東京サイクリング23区編コース3 多摩川サイクリング

目次

東京都と神奈川県の境となる多摩川の下流は、東京西部とその近郊に住む人にとって、一番身近なサイクリングコースだ。23区の西南端に位置する二子玉川から河口に位置する羽田空港の手前まで、広い河川敷に平坦なサイクリングコースが延び、ほぼノンストップで走ることができる。

多摩川左岸

左岸にはサイクリングロードとしては整備されてない区間もあるが、右岸より水辺の近くを進むので、風景に変化があって面白い

多摩川サイクリングロードの距離標

迷う心配がほとんどないのも河川敷サイクリングロードの魅力。距離標や案内板も完備され、スマホやサイクルコンピュータなしでも安心

 

コース情報

走行距離 約18km

二子玉川駅→調布取水堰→六郷水門→穴守稲荷神社

コースデータはこちら

街を離れるので見どころや立ち寄りスポットは少ないが、風を切るサイクリングの醍醐味を堪能できる。もちろん、歩行者優先の安全走行を心がけて。

東京サイクリングコース3の地図

二子玉川駅から多摩川の左岸を進み続ける。環八通りや市街地を避けるためのバイパスとしても活用しやすい。常に歩行者が多いので、ゆっくり走ろう

 

サイクリングロードのわき道探しが楽しい

一般的には、調布の多摩川原橋と大田区多摩川に架かる多摩川大橋の間は右岸(南側)のサイクリングコースを走る人が多いが(ロードバイクなどで快走しやすい道が続くため)、「散走」志向の本記事では、二子玉川からずっと左岸を走るコースを提案する。

二子玉川公園

走り出してすぐの二子玉川公園は、ちょっとした高台にある。スロープを押し上がれば、開放感あふれる大きな展望が待っている

左岸を進むと、二子玉川公園の先で砂利道や押し歩きを要する区間が出てくるのでスピードは落ちるが、河川敷のサイクリングコースにありがちな単調さから解放される。クロスバイクなど太めのタイヤを備えた自転車なら、砂利道はむしろごほうび。アトラクション感覚で楽しめるだろう。バードウオッチングや釣りに興じる人々を眺めながら細道を押し歩くのも面白い。冬場の晴天には、富士山を望めるのも左岸の魅力だ。

多摩川沿いの砂利道

二子玉川公園を後にして土手の下を進むと、都会とは思えない砂利道が現れる。ハンドルに伝わる振動が新鮮だ。人出も少ない穴場ゾーン

東急東横線・目黒線の鉄橋と取水堰

道なりに進んでいくと、東急東横線・目黒線の鉄橋と取水堰をくぐる。わずかな距離だが自転車乗車禁止の細道になるので、のんびり押し歩こう

東海道新幹線と横須賀線の大鉄橋

続いて上空に現れるのは、東海道新幹線と横須賀線の大鉄橋。サイクリングロードは土手の上下を行ったり来たり。河川敷のグラウンドからは、球児の歓声がこだまする

逆S字カーブを描く多摩川

第二京浜をくぐった先で、多摩川は大きな逆S字カーブを描く。水勢が強くなるため、かつて何度も水害に苦しめられたエリアでもあり、治水の歴史を伝える史跡が残されている

北野天神

六郷橋のたもとにある北野天神は、通称「止め天神」。天神様の御加護で八代将軍吉宗の落馬を止めたと伝わり、祈れば試験や就職も「落ちない」とか

多摩川と富士山

左岸を進んでいくと、水面と街並みの向こうに富士山を望むことができる。空気が澄んだ冬場サイクリングのごほうびだ

河口が近づくと、かつて両岸を結んだ渡しの跡やレンガ造りの堤防が現れ、歴史が好きな人は好奇心がくすぐられるはず。千本鳥居が壮観な穴守稲荷も見逃せない。

六郷水門

1931年に築かれた六郷水門。かつて舟運に利用された六郷用水へ多摩川が逆流するのを防いだ。近代土木遺産にも選ばれた多摩川下流のシンボル

羽田の渡し碑

戦前まで多くの「渡し」が両岸を結んでいた。羽田の渡しは、かつて徳川家康も利用したというほど歴史が古く、川崎大師の参詣者でにぎわったという

羽田の赤レンガ堤防

多摩川サイクリングロードの道筋を一本離れた住宅街には、大正から昭和の初めにかけて築かれた赤レンガ堤防が残っている

旧穴守稲荷神社の大鳥居

旧穴守稲荷神社の大鳥居が見えてくると、多摩川サイクリングロードは終了。多くのサイクリストがただずむ休憩スポットになっている

穴守稲荷神社

現在の穴守稲荷神社は、大鳥居から少し離れた環八通り沿いにある。堤防と田畑を守る稲荷大神として今も多くの参拝者を集めている

羽田空港に自転車で行ける?

大鳥居の先で環八通りと合流し、モノレール沿いに進んでいけば長さ700mの羽田空港トンネルに至る。車道は自転車通行禁止だが、歩道を進むことは可能。トンネルを抜けるとターミナル外れの整備地区に出る。これが自転車で羽田空港に行ける唯一のルートだ。

羽田空港トンネル

 

使用アイテム:FORCE

クロスバイクをはじめとしたスポーツ自転車には、ライトやベルといったアイテムが付属しないことが多い。そのままでは安全性と規則の双方で走り出すことができない。これはちょっと不親切に思えるが、各自が好きなアイテムをそろえていくのも、スポーツ自転車の醍醐味である。

BMCのクロスバイクに乗る田村さん

好みと必要に応じて機能を追加し、自分だけの一台に仕上げよう。

本記事で多摩川サイクリングロードを走ったのは、スイスのブランドであるBMCのクロスバイク。それにチェコ共和国のサイクル用品ブランドである「フォース」の各アイテムをフル装備した。ライトやベル、フェンダー(泥除け)といったアイテムを統一したデザインでそろえることができるのが魅力だ。盗難対策に欠かせないカギ、パンク修理に必要な携帯ポンプなどもフレームにすっきり取り付けることができるので、通勤などの普段使いから休日のサイクリングまで安心だ。いずれのアイテムも機能と価格のバランスに優れているのが魅力。さまざまなスポーツ自転車で活用できるだろう。

BMCのクロスバイクにフォースのアクセサリー

FORCE取り付けアイテム
ライト シャーク700LM/価格:6050円
テールライト/価格:1100円
1本スタンド/価格:1870円
フレームバッグスマホ窓付/価格:3850円
コイルロック ホルダー付90cm/価格:2200円
ベル/価格:770円
携帯フレームポンプ/価格:3630円
PETボトルケージ/価格:1430円

問:フタバ商店FORCEカスタマーズセンターサギサカ

フォースのフロントライトとベル

前後のライトとベルは規則で定められた安全装備

フォースのリヤライトと鍵

カギや携帯ポンプは自転車側に取り付けるタイプを選べば、忘れたり紛失するトラブルも減る

フォースの携帯ポンプとボトルケージ

フォースのトップチューブバッグ

ペットボトル対応のボトルケージや、スマホが見やすいトップチューブバッグも一度使うと手放せない便利なアイテムだ

 

今回ピックアップした魅力いっぱいのコースだけでなく、ほかにもたくさんのコースを紹介しているサイクルスポーツ特別編集「東京サイクリング 23区編」は都民や近隣にお住いの方はもちろん、観光やビジネスで東京を訪れる人も楽しめるコース情報が満載。江戸・東京の魅力を、自転車で存分に味わうためのノウハウが凝縮した一冊です。

協力:Life Creation Space OVE

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東京サイクリング23区編