東京サイクリング23区編コース4 下町の商店街めぐり

目次

model 東城咲耶子

にぎやかでちょっとレトロな商店街がたくさんあるのも東京の魅力。特に上野・浅草といった下町エリアには、全国に知られた個性的で元気な商店街が点在している。そのいくつかを、声優の東城咲耶子さんと一緒に自転車で訪ねてみよう。走るより歩く時間のほうが長いコースになるが、まるでその街に住んでいるような気分が味わえる。

鳩の街通り商店街

商店街のほとんどは細道。無理に乗って走ろうとせず、のんびり押し歩こう。それもぜいたくな時間の使いかた。その街に住んでいるような気分で進んでいこう。写真は鳩の街通り商店街

 

コース情報

走行距離 約23km

浅草駅→上野アメ横→谷中銀座→三ノ輪橋停留場→千住ほんちょう商店街→東京スカイツリー→浅草駅

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走行距離はさほどでもないが、各商店街を押し歩くことになるので、思いのほか時間が経つのが早い。丸一日かけるつもりで実践しよう。

東京サイクリングコース4の地図

下町のハイライトを時計回りに体験。谷中銀座の階段と日暮里駅の高架を除けば、ほとんどアップダウンがないので初心者にもおすすめ

 

スタートは浅草雷門

スタート地点は浅草の雷門。まずは浅草仲見世商店街へ入っていこう。日本で最も古いとされる商店街の一つだ。昨今のコロナ禍で外国人観光客こそ消えたけれど、日中は平日でも自転車を押し歩けないほど混雑する。だから、午前中の早い時間に訪れるのがおすすめ。朝9時くらいから店が開き始めるので、名物の人形焼などを買っていこう。

雷門

ご存じ、雷門をくぐって仲見世へ。都内屈指の観光地なので、まだ人通りが少ない午前9時頃に訪れるのがおすすめ

浅草寺に参拝したら、境内の横に延びる裏道をつないで浅草六区の歓楽街へ。午前中からホッピーの大ジョッキを握ったオジさんたちをかき分けるように進み、かっぱ橋道具街へ抜けよう。

浅草寺

1400年近い歴史をもつ観音霊場、浅草寺。境内は乗車不可なので、のんびり押し歩いてお参りしよう。周辺は江戸時代から続く盛り場だ

かっぱ橋道具街

調理器具が何でもそろう、プロ御用達のかっぱ橋道具街。製菓用の専門器具や食品サンプルなどは、見ているだけでも楽しく、個人にも販売してくれる

かっぱ橋道具街を抜けたら、そのまま直進して春日通りへ。右を向けば、もう見えるほど御徒町が近い。JR線の高架をくぐると、日本で一番有名な商店街、アメ横の入り口だ。上野駅まで続く400mほどの細道に、衣食のお店がぎっしり詰まっている。年末年始の混雑ぶりは冬の風物詩だ。クルマも通るので乗車できなくはないが、軒先をのぞきながら押し歩いていこう。

アメヤ横丁

食べ物と着るものなら何でもそろうアメヤ横丁。約400軒が発するパワーは圧倒的。ここも非常に混むので午前中に訪れたい

谷中銀座をそぞろ歩き

次に目指すは谷中銀座だが、不忍池に寄っていこう。レトロな足こぎボートが楽しい。アメ横と谷中銀座は3kmしか離れていないので、急ぐ理由はどこにもない。

人形焼きを不忍池でパクリ

仲見世で買った人形焼きを不忍池でパクリ。あんこの上品な甘みが病みつきになる。商店街めぐりのエネルギー補給は買い食いで決まりだ

不忍池でスワンボートを体験

不忍池でスワンボートを体験。自転車と同じようにペダルをこいで進むが、本来は二人用。一人で乗った東城さんはけっこうしんどかったらしい

「夕やけだんだん」と呼ばれる階段で知られる谷中銀座は、わずか170mの小道に60ものお店がぎっしり。近年はインテリアや小物を作るワークショップも人気で、ご婦人方が多い商店街だ。

夕やけだんだん

夕焼け展望スポットとしても人気の「夕やけだんだん」を押し上がる東城さん。昔ながらの個人商店が元気なのが谷中銀座の魅力

商店街を抜けると、道は自然と日暮里駅へ。繊維街をのぞきながら先へ進めば、都電の終点がある三ノ輪橋に出る。1両編成の小さな電車が折り返す三ノ輪橋停留場にはレトロなホーロー看板が飾られて昭和ムード満点だ。そこから日光街道を北上すると、すぐに隅田川。架かる橋は昭和2年に造られた千住大橋。渡った先で旧道に入れば、江戸四宿の一つである千住宿の商店街が迎えてくれる。

