サイクルスポーツ編集部がピックアップする、2025シーズン注目のロードバイクを試乗するシリーズ企画をお届けしよう。今回はGIOS（ジオス）の「BREEZE（ブリーズ）」だ。

ジオス・ブリーズ　試乗車はフレームセットから組んだ参考仕様

ブリーズの特徴〜全路面を快適にするバーサタイルロード

“全ての道を快適に”がキーワードのオールロードモデルで、最大35Cサイズのタイヤを装備できるように設計されている。エアボリュームの大きなオンロードタイヤを履けば、荒れた路面や小さな段差でのギャップを的確に緩和して、速度を維持しながら快適なロングライドが可能になる。一方、オフロード系タイヤを履けばライトグラベルに挑戦できる。

さらに空力を意識したフォルム、フレーム単体重量も850g（未塗装）を実現しているので、平地の高速走行からヒルクライムまで、あらゆるシーンで快適な走りが楽しめるだろう。販売は完成車だけでなくフレームセットもあるので、重視するライドシーンに合わせてより最適な一台を組み上げられる。

●価格／
42万4600円（シマノ・105 機械式12速完成車）
56万9800円（同・アルテグラ Di2完成車）
23万9800円（フレームセット）

●ホイール （完成車）╱シマノ・WH-RS171

●タイヤ（完成車）／ヴィットリア・ザフィーロ 700×25C

●サイズ╱430、450、480、510、540

●カラー╱オーロラアメジスト

レーシーなシルエットだが、トップチューブにはストレージ小物をスマートに装着できる台座を備える。この仕様が、ブリーズが多用途なモデルであることを示す一つでもある

ステムとハンドルバーが分割式なのでフィティングの調節性に優れる。専用のカーボンステムと、それをカバーするパーツによってケーブル類がヘッドチューブ内へと導かれる

シートステーは空力とバック剛性をバランスしやすいドロップドタイプ。ステー自体は横方向への扁平が加えられ、路面からの振動を積極的に吸収して乗り心地を高めてくれる

これまでのジオスのイメージとは全く異なる新しいデザインのロゴがおごられる。さらにマジョーラ仕様のカラーリングに彩られることで、モダンな雰囲気に仕立てられている

インプレッション〜快適性と俊敏さの絶妙なさじ加減

インプレッションライダー：自転車ジャーナリスト／吉本 司　フリーの自転車ジャーナリスト。40年におよぶ自転車歴において数々の車種に乗り、多様な楽しみ方を経験。そのキャリアを基に機材、競技、市場動向に至るまで、スポーツバイクシーンに幅広い見解を持つ

見る角度で色合いが変わる、まばゆいばかりのマジョーラカラー。そして控えめな「GIOS」のロゴ。「ブリーズ」は、これまでのジオスが持つトラディショナルな雰囲気とはまた違うモダンな立ち姿へと生まれ変わった。その新鮮な感覚はフォルムのみならず、ペダルを踏んでも得ることができる。一体感のあるフレーム剛性は、ソリッドなペダリングと車重の軽さによって、ライダーの意志に対してバイクが従順に反応してくれる。

オールロードのコンセプトだが、走りのレーシング濃度は高めだ。それゆえ30Cという太めのタイヤでも走りの重さは感じにくい。全体的に安定感は不足ないものの、ハンドリングはリニアな傾向。乗り手によっては若干忙しさを覚えるかもしれないが、それも慣れの範囲だろう。もちろんレースライクに走るのならそのままでオーケー。舗装路からプチグラベルまで、快適かつ俊敏に走り抜けたいロードサイクリストにお薦めしたい一台だ。

Brand Info〜GIOS（ジオス）について

1948年にトルミーノ・ジオスが創設した老舗イタリアンブランド。現在は最先端のカーボンロードバイクから小径車まで、幅広い車種と価格帯の製品を展開する。“ジオスブルー”と呼ばれる美しい青色がトレードカラー。