2025注目のロードバイクを試乗〜グスト・コブラ エボ プロ TE

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Presented by MTC

サイクルスポーツ編集部がピックアップする、2025シーズン注目のロードバイクを試乗するシリーズ企画をお届けしよう。今回はGUSTO(グスト)の「COBRA EVO PRO TE(コブラ エボ プロ TE)」だ。

グスト・コブラ エボ プロ TE

グスト・コブラ エボ プロ TE 試乗車カラー/チームゴールド

 

グスト・コブラ エボ プロ TEの特徴〜高騰するロードバイク価格へのアンチテーゼ

プロチーム、ポギチーム・グスト・リュブリャナが使用するエアロ系オールラウンダー。選手はこのままの仕様で乗っており(一部例外となる選手もいるが)、リアルなプロモデルなのだ。

独創的なエアロフォルムのフレームには、「I.L.C.」と呼ばれるコンポジット素材が採用される。T1000カーボンにタフさに富んだ「インネグラ」、振動吸収性に優れる「ラテックス」という2つの素材を積層。高い重量比剛性を追求しながら堅牢性と快適性を確保し、フレームワークも抜かりなし。

極めつけは、その価格。アルテグラ Di2コンポに、自社ブランド、アタッキのカーボンホイールとステム一体型ハンドルを搭載して57万2000円とは、頭がバグるほどに衝撃的だ。

 

主なスペック

●価格/57万2000円
●フレーム/カーボン
●メインコンポーネント/シマノ・アルテグラ Di2
●ホイール/アタッキ・アタッキ カーボンライト V2
●タイヤ/アタッキ・スポーツ30 700×25C
●サイズ/XS、S、M、ML、L、XL
●カラー/3色

グスト・コブラ エボ プロ TEの特徴1

最新エアロロードの定番でもあるドロップドシートステーやホイールカットアウトされたシートチューブなどを搭載するが、エッジを立てたチューブが多用されるのが独創的だ

グスト・コブラ エボ プロ TEの特徴2

コックピットは自社ブランド、アタッキのステム一体型のカーボンハンドルが搭載される。アップバーがわずかにせり上がる、独創的なシェイプのフレア仕様は使いやすい

グスト・コブラ エボ プロ TEの特徴3

BBエリアの造形は、TTバイクをほうふつとさせるボックスデザインによって、空力性能と必要なねじれ剛性をバランスする。BBカップは圧入によって装着するタイプ

グスト・コブラ エボ プロ TEの特徴4

フロントフォーククラウンの幅はかなり抑えられている。前面投影面積を小さくし、合わせてタイヤとのクリアランスも小さすることで空気の侵入を抑え、これによって空力を高める

 

インプレッション〜コスパ以外の魅力がちゃんとある

グスト・コブラ エボ プロ TEを試乗

インプレッションライダー:自転車ジャーナリスト/吉本 司 フリーの自転車ジャーナリスト。40年におよぶ自転車歴において数々の車種に乗り、多様な楽しみ方を経験。そのキャリアを基に機材、競技、市場動向に至るまで、スポーツバイクシーンに幅広い見解を持つ

 

おそらく他社製品なら80万円は下らない値札が付きそうな完成車仕様だ。「利益はあるのだろうか?」と、心配をしてしまうほどである。そんな爆安だと当然、性能を疑いたくもなるが、ペダルひと踏で雲散霧消する。

50mmのカーボンホイールを装備することを差し引いても加速の軽さは十分。剛性は不足もなければ固すぎずペダリングも快適。上りも平地の性能も不足はないし、ハンドリングも素直。しかも走りに安っぽい感覚もなく、価格以上の走りを見せる優等生。フォークまわりが固いのか荒れた路面で若干弾かれやすい感があり、疲れたときにダンシングがややぱたぱたとする印象もあるが、ライダー側で対処できる範囲だ。衝撃的なこの価格を考えれば文句は言えないはずだ。エッジの立ったオリジナリティに富むフレームワークもユニーク。

純粋に製品自体に魅力があるといえよう。もちろんコスパは、現時点でこのモデルの右に出る者はない。恐るべき一台だ。

 

Brand Info〜GUSTO(グスト)について

2011年に台湾で創設。“あえて違うことをする”という信念から、独創的なアプローチの製品作りと驚異的なプライスパフォーマンスにより注目を浴びている。2014年から自社チームを立ち上げてR&Dに励んでいる。