自転車ヘルメットの着用率は全国平均で11.2% 自転車ヘルメット委員会が調査
多くの人が自然にヘルメットを着用することで死亡・重症事故を減らし、より楽しく安全な自転車社会を作りたいと活動を続ける「自転車ヘルメット委員会」が、自転車ヘルメットの着用率に関する全国47都道府県の実態調査を実施した。
ほぼ1万人を対象に調査をした結果、自転車ヘルメットの着用率は全国平均で11.2%(1~89歳)。愛媛県が全国首位(29%)、2位が長崎県(26%)、3位が鳥取県(18%)だった。
また、道路交通法63条の11により保護者が着用させる努力義務のある13歳未満の着用率は63.1%で、このルールを知っている保護者は32%にとどまる。しかし、子供がヘルメットを着用しない場合で、ルールを知らなかった保護者がこれを知ると、その68%は子供に着用させたいと意識が変わる。
13歳以上では、13~89歳の着用率は7.2%で、13~19歳男性が最も高く(20.3%)、70代女性が最も低い(2.1%)。
さらに、自転車乗車中の死亡事故の半数以上で頭部損傷が死因であることを知っている人は36%で、ヘルメットが死亡・重傷事故となるリスクを減らすことを知っている人は71%だった。ヘルメット非着用で、これらの事実を初めて知った人の20%ほどがヘルメットをかぶろうと意識が変わる。
この調査結果を受けて、自転車活用推進研究会の内海潤事務局長は次のようにコメントしている。
「車のシートベルト装着が義務化されてから死亡率が大きく下がったように、自転車事故で亡くなる方を減らすためにヘルメットも義務化すべきという考え方があります。実際にオーストラリアやニュージーランドでは義務化されましたが、それによって自転車利用者が約3割も減ってしまったので、自転車の利活用を推進する国々では義務化していません。家の鍵掛けと同様にリスク回避のため、あくまで本人の意志でかぶってもらいますが、警察庁のデータでは自転車事故死者の6割強が頭部損傷で亡くなっており、団長安田をはじめ『ヘルメットしていて助かった!』という方は大勢います。とりわけ将来のあるお子さんたちには親が責任を持ってかぶらせてください。今回の調査では愛媛県の装着率が全国で最も高いという結果になりましたが、確かに松山を訪れると老若男女が街なかでヘルメットをかぶって走っており納得感があります。今後は低い調査結果だった自治体が装着率アップを目標とするキャンペーンを展開するなど意識向上に活用してもらえると良いと思います」。
調査概要
調査時期:2020年7月
調査地域:全国47都道府県
調査対象:月に1日以上自転車に乗る15~79歳。各都道府県で100人以上、全国で5,229人。ただし、ヘルメットの着用率については、調査対象者本人と、月に1日以上自転車に乗る1~89歳の同居家族全員を対象とし、全国で9971人のデータ。子供が自転車に乗せてもらう場合も「自転車に乗る」に含める。
調査方法:インターネット調査
調査主体:自転車ヘルメット委員会
調査実施機関:インテージ
調査結果について詳しくはこちら(自転車活用推進研究会ホームページ)