はじめてのロードバイク購入 後悔しないためにはここを見て!
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ひと口にロードバイクと言っても、いろいろ種類がありすぎて何を選んだらいいのか分からない——。
特に初めてのロードバイクならなおさらだろう。そこで、東海地方随一の規模を誇るプロショップ・カミハギサイクルの上萩靖司社長に、初心者がロードバイクを選ぶ際に注目すべきポイントや、バイクといっしょにそろえるべきアイテムについて、プロならではの視点から教えてもらった。
これらのポイントをふまえれば、初めてのロードバイク購入で納得の買い物ができること請け合いだ。
初めてのロードバイク、どうやって選べば間違いない?
初めてのロードバイク選びを成功させるポイントはいくつかある。
まずはブランド選びだが、ツール・ド・フランスをはじめとする世界最高峰のレースで活躍するチームに機材を供給しているメジャーブランドの自転車を選べば間違いない。そういうメーカーの自転車は、エントリーモデルにもレースという過酷な条件下で培った耐久性や信頼性はもちろん、上位モデルのレーシングバイク譲りの軽快な走りを実現していることが多いからだ。
さらに扱いやすいアルミフレームであること。輪行することなども視野に入れると、カーボンバイクよりアルミフレームの方が扱いやすい。また、同じ価格帯ならアルミフレームの方がフレーム単価が安いので、完成車としてのパッケージングを考えるとワンランク上のコンポーネントやホイールが付いてくるので、お値打ちだという見方もできる。
さらに、テーパードヘッドやフルカーボンフォーク、プレスフィットタイプのBBなど、ロードバイクの最新トレンドも網羅されていれば申し分ない。
ファーストバイクに最適なスペシャライズド・アレーSLコンプ
最初の1台に大切なポイントを満たすバイクの好例として、上萩社長がプッシュするのがスペシャライズド・アレーコンプSLだ。
スペシャライズドといえば、長年ツール・ド・フランスをはじめとする世界最高峰のレースで活躍する多くの有力チームに機材を供給し、そのフィードバックをバイクづくりにも生かしている。アレーSLコンプに使われているE5アルミフレームは、かつて同社の最高峰レーシングバイク・S-WORKSでも使われていた最高峰のアルミフレームなのだ。
もちろん、単なる復刻版ではなく、フルカーボンフォークにテーパードヘッド、プレスフィットタイプのオーバーサイズBBなど、最新のトレンドを満載。かつてはフレームだけで数十万円した最高峰のレーシングフレームがさらに進化し、完成車で20万円を切る価格で手に入れられるのだからすばらしい。
ここがポイント!
フォークのブレード部分がカーボンでできているフォークをカーボンフォークと言うが、安価なバイクに付いているものはコストダウンのためにステアリングコラムにアルミなどの金属が使われているものもある。コラムまでカーボンのフルカーボンフォークは、軽量で振動吸収性も高い。
タイヤも今のトレンドにあわせてやや太めの25Cサイズが取り付けられている。
ヘッドチューブのベアリング径を上部より下部を大きくすることで、ヘッドチューブやフロントフォークまわりの剛性を高めるテクノロジーで、近年のロードバイクのトレンドのひとつに挙げられる。制動時のカッチリ感やシャープなハンドリングを実現し、コントロール性能の向上に貢献する。
スマートウェルドは、ハイドロフォーミングによって成形されたヘッドチューブまわりとトップチューブやダウンチューブを、応力のかかりにくい部分で接合するスペシャライズド独自の工法。強度を保ったまま接合部を薄くすることができ、フレームの軽量化に貢献する。
従来のスレッド式(ねじ切り式)でないプレスフィットタイプのオーバーサイズBBは、BBシェルの幅を広く取ることができるので、ダウンチューブやシートチューブ、チェーンステー接合部も幅が広く取れる。このため、BBまわりの剛性を高めることが可能で、ペダリング時の脚力を余すことなく推進力に変換できる。
アレーSLコンプのアルミフレームは、シリコン、マンガン、マグネシウム、亜鉛、銅と5種類の素材を配合し、軽さと強さを両立するスペシャライズド独自のアルミ合金E5を使用。かつてはハイエンドレーシングロードのS-WORKSにも使われた超一流の素材だ。
