スポーツバイクでの事故対応 失敗しないために絶対押さえたいこと

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ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイク乗車中にもし事故が起きてしまったら、あなたはきちんと対応できるだろうか? 事故現場での行動はもちろん、事故後の相手とのやり取りも重要だが、そこでの対応を誤ってしまうと大変な事態となりかねない。そこで今回は、万一の事故に備え、サイクリストが絶対に押さえておきたいポイントを特集しよう。

ロードバイクやクロスバイクで事故に遭う/起こしてしまったら

サイクリストへのアンケート調査〜事故相手とのやり取りに不安を持つ人が多い〜

サイクルスポーツ公式Facebookと公式Twitterでは6月7日〜14日の8日間、自転車事故時の対処方法に関するアンケートを行った。答えてくれた343人の回答から浮かび上がったのは、事故が起きたときの対応に不安を抱える姿だ。完璧に分かるとの回答は2割弱で、残る人たちに何が不安かを問うたところ、「事故相手とのやり取り」が52.5%で最多となり、「けがの応急処置」30.6%、「保険の請求方法」10.8%と続いた。

自転車事故時の対処方法に関するアンケート Q1

自転車事故時の対処方法に関するアンケート Q1より(2021年6月7月〜14日に実施) 回答者数:343人

自転車事故時の対処方法に関するアンケート Q3

自転車事故時の対処方法に関するアンケート Q3より 回答者数:343

自転車事故 現場対応の基本

自転車乗車中の事故は、まず第一に発生現場での直後の対応が大切となる。パニックに陥りやすいシーンだが、どのような行動が必要なのか。スポーツバイクの安全講習などに実績のあるプロコーチ、安藤隼人さん(スマートコーチング代表)と救急専門医の土屋光正さんに指導を仰いだ。

スマートコーチング安藤さん

ADVISER/スマートコーチング代表・安藤隼人さん。トレーニングスタジオ「スマートコーチング」を主宰する自転車コーチのプロ。落車事故に特化したファーストエイドプログラム「サイクルセイフティ」でも発起人として活動する

救急専門医 ・土屋光正さん

ADVISER/救急専門医 ・土屋光正さん(川崎市立川崎病院 救命救急センター勤務)。窮地に陥った人の命を救うプロ中のプロで、複数の負傷者を伴う災害が発生したときに医療活動を行う災害医療派遣チームのメンバーでもある

基本その1 :まずは何よりも安全確保!

最も避けるべきことは、事故の後に後続の車に追突されてしまうといった、2次事故の発生だ。例えば自分が歩行者にけがを負わせてしまった場合、すぐに助けようと相手に駆け寄りがちだが、その間に後続の車や自転車が事故に気づかず突っ込んでくることがある。まずは全てに優先し、後続の車に合図を送って交通を止めるなど、安全確保を行おう。合図に気づいた車が止まってくれれば、その車が目印となって以後の車はスムーズに止まれる。

自分が車に追突され一気に重症を負ってしまった場合などは難しいかもしれないが、意識があって相手のドライバーに声をかけられるのならば、「発炎筒をたいてください」「後ろから来る車を止めてください」など、安全確保を行うようにお願いしてみる。これが自分も相手の命も守るためにも大切となる。

安全確保

けがをした人を救護する前に、遠くからも目立つような大きな身振りで後続の車両を制止。自身の安全を確保することが先決だ

基本その2 :けが人を下手に動かさず、すぐ救急車を呼ぶ

自分が歩行者にけがを負わせてしまった場合など、けが人が出た場合は下手に動かさないのが鉄則だ。特に出血している場合はパニックを起こしてつい相手を動かそうとしてしまいがちだが、頭の内部を損傷している場合はこうした行動が致命傷になりかねないのだ(そしてそれは素人では判断がつかない)。相手に意識があり、自分から動ける程度のけがの場合は自ら動いてしまうことが多いが、その場合は安全な所で安静にするよう声をかけておく。

けが人をへたに動かさない

頸髄の損傷など事態を悪化させることもあるため、けが人が横たわる場所が路上であったとしてもむやみに動かさない方がいい

そして、すぐに119番通報して救急車を呼ぶようにしよう。処置はプロに任せるのだ(救急車の所要時間は全国平均で約8.7分)。

すぐに救急車・警察を呼ぶ

救急車を呼ぶときは、場所をできるだけ正確に伝えることも大切だ

一方、自分がけがを負った場合、意識があって体を動かすことができても、苦痛を軽減する程度に体を動かすのはかまわないが、やはり同じ理由で下手に動かない方がいい。

自分がけがを負ったら下手に動かない

痛みが強くて体を動かせなければ、無理に起き上がらずじっとしていよう。事故の相手や居合わせた人への遠慮は無用だ

基本その3 :どんなに小さな事故でも、必ずすぐ警察を呼ぶ

前述のアンケートには「サイクリングに向かう途中に事故に遭ったが、貴重な時間を無駄にしたくないのと、相手と自分の体・自転車に傷はなかったので、警察に届けずそのまま別れた。が、後になって自転車に傷があったことに気づいた」「車の左折に巻き込まれたとき、事故現場ではちょっと手の指が痛かったくらいでそのまま運転手と別れてしまい、警察にも届けなかった。しかし、後で骨折していることが分かった」との体験談も見られたが、どんなに小さな事故でも警察への届け出は義務。警察へ届け出なかった場合、5年以下の懲役、または50万円以下の罰金を命じられることだってある。また、この体験談のように後からけがや損害に気がつくことも少なくない。事故の証拠は時間の経過とともに散逸してしまうため、その場で届け出て警察に実況見分をしてもらうことが大切だ。

この警察への届け出は、後の保険請求にとっても欠かせない。届け出を怠った場合、事故の発生を証明する「交通事故証明書」が警察から交付されず、後で保険会社に(証明書なしで)保険適用を申請しても支払いや相手方との解決がスムーズにいかないことがあるからだ。

必ずすぐ警察の検分を受ける

双方の過失割合の判定に重要な役割を果たすのが警察による実況見分だ。相手との話し合いだけで終わらせるのではなく、必ず警察を呼ぶこと

事故後の対応が意外と厄介〜素人が自力で解決するのは到底不可能!

