ダホンの凄みは、時に大手メーカーらしからぬ突き抜けたモデルを出すことだ。今はK3が熱い。とにかく小さくて軽いが、それだけならダヴプラスという重量6kg台のシングルスピードモデルに軍配が上がる。K3の見た目はダヴプラスに酷似しているが、内実はまったく異なる。オリジナルの外装3スピードギヤを備えているから快走できるシーンが多く、トップチューブとBBをケーブルで結ぶことで擬似的にダイアモンド形状を作り出し、見違えるような剛性感を生み出している。

「コンパクトでよじれが少ないフレームが見事。ケーブルで補強するというアイデアは以前から存在しましたが、それを小さな折りたたみ自転車で実現したのが画期的。基本的には立ち寄りメインで汗をかく走りは似合いませんが、がんばりたい人にも応えてくれる実力を秘めています」（鈴木潤）

メインフレーム下部とBBをケーブルで結ぶことで、自転車の理想的なフレーム形状とされる「ダイアモンド」を構成。リヤフレームもちゃんとダイアモンドになっており、全体の雰囲気はキッチュながらフレーム作りのセオリーに適うデザインだ

価格/8万3000円（税抜）

SPEC
フレーム●アルミ
フォーク●アルミ
コンポーネント●ダホン 3スピード
ギヤ●53×9・13・17T
タイヤ●ケンダ・K-1082 14×1.35インチ
カラー●ガンメタル×ブラック、レッド×マットブラック、ライム×ブラック
撮影車両実測重量●8.4kg
標準仕様公称重量●7.8kg

予想を裏切る確かな走り

とにかく意外性に富んだモデル。パッと見は「歩くより速い」くらいの走行性能しかイメージできないが、路面がよければ時速20km以上で巡航しても不安はない。もちろん18インチや20インチと同様の安定感……などとは思わない。小さな車輪と短いホイールベースゆえの限界は確かにあるが、ふだん使いやポタリングだけでなく、ある程度の距離を走るツーリングも十分にこなせる。ディレーラーの地上高が極端に低いので、それだけは注意が必要。