au損保が子どもの自転車事故に関する調査結果を発表
au損害保険は、全国の小学生から高校生の自転車に乗る子どもを持つ保護者1000人を対象に、子どもの自転車利用に関する調査を行った。
コロナ禍により公共交通機関の代替手段として利用が増えている自転車だが、利用時は安全・安心が何より大切。今回は初夏を迎え子どもたちの活動が活発になるなか、家庭で子どもが自転車事故の加害者・被害者になった場合の対応方法を決めているか、自転車のルールを教えているかなどを調査した。
自分の子どもが事故の加害者・被害者になった時の対応方法
決めていない、考えたことがない保護者が7割以上
自転車に乗った他人の子どもと事故に遭った、または事故に遭いそうになった(以下ヒヤリハット)経験がある保護者が半数となるなか、自分の子どもが事故の加害者・被害者になった時の対応方法は決めていない、考えたことがないとの回答が7割を超えた。
① 自転車に乗った他人の子どもとヒヤリハットもしくは事故の経験がある人 49.7%(1000人中497人)
② 8割の保護者が自分の子どもに自転車のルールを教えている (1000人中833人)
一方、「スマホをいじったり音楽を聞いたりしながら運転しない」「二人乗りしない」などを教えているのは半数以下
③ 自分の子どもが自転車事故の加害者・被害者になった場合の対応方法
「決めていない」「考えたことがない」保護者が 71.3%(1000人中713人)
●自転車に乗った他人の子どもとヒヤリハットもしくは事故の経験がある 49.7%
全国の小学生から高校生の自転車に乗る子どもを持つ保護者1000人に、自転車に乗った他人の子どもとのヒヤリハット(事故に遭いそうになったこと)もしくは事故の経験があるかどうかを尋ねたところ(複数回答)、49.7%(497人)が「ヒヤリハットもしくは事故の経験がある」と回答しました。
自転車利用の子どもとのヒヤリハットもしくは事故の経験があると回答した497人に、ヒヤリハットもしくは事故を起こした相手方の危険運転行為を尋ねたところ(複数回答)、「いきなり飛び出してきた」が71.4%(355人)と圧倒的に多く、続いて「複数人で横に広がって通行していた」26.8%(133人)、「スマートフォンをいじったり音楽を聞いたりしながら運転していた」25.0%(124人)、「暗いのにライトをつけていなかった」23.9%(119人)と続きました。
●8割の保護者が自分の子どもに自転車のルールを教えるも、「スマホをいじったり音楽を聞いたりしながら運転しない」「二人乗りしない」などを教えているのは半数以下に留まる
全国の小学生から高校生の自転車に乗る子どもを持つ保護者1000人に、家庭で子どもに自転車に乗る際のルールを教えているかどうかを聞いたところ(単一回答)、「教えている、教えていたことがある」が83.3%(833人)、「教えていない」が16.7%(167人)となりました。
「教えている、教えていたことがある」と回答した833人にどんなルールを教えているかを尋ねたところ、「暗くなったらライトをつけること」68.7%(572人)、「スピードを出しすぎないこと」66.4%(553人)、「自転車は左側を通行すること」65.7%(547人)と続きました。
一方、「スマートフォンをいじったり音楽を聞いたりしながら運転してはいけないこと」46.1%(384人)、「二人乗りはしないこと」45.3%(377人)、「傘をさしながら運転してはいけないこと」44.4%(370人)といった、重大な事故につながりかねない基本的なルールについて、半数以上の保護者が教えていないことも分かりました。
また、「交差点では一時停止や安全確認をすること」を教えているのは61.9%(516人)と半数を超えましたが、前ページで紹介した「ヒヤリハットもしくは事故の経験」のうち、圧倒的に多かったのは「いきなり飛び出してきた」でした。大事なルールは繰り返し伝える必要がありそうです。
●さらに、自分の子どもが自転車事故の加害者・被害者になった際の対応方法「決めていない」「考えたことがない」保護者が 71.3%
