2025注目のロードバイクを試乗〜ウィーラー・エアロ 6.0

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  • photo 岡 拓

Presented by MTC

サイクルスポーツ編集部がピックアップする、2025シーズン注目のロードバイクを試乗するシリーズ企画をお届けしよう。今回はWHEELER(ウィーラー)の「AERO 6.0(エアロ 6.0)」だ。

ウィーラー・エアロ 6.0

ウィーラー・エアロ 6.0 試乗車カラー/グロッシーレッド×グレー

 

ウィーラー・エアロ 6.0の特徴〜日本のレースシーンでも活躍するエアロロード

「エアロ6.0」の車名のとおり、空力性能を重視しながらもオールラウンドな走りを目指した一台。カムテール型チューブを各所に用い、専用設計のステム一体型ハンドルバーを装備することで、ワイヤ類をフル内蔵して空力性能が高められる。高い伝達をもたらすための要所であるBB周辺には、東レ・T1000のカーボンを使用して剛性を強化。さらにT800とT700のカーボンも適所に配置して、優れた加速・反応性と巡航性能を追求した。そして、ヘッド部は十分なボリュームを与えたフレームワークにより、高精度なハンドリングを手にしている。愛媛県のロードチーム「ヴェロリアン松山」の選手たちが、日本のトップカテゴリーのレースで駆るモデルでもある。

 

主なスペック

●価格/64万9000円
●フレーム/カーボン
●メインコンポーネント/シマノ・アルテグラ Di2
●ホイール/フルクラム・レーシング 800 DB
●タイヤ/マキシス・ドロミテ 700×25C
●サイズ/460、490、530、550
●カラー/3色

ウィーラー・エアロ 6.0の特徴1

ステム一体型のエアロハンドルも専用品。ケーブル類がステムの下を通り、そこにカバーが付けられる。ステム内部をケーブルが通るタイプよりも整備性に優れているだろう

ウィーラー・エアロ 6.0の特徴2

カムテール型のチューブと前後方向にしっかりボリュームを与えたヘッドチューブ。空力性能を高めるのはもとより、コントロール性に優れるハンドリングも提供してくれる

ウィーラー・エアロ 6.0の特徴3

シートチューブへの接合部を幅広にしたドロップドシートステー。最新エアロロードの定番であり、広いタイヤクリアランスで空力を高める。タイヤ幅は30Cサイズまで対応

ウィーラー・エアロ 6.0の特徴4

ダウンチューブの左右幅は、上下方向に比べるとかなり抑えられている。これによりこの部分の剛性に適度ないなしが与えられ、脚当たりの良いペダリングフィールが追求される

インプレッション〜エアロロードらしい高速巡航性能

ウィーラー・エアロ 6.0を試乗

インプレッションライダー:自転車ジャーナリスト/吉本 司 フリーの自転車ジャーナリスト。40年におよぶ自転車歴において数々の車種に乗り、多様な楽しみ方を経験。そのキャリアを基に機材、競技、市場動向に至るまで、スポーツバイクシーンに幅広い見解を持つ

ホイールがフルクラムのアルミモデルとはいえ、アルテグラのコンポを装備して65万円弱という価格は、昨今のアッパーミドルクラスのモデルとして求めやすい部類だろう。このホイール重量ゆえに出足がビンビンに響くタイプではないものの、「エアロ」の車名を冠するに恥じない巡航性能が楽しめる一台だ。

ペダリングは踏み応えがあるものの、不思議と脚への負担を感じにくい適度なバランスに仕上げられている。高負荷域のペダリングが気持ち良く、平地や緩斜面での巡航走行は力強くて滑らかだ。足回りがアルミ製ホイールと25Cのチューブドタイヤなので、荒れ気味の路面ではややスパルタンなライドフィールとなるが、フレーム自体の振動減衰性能はエアロロードとしては悪くない。28~30Cのチューブレスタイヤを履けば、快適性は納得のレベルになるだろう。さらにカーボンホイールを履けば、スピードマンがレースでガンガン戦える相棒となるはずだ。

 

Brand  Info〜WHEELER(ウィーラー)について

50年以上の歴史を持つ台湾のスポーツバイクメーカー。誠実さと品質の革新を掲げ、製造される付加価値の高い製品は、80年代からヨーロッパ各国で販売されている。2024年から日本でもロードモデルの販売を開始した。