り心地の良さ、ねじれ剛性の確保など複合的な性能要件を高次元でバランスする。機能美の極みと言えよう

トレック・マドン SL 5 GEN 8 の特徴 2

シート&ダウンチューブに専用ボトル&ケージを装備することで、最高の空力性能となるよう設計されている。専用ボトルケージは汎用的な丸形ボトルも装備可能

トレック・マドン SL 5 GEN 8 の特徴3

リヤディレーラーは最新のUDH規格にも対応。上位機種のSLRは電動コンポ専用だが、SLグレードはチェーンステーにワイヤリードがあるように、機械式コンポにも対応する

トレック・マドン SL 5 GEN 8 の特徴3

BB規格はT47。パワーラインの大径化に貢献し、この部分の剛性を高めて加速・反応性能を後押しする。一方で、トラブルの少ないねじ切り式のBBカップを使える利点を持つ

 

マドン SL 5 GEN 8試乗インプレッション〜ホビーライダーにちょうどいい剛性感

トレック・マドン SL 5 GEN 8を試乗

インプレッションライダー:自転車ジャーナリスト/吉本 司 フリーの自転車ジャーナリスト。40年におよぶ自転車歴において数々の車種に乗り、多様な楽しみ方を経験。そのキャリアを基に機材、競技、市場動向に至るまで、スポーツバイクシーンに幅広い見解を持つ

 

フラッグシップが持つ優れた運動性能や高い剛性感は、ホビーライダーに手に負えないこともある。マドン SL Gen 8は、SLRの性能が上手にボトムダウンされた秀作であり、最大の魅力は扱いやすいレーシング性能だ。

フレームは構造体としてのしっかり感が強いが、パワーラインに適度な剛性の抜け感があり脚への負担を抑えたペダリングができる。であるのに走り出しは軽やかで滑らか。SLRには及ばないものの、平地の高速域では流れるように進む感覚もあり、上りでも走りの軽さを失わない。また、乗り心地はレースモデルとしてはかなり高レベル。バイクの挙動も安定していて癖がないので扱いやすさにも長けている。

ホビーライダーの出力や技量に合った剛性感や運動性能が見事に表現されている。もちろんレースも、ホビークラスなら十二分に勝負できる基本性能を持つ。上級者でも固めのフレームが苦手なら、SLRよりもSLを選んだ方が良いだろう。

 

Brand Info〜TREK(トレック)について

アメリカ最大級の総合スポーツバイクメーカー。独創性と堅実性を融合させたスマートなバイク作りに定評がある。上位グレードではフレームカラーやパーツを選べるオーダープログラム「プロジェクトワン」も展開する。