ブロンプトン・M6R 永遠に輝く英国生まれの金字塔
目次
45年の歴史が裏付ける完璧な実用性
英国ロンドンで生まれ、今も同地でハンドメイドされる究極の折りたたみ自転車、それがブロンプトンである。コンピュータや造園のエンジニアだったアンドリュー・リッチー氏が、そのプロトタイプを作ったのは1975年。以来、基本構造を変えずに作り続けられている不朽の名作だ。そのあまりに高い完成度は、究極の小径自転車であるアレックス・モールトン博士をして「折りたたみ自転車は作らないほうがいい。ブロンプトンを超えられはしないから」と言わしめたのは有名なエピソードだ。
後輪をフレームの下に抱え込み、フレーム前半部をZ字状にたたんで前輪を脇に添える折りたたみ構造は文句なしに絶品。転がしても持っても扱いやすい。それでいて展開時のホイールベースが極めて長いため、小径ながら安定感に満ちた走りを味わわせてくれる。スチール製フレームならではの適度な振動吸収性も上質な走行感に貢献しており、やや重いことを除けば誰もが満足できる自転車だ。
「折りたたみの完成度、好きなペースで走れる気持ちよさ、優れたバッグシステムやキャリヤの存在など、使い勝手のよさは間違いなくナンバーワンです。ポタリング的に街をのんびり走るシーンに最適で、本来は落ち着いた大人向けの自転車ですが、その洗練された雰囲気から若い乗り手にも人気です。誰もが一度は欲しいと思う自転車ではないでしょうか。遊びの幅を広げる2台目の自転車としても最適です」(鈴木潤)
価格/20万円〜(税抜)
SPEC
フレーム●スチール
フォーク●スチール
コンポーネント●スターメーアーチャー 内装3+外装2スピード
ギヤ●50×13・16T+内装3スピード
タイヤ●シュワルベ・マラソンレーサー 16×1-1/3インチ
カラー●11色(13通り)
撮影車両実測重量●12.5kg
標準仕様公称重量●12.2kg
S2L 快走派に支持されるSハンドル仕様
Mタイプより9cmほど低くなるストレートハンドルを採用し、内装変速ギヤやキャリヤを用いずに重量と走りの軽さを追求したのが「S2L」。軽めの前傾姿勢で乗りたいアクティブな乗り手に加え、小柄な人にも自然な乗車姿勢をもたらす。
価格/18万5000円〜(税抜)
SPEC
フレーム●スチール
フォーク●スチール
コンポーネント●オリジナル外装2スピード
ギヤ●54×12・16T
タイヤ●シュワルベ・コジャック 16×11/4インチ
カラー●11色(13通り)
撮影車両実測重量●11.0kg
標準仕様公称重量●10.8kg
スーパーライト(S2L-X) 軽さを手にした究極のブロンプトン
フロントフォークとリヤトライアングルをチタン素材に置き換えた最軽量モデル。ブロンプトン唯一の弱点といえる重さを克服したぜいたくなモデルだ。輪行がより快適になり、走りの加速感も大幅にアップしている。
価格/28万5000円~(税抜)
SPEC
フレーム●スチール+チタン
フォーク●チタン
コンポーネント●オリジナル外装2スピード
ギヤ●54×12-16T
タイヤ●シュワルベ・コジャック 16×1 1/4インチ
カラー●11色
撮影車両実測重量●10.0kg
標準仕様公称重量●10.0kg
日常と非日常を結ぶパートナー
我が家には10年選手のブロンプトンがあるが、あらためて新モデルに乗るとシャキッとした感覚に驚いた。手が触れるレバー類、推進力に直結するクランクなどが刷新された効果だ。もちろん本質的にはのんびり走るのが適しており、特にMハンドルがもたらす広い視界に癒される。速さを求めるユーザーに応える懐の深さやカスタマイズの余地もあるが、各種のバッグを使い分けながら、ふだん使いと旅の双方をマイペースで楽しみたい自転車だ。
走行性能 |
★★★☆☆ |
たたみやすさ |
★★★★★ |
輪行適性 |
★★★★☆ |
拡張性 |
★★★★★ |
ワクワク感 |
★★★★☆ |