2021年の自転車活用推進功績者と初の自転車通勤優良企業が表彰
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4回目となる自転車活用推進功績者表彰式が、2021年5月31日(月)に国土交通省で行われた。また、今回は、「自転車通勤推進企業」宣言プロジェクトの優良企業の初の認定式も合わせて開催された。自転車活用推進功績者には個人2名と3団体、「自転車通勤推進企業」宣言プロジェクトの優良企業には2社が選ばれた。
自転車活用推進功績者
自転車活用推進功績者とは、自転車活用推進法15条に基づき、自転車の活用の推進に関し特に顕著な功績があると認められる個人または団体を、自転車活用推進本部長(国土交通大臣)が表彰するもの。今回受賞したのは、岩崎正史さん、高橋幸博さん、アトレ、シクロツーリズムしまなみ、那須高原オールスポーツアソシエーションの個人2名と3団体だ。赤羽一嘉大臣は、「サイクルツーリズムや自転車競技の推進におきまして、レジャーやスポーツ等の観点からの自転車文化の推進、そしてそれを通じた地域の活性化等に多大な貢献をされた」と話した。
岩崎正史さん
高校生を中心とするチーム結成を通じた若手育成、様々な分野における行政の委員会への参画、九州北部豪雨や熊本地震からの復興支援ライドイベントを主催したほか、コロナ禍でもルート、期間を設定して自主走行によるライドイベントを開催するなど、九州全体において多岐にわたる活動を数十年にわたり展開している。
高橋幸博さん
北海道ニセコ地区で閑散期となるグリーンシーズンにおけるサイクルツーリズムを通じた地域活性化にいち早く着目。サイクルツーリズムのプロデューサーとして、イベント運営、海外へのブラ
ンド発信、ガイド育成、講演会等における自ら培ったノウハウの提供等を通じて、全国各地で進められている自転車を活用した地域活性化の基礎づくりを支援している。
アトレ
土浦駅ビルに、全国初の駅直結型の複合サイクリング拠点を整備。サイクルショップ、レンタサイクル、シャワー等設備、情報発信スペース等を整備するほか、自転車を客室に持ち込めるホテルを誘致。さらに、コロナ禍でもバーチャルライドなど3密を回避した大型イベントを開催するなど、設備の充実や質向上に継続して取り組んでいる。
シクロツーリズムしまなみ
従来のスポット巡りの観光とは異なるサイクルツーリズムにいち早く着目し、住民と協働したモデルコースの整備、サイクルオアシスの整備、ゲストハウスの運営、サイクルトレインの運行等に取り組み、しまなみ海道におけるサイクリング環境の向上に大きく貢献。また、女性を対象としたサイクリングによる健康増進事業の実施など先進的な活動も展開している。
那須高原オールスポーツアソシエーション
那須高原ロングライド、那須岳ヒルクライムレースなどのサイクルスポーツイベントを自ら開催するほか、全日本自転車競技選手権などのプロロードレース大会の誘致・開催にも積極的に取り組んでいる。また、サイクリングマップの作成、配布やサイクルステーションの設置など、自転車を活用したまちづくりにも尽力している。
「自転車通勤推進企業」宣言プロジェクト優良企業
「自転車通勤推進企業」宣言プロジェクトは、企業活動における自転車通勤や業務利用を拡大するため、自転車活用推進本部が2020年4月に創設した制度で、自転車通勤を積極的に推進する宣言企業を募集してきた。2020年度末までに宣言企業として41の応募があったが、そのうち、特に優れた取り組みを行う日本電子とはてなの2社が初めての優良企業に認定された。
日本電子
警察と協力した交通安全講習の実施や会社独自の自転車保険の提供のほか、広大な駐輪場に出退勤管理機を設置するなど、多数の社員が自転車通勤を行っていることを前提とした手厚い安全対策や利便性向上策を推進している。
はてな
月額2万円の通勤手当を支給しているほか、空気入れの常備、駐輪場代の全額補助を行うなど、従業員が自転車通勤をしたくなるような環境を積極的に整備している。なお、2020年11月よりオフィス出社を前提としない制度に切り替え、通勤手当の代わりに在宅勤務手当を支給している。