全国の小学生から高校生の自転車に乗る子どもを持つ保護者1000人に、子どもが自転車事故(軽度のものや人を巻き込まないものも含む)の加害者・被害者になった場合、どう対応するかあらかじめ決めているかどうか聞いたところ(単一回答)、「決めていない」と「考えたことがない」を合わせると71.3%(713人)もいるという結果になりました。
回答者の半数が自転車に乗る子どもとのヒヤリハットや事故の経験があると答えたように、いつどこで自分の子どもが自転車事故を経験するか分かりません。万が一自分の子どもが事故に遭ったまたは起こした場合、保護者が一緒にいれば相手方に対応できますが、一人の場合はどう対応すべきかわからないこともあるでしょう。「まず保護者に連絡する」など、対応方法をあらかじめ決めておくとともに、必ず警察に連絡しましょう。
●自転車ヒヤリハット・事故エピソード
今回の調査では、以下のようなエピソードが寄せられました。
・その場では痛みもなく大丈夫だと思い別れたが、その後どんどんと痛みが出てきて治るのに2週間かかった。ちゃんと相手の情報を聞いておけばよかったと後悔した(兵庫県・50代女性)
・急いでいたのでその場で別れたが、後になって骨折していることがわかった(東京都・50代女性)
・子どもが、下り坂でスピードを出している時に運送屋さんのカートが車道に転がってきて、避けようと急ブレーキをかけたら転倒した。相手から「大丈夫ですか?」と聞かれたが、「大丈夫です」と言い帰ってきたようだ。その後捻挫の症状などあったが、相手の連絡先など分からずそのままになってしまった(東京都・30代女性)
・子どもが自転車を運転していたところ曲がり角で車と衝突。子どもが自宅の電話番号を相手に教えたが、その後頻繁に電話がかかってくるようになった。強い口調でクレームをつけられることもあり、怖い思いをした(東京都・40代女性)
個人的に連絡先を交換してその場を離れたり、警察へ連絡しなかったエピソードが多くみられました。個人情報を取り扱うことにはリスクがあり、事故後の示談交渉でトラブルを招くこともあるので、個人的な連絡先交換に留めることは避けましょう。
また、警察に連絡しないと、事故の発生を客観的に明らかにすることができなくなり、相手方との解決に向けた交渉や、保険金の支払いが難航することもあります。さらには、未成年でも警察への報告義務があり、違反した場合3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる可能性があります。事故の際は必ず警察へ連絡しましょう。
今回の調査では、自転車に乗った他人の子どもとヒヤリハットもしくは事故の経験があると回答した人は49.7%で約半数に上りました。一方、自分の子どもが一人で自転車に乗っている際に自転車事故の加害者・被害者になった場合、その対応方法を決めていない人は7割以上もいることが分かりました。
また、自転車とのヒヤリハットや事故後のエピソードでは「急いでいたのでその場で別れたが、後になって骨折していることがわかった」のように、警察へ連絡せず、後になって対応方法に困ったエピソードも見られました。事故を起こした後は、警察への連絡が義務となっています。けがの状況が重度か軽度か、対人・対物の事故かに関わらず、事故を起こしてしまったら必ず警察へ連絡しましょう。
コロナ禍で公共交通機関の代替手段として、自転車の利用が増えています。これからの季節、自転車の利用が、より増えることが予想されます。大人でも不安になる自転車の利用ルールや万一の事故対応。子どもが一人で運転していた際の万が一に備えて、しっかりと家庭内で確認しておきましょう。
【調査概要】※au損保調べ
調査方法:インターネットによるアンケート
対象者: 全国の小学生から高校生の月に1回以上自転車に乗る子どもを持つ保護者
対象地域:全国
回答者数:1000人
実施時期:2021年4月13日~2021年4月15日
・n=母集団のデータの数
・本調査では小数点第2位以下を四捨五入しています。