「サイクルスポーツ5月号」の見どころは?副編集長が3/24発売号をホンネで紹介!
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遂に発売となった「サイクルスポーツ5月号」は、55周年アニバーサリー企画「編集長リレー」という大特集を展開するとともに、誌面や連載を一挙にリニューアルしました! 今回はそんな誌面一新を担当したサイスポ副・編集長のエリグチが、今号に込めた想いや見どころを一挙に紹介します。

【副・編集長 エリグチ】これまで約10年に渡り、江GO!、吉本司さん、ナカジと3人のサイスポ編集長の下で本誌やウェブの編集を担当……と言いつつ好き勝手遊んできた。温泉とグラベルが関わっている記事は、だいたい僕の趣味です。
【はじめに】
まいど、副・編集長です! というわけで、3月24日発売のサイスポ5月号より、本誌の編集全体を担当しておりますエリグチです。
「編集長」という肩書きは、雑誌編集者だけでなく、コンテンツ制作に関わる人、誰もにとって憧れの役割。しかも、55年に渡って続いてきた「サイクルスポーツ」のトップなのだから、自転車趣味人にとってはもう大役中の大役です。なぜって、編集長の一声によって、その雑誌やコンテンツはいかようにも変化することができるのですから。
そこで今回僕が誌面全体を担当するにあたり、現在の自転車の遊び方の変化そのものをサイスポへ取り込むべく、一大特集の展開と、連載のリニューアルを行うことにしました。
ここではそんなリニューアル内容とそれらの見どころ、裏バナシを赤裸々に紹介していきます。
創刊55周年記念特別企画”サイスポ編集長リレー”、開幕!
「今って自転車で何が流行ってるの?」。サイスポ編集部にいると、様々な方からそんな質問を受けます。ロードバイクブーム全盛期の真っ直中の約10年前であれば、「ロードレース!」、「ロングライド!」と答えるところなのですが、では2025年現在は? その返答に詰まってしまうのが正直なところ。
それはレース、ツーリング、グラベル、折り畳み自転車、MTB等々と現在の自転車趣味はそのユーザー界隈ごとに多様化の一途であり、それは遊んでいる僕ら自身がそれぞれ独自のコミュニティを作り、誰もがその中心である主人公になることができるようになっているからです。この自転車遊びの多様化それこそが、今ならではのとても豊かで面白い状況でもあると考えます。
だからこそこの「編集長リレー」は、そんな様々な主人公が、それぞれの遊び方や経験、人との繋がり、そして根底に抱く魅力を紹介してもらう。それによってサイスポの考える「自転車遊びの王道」そのものを、もっと広範囲でカバーしたいという想いから始まりました。
ちなみに、本企画を計画し始めた2024年末時点では、1年間を4シーズンに分け、3カ月ごと・4人の編集長をお願いする企画として提案していました。けれどこうして特別企画が走り出した今は、もっと多くの人にこの企画に関わってもらいたいというのが僕の本心です。
第一特集 グラベルVSエンデュランス バイク試乗
そんなわけで始まった「けんたさん編集長」による第一特集。お題は「真のオールロードを見つける!」というものです。
だって最近のグラベルバイクもエンデュランスバイクも、何だかキャラクターが似てきていてて分かりにくくないですか? しかもどっちのバイクも、オンロードでもグラベルでも、めちゃちゃんと走るんですよ。だったらその中で一番万能に扱えるバイクを買えば、ツーリングもグラベルもフィットネスライドにも、何だって使えるので、この価格高騰の現在では一番お買い得じゃないですか。
そこでいつものサイスポらしく、取材班総動員でインプレしました。5ブランド×2カテゴリー=10台のバイクと、履き替えるためのタイヤ×6セット、そしてホイール3セット。
北関東某所で朝から夕暮れまで、バイクやホイールセットを取っ替えひっかえして乗りまくり、そしてファミレスでコメント取りを終えた頃には夜は更け……そんなハードなロケにお付き合いいただいたのは、サイスポ元編集長のジャーナリスト、吉本 司さん。彼の話がまためちゃくちゃ面白いんですが、それはまた別の機会に。