エントリーモデルはフレームサイズの展開がそれほど充実していないことも多く、特に小柄な人にとっては適正なサイズが選べないケースも。アレーシリーズは、49/52/54/56/58の5サイズ展開で、最も小さい49サイズなら身長150センチメートル台の人でも乗れ、最大の58サイズなら190センチぐらいの人も乗れる。
優れたパーツ・アパレルでバイクとのトータルコーディネートも可能
アメリカのメジャーブランドの多くは、自社もしくは傘下にパーツブランドを持っている。スペシャライズドは完成車やフレームだけでなく、シューズやウェア、ヘルメットなどのアパレル、タイヤやサドルなどのパーツも自社で開発する総合ブランドだけに、フレームとパーツはもちろん、ウェア一式をスペシャライズド製品でコーディネートすることも可能。
特にサドルやグローブ、シューズなど、ライダーとバイクの接点となる多くの製品は医学的・人間光学的見地に基づいた「ボディジオメトリー(BG)コンセプト」の元に開発されており、快適な使用感とクオリティの高さに定評がある。
予算に応じて選べる豊富なラインナップ
2016年モデルのアレーシリーズは、アレーSLコンプだけでなく、細かな仕様が異なるリーズナブルなモデルも展開。いずれもフレームの素材はスペシャが誇る最高クラスのアルミ素材E5を使用しているが、スマートウェルドテクノロジーやテーパードヘッド採用か否か、ケーブルルーティングが内装か外装か、BB規格、フォークの仕様が異なる。メインコンポーネントやホイールなど、細かなスペックも違うが、フレームの素性のよさは共通しており、最もリーズナブルな仕様でもキビキビとした走りが楽しめるのは間違いない。
他にもおすすめな同価格帯モデル
トレックの超軽量レーシングロード・エモンダシリーズに追加されたアルミフレームモデル。同社史上最軽量のアルファ300シリーズアルミニウムを採用し、フレーム単体重量はわずか960g(サイズ47・未塗装)。ハイドロフォーミングによって各サイズ専用設計で作られ、サイズごとに適切な剛性を実現している。ステアリングコラムまでカーボンのエモンダSLフォークを採用。
CAADシリーズで昨今のアルミフレームの復権をリードしてきたアメリカンブランド・キャノンデール。CAAD8は、現行のラインナップでは最もお値打ちなアルミフレーム採用のロードバイクだ。世界最高峰のレースで選手からのフィードバックを受け、熟成されてきたフレームは、エントリーモデルとは思えない素性の良さを実現。ヘッドチューブがやや長めでアップライトなポジションが取りやすく、ビギナー向けのジオメトリーになっている。
一緒にそろえたい! スターターキット
ロードバイクに乗りはじめるには、バイクだけでなく、日々のライドやいざというときのトラブルに備えるため、最低限の周辺アイテムもそろえる必要がある。具体的には予備チューブ、タイヤレバー、携帯ツール、携帯ポンプなど、走行中のもしもに備えるツール類とそれらを入れるサドルバッグ、そして日々のタイヤの空気圧管理に欠かせないなフロアポンプだ。
これらはだいたい2万円ぐらいの予算でそろうが、カミハギサイクルでは完成車の購入者限定でこれらのアイテム一式をスターターキットとして1万5800円で販売している。
なお、スターターキットには含まれないが、ロードバイクに乗る際はヘルメットも必須。安いもので7000円ぐらいからあるが、試着してみて自分にフィットするものを選びたい。上萩さんのお薦めは、多少値段が高くなっても軽量で通気性のよいものを選ぶこと。「長時間乗ったときに首や肩が疲れにくいんです」。
初めてのロードバイク購入時には、最低限の必須アイテムとヘルメットを購入するため、バイク以外に最低でも3万円ほどの予算が必要だと思っておいた方がいい。
カミハギサイクル小牧本店
愛知県内に中部地方唯一のスペシャライズドブランドのオンリーショップを含む3店舗を展開するプロショップ。初心者にも入りやすい雰囲気と商品ラインナップの充実ぶり、確かな知識と技術を持つスタッフ、ショップ独自のビギナー向けライド・メンテナンスイベントと、初めてのロードバイク購入から購入後までしっかりサポートしてくれる。
愛知県小牧市小木東1-25
営業時間/月~金曜日 11:00~20:00、土曜日 10:00~20:00、日曜日・祝日 10:00~19:00
休日/毎週火曜日
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