2025注目のロードバイクを試乗〜リドレー・ファルコン RS

2025.01.28
その他

text 吉本司
photo 岡拓

Presented by MIZUTANI Bicycle

サイクルスポーツ編集部がピックアップする、2025シーズン注目のロードバイクを試乗するシリーズ企画をお届けしよう。今回はRIDLEY（リドレー）の「Falcn（ファルコン） RS」だ。

リドレー・ファルコン RS　試乗車カラー：マットレッドオレンジ

ファルコン RSの特徴〜山岳から石畳まで活躍できる軽量万能機

フレーム単体重量806g（XSサイズ）の軽量性に加え、可能な限りの空力性能も追求され、特に最も空気抵抗が大きいフロントまわりに緻密なフレームワークが施される。ヘッド部のワイヤ内蔵構造「Fステアー」に加え、レーシングカーのディフューザー概念を取り入れ、フォーククラウンの空気の流れを最適化。内側の空気の流れを速めることでダウンチューブ周辺の空気抵抗を最小限にした。

さらに低重心設計のジオメトリーにより走行安定性にも優れ、山岳からパヴェまでこなす軽量万能機に仕上がっている。フレーム単体販売以外にもシマノのコンポを選んで完成車にできる「バイククラフト」対応なので、無駄なく好みの一台が手に入るのも大きな魅力だ。

●価格／88万円（フレームセット販売）

●サイズ／XXS、XS、S、M

●カラー／2色

●バイククラフト／
シマノ・デュラエース Di2：132万7700円
同・アルテグラ Di2：113万800円
同・105 Di2：104万8300円

カムテール形状とヘッドチューブ前後の幅を大きくとり、D字断面のフォークコラムによりケーブル類をフル内蔵する。横扁平されたトップチューブは横風の影響も少ない

タイヤクリアランスを大きく確保したフォーククラウン。この空間の空気の流れを速くすることで、フロントまわりの空力性能を高める。最大タイヤクリアランスは実測で34mm

シートステーは、空力性能と加速反応性の好バランスを実現するドロップドタイプ。角断面のチューブは外径もかなり細く設計されており、乗り心地への配慮もされている

コンパクトなフォルムのリヤエンドは、最新のリヤディレーラーマウント規格、スラムのUHDにも対応している。購入後のコンポーネントのカスタムも心配することはない

マットバトルシップグレーのカラーもある

ファルコン RS試乗インプレッション〜軽やかだけど安心して身を委ねられる

インプレッションライダー：自転車ジャーナリスト／吉本司　フリーの自転車ジャーナリスト。40年におよぶ自転車歴において数々の車種に乗り、多様な楽しみ方を経験。そのキャリアを基に機材、競技、市場動向に至るまで、スポーツバイクシーンに幅広い見解を持つ

軽いペダリング感覚と身のこなしは軽量車ならでは。その性格を生かして上りを軽快に駆け上がる。ダンシングでもきれいな挙動を示してリズミカルな走りだ。しかし、ファルコンRSは単に軽さだけが魅力ではない。抜群の安定性にリドレーらしさが宿っており、荒れた路面でもバイクが弾かれにくく、安心のコントロール性だ。最大の要因は低重心設計のジオメトリーだが、カーボンレイアップの妙も効いているだろう。

平地性能は試乗車のホイールがシマノ・デュラエースのC36だったので“超”が付くほどではない。しかし、等速巡航では安定感を後ろ盾にしてバイクが滑らかに流れていく感覚を得られる。リムハイト50mm以上のホイールを履けば、その性能が素直に発揮されるはず。

さすがフラッグシップとあって、軽量モデルながら性能バランスの良さを感じる。こういう一台はロングライド後半でも神経を遣わないので、レーサーのみならずホビーライダーにも魅力的だ。

ミドルグレードの「ファルコン」もラインナップ

写真のカラーはブラック-レッド

写真のカラーはホワイト-シルバー

ファルコン RSのテクノロジーを継承したミドルグレードの「ファルコン」にも注目したい。基本的な形状はそのままに、カーボン素材を変更することで高いコストパフォーマンスを実現する。それでいて重量増は140g（Sサイズ）に抑えられている。また、シートポスト径がオーソドックスな丸パイプの27.2mmへ、上部のヘッド径は1-1/4に変更され、より幅広いライダーが扱いやすいようになっている。（編集部）