日暮里の繊維街

ありとあらゆる生地や手芸用品がそろう日暮里の繊維街。コスプレとお裁縫をたしなむ東城さん、行きつけのお店もあるのだとか

三ノ輪橋停留場

東京さくらトラム(都電荒川線)が折り返す三ノ輪橋停留場。隣接する「三ノ輪橋おもいで館」には可愛い鉄道グッズが並ぶ

千住大橋

隅田川に架かる千住大橋。昭和2年製で今も現役。江戸のはじめ、隅田川に架かる橋はここが唯一で、松尾芭蕉もここから奥の細道へ旅立った

槍かけ団子

北千住は日光街道・奥州街道(両街道は宇都宮まで一緒)における最初の宿場町。今も旅情漂う商店街の名物「槍かけ団子」でひと休み

横山家住宅

宿場町に欠かせなかった伝馬屋敷の面影を伝える横山家住宅。幕末、上野から逃れてきた彰義隊が切りつけた傷跡が玄関に残っている

千住の商店街を端まで進むと、荒川に行き当たる。スロープで土手に上がればサイクリングコースに入ることができる。このあたりは昭和ドラマの金字塔「金八先生」のロケ地としても有名だ。

荒川の土手の上

商店街を抜けると荒川の土手に至る。せっかくなので荒川サイクリングロードを体験。下の河川敷を走る人が多いが、土手の上の開放感もすばらしい

ちょうどお腹も減ってきた頃合なので、「日の出屋」の暖簾をくぐろう。シンプルでどこか懐かしいラーメンが、商店街めぐりでほどよく疲れた体を癒してくれる。チャーシューやワンタン乗せを頼めば、がっつり派も大満足だ。

日の出屋の店内

日の出屋

金八先生の舞台にもなったという老舗中華料理屋が日の出屋さん。550円という昭和な金銭感覚でおいしいラーメンをいただくことができる。荒川サイクリングロードから近いので、サイクリストのファンも多い地元の名店だ

お腹を満たしたら、東京スカイツリーを眺めながら隅田川に沿って南下して、鳩の街通り商店街を訪れよう。アメ横や谷中銀座ほどメジャーではないが、既視感に包まれるような懐かしい風情だ。超モダンな東京スカイツリーの足元には、今も昭和ムードが色濃く残っている。

隅田川沿い

隅田川沿いは自転車で走れない歩道区間もあるが、水神大橋と白髭橋の間は高速の高架下を快走できる

千輪の外観

千輪の店内

鳩の街通り商店街で出合った自転車雑貨店「千輪」。ヘアーサロン時代の民家をそのまま活用しているのがユニークで、自転車本体は販売せず、自転車を可愛く彩るカギやベルなどの用品に特化。東城さんも思わずお買い上げ

東京スカイツリー

すみだリバーウォーク

鳩の街通り商店街から東京スカイツリーは、自転車ならあっという間。三ツ目通りの源森橋が最高のビュースポットだ。2020年6月に開通したばかりの「すみだリバーウォーク」は自転車の押し歩きもOK。東京スカイツリーと浅草を最短距離で結ぶ

 

使用バックパック:ドイター・バイクワン20

クロスバイクなどのスポーツ自転車は、そのままでは荷物を積むことができない。キャリヤを取り付けて、バッグを吊るして……というカスタマイズも可能だけれど、最も手軽で実用性が高い荷物収納スペースは、乗り手が背負うバックパックだ。

自転車用のバックパックには、普段使いや登山とは異なる機能が求められる。乗車姿勢にフィットしつつ、背中の蒸れを防ぐ通気性が求められる。そして、工具やヘルメットといった自転車ならではの用品をスマートに納めなければならない。こうしたポイントをすべて押さえているのが、ドイターの定番モデルであるバイクワン20だ。

バイクワン20

ドイター・バイクワン20
価格:1万3200円

問:イワタニ・プリムス株式会社
ドイター公式インスタ

バイクワン20を背負って走行

ドイツのブランド「ドイター」は、自転車用バックパックの大定番

バイクワン20のエアストライプ

背面の「エアストライプ」が蒸れを防いでくれる

バイクワン20のポケット

バイクワン20のヘルメットホルダー

各種工具を整理して収納できるポケットがあり、ヘルメットホルダーとレインカバーも標準装備。容量は余裕の20L。コンパクトな14Lモデルも展開

 

今回ピックアップした魅力いっぱいのコースだけでなく、ほかにもたくさんのコースを紹介しているサイクルスポーツ特別編集「東京サイクリング 23区編」は都民や近隣にお住いの方はもちろん、観光やビジネスで東京を訪れる人も楽しめるコース情報が満載。江戸・東京の魅力を、自転車で存分に味わうためのノウハウが凝縮した一冊です。

協力:Life Creation Space OVE

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東京サイクリング23区編