各社の最上位グレードに当たるGPS機能付きサイクルコンピュータの性能について、山深い道を走行しながら、ライダー目線で定めた6つの項目をテストし、5段階で評価する企画。今回はワフーの「エレメントローム」だ。

ワフー・エレメントローム

高いコネクタビリティでナビもよりスマートに

アメリカで2010年に創業した若いブランドでありながら、インドアサイクルトレーナーやランニング分野まで、最もトレンドの分野で急成長を遂げているワフー。同社のサイクリングコンピュータのうち、GPSによる高性能スマートナビゲーション機能を備えたカラーディスプレイモデルが「エレメントローム」である。

まるで電子書籍リーダーのように周辺光による映り込みが抑えられる画面表示に加えて、画面周辺部にはLEDインジケーターが設けられており、赤や緑のカラーでの点滅によってナビゲーションや通知の補足を行う。扱いやすいサイドボタンで走行中の表示拡大縮小も可能と、操作はシンプルを極めている。

ユニークなのは同期に100%ワイヤレスを実現している点だ。アプリ上の手順に従えば簡単にセットアップを行うことができるほか、ストラバや各種ルートサービスとの接続性も非常に高められている。もちろん同社のハートレートセンサーやインドアトレーナーともリンクして表示や操作が可能となるので、家の内外を問うことなくスムーズにワークアウトに取り組むことができる。

spec.

ELEMNT ROAM
価格：4万6000円（税抜）
サイズ：89×54.4×17.8mm
実測重量：95g
公称バッテリー最大時間：17時間
使用GPSシステム：GPS、GLONASS、BEIDOU Galileo、QZSS（みちびき）
通信形式：ANT+、Bluetooth

test結果：ソフト、ハードの両面から洗練されている印象

四国の山奥のハードなコースでテストした

従来のサイコン然としたシンプルな画面表示や、主要道と地形などに絞った彩色のカラー表示、そして画面周辺部のLED通知と、このエレメントならではの見やすさが追求されている。これがハードなライド中にはかなり好印象。また、GPS機能の安定した高性能および、各種デバイスや他社のアプリとの連携は、全サイコン中で最良のものの一つ。セットアップをしている最中にあまりにスムーズすぎて驚くほどだ。オーソドックスなボタン式だが、操作性にも不満はなし。全体的にミニマムにまとまっている感じがGOOD。