ちなみに本企画を作り終えて、万能な一台は見つかりました。僕は校了後、フレームセットを注文しました。
第二特集 サイクルジャージが似合う 魅せるカラダ作り
ロードバイクに乗り始めたばかりの頃は、ピチピチのサイクルジャージで走っているのを見るのは何だか恥ずかしくって……でもバイト代を貯めて初めて好きなジャージを手に入れて、いざ着てみると「なんてカッコよくて高機能なウェアなんだ!」と感動しました。
でも10年以上ロードバイクに乗っていると、そんな気持ちも忘れるものなんですね。今回けんたさんから「ジャージに似合うカラダになりたい!」というニーズがあることを提案してもらって、久々に思い出しました。
それはそれとして、今回の誌面のマッチョ感は、ぜひ大判な本紙のページで見てみてください。グラベルや何やと自転車を細々語った後のページで、この「筋肉全開!」なインパクトを楽しんでもらうのも、レイアウトした担当編集・タキザワやデザイナーたちの力のたまものです。
新連載 吉本 司×安井行生 Saddle Talk
今回のリニューアルを考えていく際、3つの柱を設定しました。「編集長リレー」のような広げていくための柱、近年サイスポが力を入れてきた「読者参加型」の柱。そして三つ目が、「骨太の連載」という柱です。
これまでサイスポに携わってきた、趣味人としてはもう達人レベルな人々をコアとした、読み応え抜群の連載を作りたい。だってせっかくお金を払って紙の雑誌を購入するのだから、読み込む楽しさがないとつまらないじゃないですか。
そこで、「自転車道」や「ラルート」でお馴染みの、安井行生さんに帰ってきてもらうことにしました。もちろん相方は吉本 司さん。かつて僕がサイスポ読者だった頃から、彼らのページに詰まっている情報、熱量、そして世界感にただただ憧れてきたように思います。それは編集として携わるようになった今、一層のものです。
そんな彼らによる新連載の総タイトルが「サドルトーク」です。さあ、ここからどんな世界が広がっていくのか? そのサドルの上で繰り広げられるトークに、僕たちはどこまで連れて行ってもらえるのか? 今、僕自身がますます期待が膨らんでいます。
そして連載はまだまだあります。巻頭には、サイクルフォトグラファーの辻 啓さんによる、一枚と一台を魅せるページを。後半部分には旅人・田村浩さんによる「予算は月3万円!で週末ライドで日本を一周してみよう」というガチンコ体当たり連載。
ツーキニスト疋田智氏には、アカデミズムに則った見識ある時勢の読み物を。巻末には、現在サイスポ誌で最もキャリアのある菊地武洋氏だからこそ描ける「人」から機材を掘り下げる連載を。などなど、5つの新連載がスタートしました。そして従来の連載も少しずつアップデートしています。
ちなみにこの年始、安井さんに連載をオファーしに行くべく、二人でグラベルライドに繰り出しました。あれは良いライドだったなあ。またサドルトーク、お願いします!
付録のサイクルキャップと、ニャンクルスポーツ&編集後記
特別付録「CycleSports」ロゴサイクルキャップ。
この付録によって発売日が5日も遅れてしまったのですが……(申し訳ありませんでした)、でも付録はイイ出来です! 黒くてシンプルなメッシュ素材で、こういうのが一番使えるんだよなと思い、前編集長と一緒にデザインしました。
そして今号からの最終ページには、「猫×自転車」連載のニャンクルスポーツとともに、編集後記を移籍しました。編集後記ページって、基本的には裏方に徹する編集者にとっては、唯一の輝ける場。そして一冊を読み終えたあと、ライドの終わりに風呂に入って一息付くような、そんなコンテンツになってほしいと思い続けています。なので、そのうち僕の編集後記は「自転車銭湯」連載に移行したいな……なんて目論んでいます。
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雑誌コード:04137-10
ISBN:4910041371044