次に大切となるのは事故後の対応だ。冒頭のアンケートでは事故相手とのやり取りに不安を持つ人が多い傾向が見られた。実はそのとおりで、相手との解決に向けた交渉が厄介なのだ。そこで、事故の解決に向けてポイントになることを、自転車向け保険を取り扱うau損保へ聞いてみた。

ポイントは2つあるという。まず、自分が加害者になってしまった場合、相手に対し賠償金などを支払い、当事者間の合意で解決する「示談」だ。もう1つは、自分が被害者になった場合に「相手から賠償してもらうこと」だ。これらは、素人が直接自分で行うのは到底不可能なほど、時間・労力・専門知識を要することだという。例えば、もし自分が保険に加入しておらずかつ相手は保険に加入している場合は、保険会社というプロを相手に素人の自分が直接解決に向けたやり取りをすることになる。一方、相手も保険に加入していない場合は、素人同士がやり取りすることとなる……。

よって、自転車乗車中の事故に対応した保険への加入は必須だ。では、加害事故の場合の「示談」、被害事故の場合の「相手から賠償してもらうこと」のそれぞれに対応した保険で重要なことについて、詳しく教えてもらう。

加害事故の場合は“示談代行サービス”に着目しよう

示談を個人で行うのはほぼ不可能

自身が加害者になった場合は、相手に与えた損害(対人・対物)を補償する賠償責任保険での対応となるのだが、加入する保険会社に申請したからといって、すぐ相手に支払われるわけではない。当然のことながら、①どのような経緯で事故に至ったのか、②双方の過失割合はどれくらいか、③相手が(場合によっては自身も)どの程度の損害を被ったのか、などがきちんと確認されたうえで、さらに相手側が承諾しない限り支払いには至らない。

ここで役立つのがau損保の自転車向け保険に付いている「示談代行サービス」だ。これは、自身がau損保の自転車向け保険に加入している場合に、時間や労力がかかるうえ専門的知識も要する①〜③に関わる作業や交渉を、au損保が代わりにやってくれるというものだ。万一、自身が保険に加入していなかったり、示談代行サービスのない保険に加入している場合、解決に至るまで相手側との交渉を全て自分自身でやらなくてはならない。特にこちらと相手の主張が食い違うときは交渉が長引きがちで、示談代行サービスのありがたみが実感される。

被害事故については保険会社に示談代行してもらえない!

もらい事故では示談代行サービスが使えない

自身の被害については過失割合にかかわらず、加入する保険会社に示談を代行してもらうことはできない。あくまでも保険会社が示談代行を行う範囲は、相手への損害を補償する限りにおいてだ。

※自身の被害分について、加入する保険会社が相手と示談交渉を行うと、弁護士法(非弁活動の禁止)に触れてしまう。

au損保の自転車向け保険のゴールドコースには、法律相談費用や弁護士費用等を補償するサービスが含まれており、弁護士に相談したり委任したりする費用がカバーされる。ちなみに担当する弁護士は自身で選んでもいいし、自身が加入する保険会社に紹介してもらってもいい。

自転車保険への加入は必須!

ここまでで自転車事故後の対応でポイントとなること、そして事故相手とのやり取りをプロに代行してもらうことの必要性について教えてもらったが、自転車に乗るうえでは“自転車向け保険”への加入を必須と考えるべきだという。東京都をはじめとして加入が条例で義務付けられている都道府県も増えており、ヘルメットなどと同じくサイクリストに欠かせないものの一つとして捉えるべき、ということだ。

スポーツバイクにおすすめ au損保の自転車向け保険

自転車向け保険は必須! といっても、いろいろな保険会社がある中からどれを選んだらいいのか? 編集部がおすすめするのは、au損保の自転車向け保険「Bycle(バイクル)」だ。補償内容に応じて3つのコースがあり、月額340円〜加入が可能だ。ちろん全コースに「示談代行サービス」が付いていて、最も内容が充実しているゴールドコースは「法律相談費用補償」「弁護士費用等補償」により自分が被害事故に遭ったときに助けとなるサービスが付いている。加害事故~被害事故まで完全カバーしてくれるのはサイクリストにとって安心な限り。

合わせて検討したいスポーツサイクル専用保険「すぽくる」

前述したように傷害保険では物品の損害は補償されないため、au損保では自身のスポーツサイクルの破損や盗難が補償されるスポーツサイクル専用保険「すぽくる」も用意する。ロードバイクはもちろんクロスバイクやMTB、中古自転車でもOKで、購入時に取り付けたパーツやアクセサリーも補償の対象となる。以前に購入したものでも加入できるうえ、経過年数にかかわらず購入金額が補償されるのがありがたい。

スポーツサイクル専用! 自転車の盗難と破損を補償する保険「すぽくる」について詳しくはこちら▶