愛車をもっと愛おしくする方法 シンボリで「カスタムペイント」のいろはを学ぶ
目次
カーボンフレームは塗り替えができるのか? 値段は? どこに頼めばいいの? そんな疑問に気軽にこたえてくれるカスタムペイントサービスを発見! 早速、試してみた。
PAINTER
シンボリ
竹内俊太さん
自動車のホイールリペアやペインターとして技術を誇り、富士ヒルクライムではシルバーを獲得する強者
BRAND INFO
シンボリ
本社・工場 愛知県名古屋市北区新堀町68
マイバイクを自分色に塗り替える
ショップを通さず、直接、工場に発注してカスタムペイントができる。そんなシステムがあると聞き、早速、フレームを塗りかえてみた。
今回、ペイントを依頼したのは、名古屋市にあるシンボリという会社。名だたる世界のカーメーカーが、ショーや修理のためにペイントを依頼するという、自動車の世界では高い技術力で知られた会社だ。
シンボリの自転車ペイント部門は、2017年に竹内俊太さんが立ち上げた。ホイールのペインターをしていた竹内さんは、2014年に肥満を克服するためロードバイクに乗り始める。負けず嫌いの性格が背中を押し、数々のレースで表彰台へ。
「自転車のフレームやパーツは、色が限られているじゃないですか。最初は、自分の自転車やフレームを好きな色に塗って楽しんでいました。やがてフレームビルダーやショップから依頼が来るようになったんです。どうせなら多くのサイクリストに塗り替える楽しさを共有してもらいたいと思い始めたサービスです」
そう話す竹内さんは、アクリルペイントを使った塗装を推奨する。それは色の豊富さや、スプラッターやグラデーションなど、幅広い自由な表現ができるからという。この日、歴戦の傷がついたフレームには、竹内さんの手により新しい命が吹き込まれた。ブラッシュドというクールな仕上げの完成度の美しいこと。好みの色に塗ることで愛車がもっと愛おしくなる。自転車の新しい楽しみを見つけてしまった。
発注から納品まで カスタムペイントの流れ
塗装できるフレーム素材は、カーボン、アルミ、クロモリ、チタンなど。素材によって剥離方法が異なるので、価格が変わってくる。持ち込み、配送で注文できるが、フレーム塗装の条件は、全てのパーツを取り外してあること。レストアのタイミングで、ショップにパーツを外してもらって持ち込む人が多い。来店の場合、色見本を見て決めることもできるが、「できれば自動車の色とか、イメージが分かる見本を持参してほしい」とのこと。打ち合わせ、見積もり、注文、剥離、塗装、仕上げと段階を踏んで納品となる。納期は、2週間から1か月程度。
STEP1:塗装前
パーツを外してシンボリへ。最初の塗装やロゴをはがす剥離という処理をしてから塗装となる。カーボンフレームは、金属製のフレームより剥離に手間がかかるため割高になる。
STEP2:デザインを決める
工場で直接注文する場合は、自分がどんなイメージを求めているか、なるべく見本を持参していくとスムーズ。これまで、映画「JOKER」のイメージでという注文もあったとか。2色のグラデーションやスプラッターも得意。
POINT
- 仕上がりのイメージを明確に伝える
- できれば色見本をつけてオーダー
- ロゴの配置や色合いまでじっくり考えておく
相談した結果…
- フレームとフォークのカラーは、メタルなざらつきを出したい
- ステムはクラシックブルーで艶なし
- ロゴはヘッドバッジとチェーンステーへ
STEP3:プロの手による作業
剥離が終わったフレームは、専用の塗装ブースへ運ばれ、熟練のペインターにより、一本一本丁寧に塗装される
POINT
納期は2週間〜1か月が目安になる
FINISH!
2色を重ねた塗装のあと、表面をブラッシュド加工する。その後、ロゴを貼り、最後にクリアを噴いて完成。
そもそも価格って?
フレーム&フォークの塗装費用は、金属フレームの場合、単色で約6万円から。内訳は剥離2万円、塗装4万。
グラデーションはこんな仕上がり
竹内さんが得意とするグラデーション塗装。「どうせカスタムペイントするんだから」と、既製品にない色が人気。
さまざまな小物アイテムも!
サングラスのフレーム、ヘッドスペーサー、ハンドル、パワーメーターのキャップなど、パーツの塗装にも対応。