2021厳選! ズイフト対応スマートトレーナー4選
目次
ロードバイクで外を走るのは楽しいが、梅雨の長雨や夏の猛暑も気にせずにサイクルライフを楽しみたいならスマートトレーナーでズイフトなどのインドアサイクリングアプリを楽しむのもおすすめだ。天候に左右されることなく好きな時間に楽しめるからだ。スマートトレーナーデビューをもくろむ方に、おすすめのモデルや設置の仕方、快適にバーチャルライドを楽しむ方法などを紹介する。
スマートトレーナーとは メリットは?
スマートトレーナーとは、バーチャルサイクリングを楽しめるサイクリングアプリと連動させて、コースの起伏に合わせて負荷を自動調整できるインドアトレーナー(いわゆるローラー台)のこと。従来のトレーナーのように手動で負荷を変えるのではなく、自動で負荷が変わるため、まるで実際に起伏のあるコースを走っているような没入感が味わえるのが特徴だ。
パワーは運動強度を正確かつリニアに反映するため、スプリントなどの短時間・高強度トレーニングに向いているほか、消費エネルギーも正確に分かるのでフィットネス目的でも有効に活用できる。そういう意味ではシリアスなアスリートだけでなく、フィットネス目的のサイクリストにも向いていると言える。
インドアで使うことが前提になるので、天候に左右されずライドを楽しめる。都市部のように交通や人の往来が激しいエリアと違い、バイクにまたがったらすぐにライドを楽しめるのも魅力だ。
そんなスマートトレーナーだが、お店での動きはどうか? どんな人が購入しているのか? バイシクルセオ新松戸店の森井恒一エリアマネージャーにお話をうかがった。
——コロナウイルス感染症拡大でスマートトレーナーの需要は増えましたか?
森井さん:最初の緊急事態宣言時には需要が増え、品薄状態になりました。現在は製品の供給が安定してきた印象です。
——どういった方がスマートトレーナーを導入されていますか?
森井さん:ズイフトやスマートトレーナーを導入する人は、トレーニング志向の人からビギナーまで幅広い印象です。年齢も性別も幅広いですが、30歳代以上の方でホイールやフレームが一通りそろっていて、プラスアルファでスマートトレーナーを買いたいという人が多い印象ですね。
——どういった目的の方が多いですか?
森井さん:コロナ禍で増えたのは、「運動したいけれどジムに行けないからスマートトレーナーでインドアトレーニングがしたい」という方。毎月5000円とか1万円とかの会費を払い続けると考えると、10万円前後のスマートトレーナーを購入して毎月ズイフトの会費を払ったとしても2年ぐらいででペイできるんですよね。しかも、自分の好きな時間に自宅で運動できますし、夜も安心して走れ、遠くまで行かなくてもインドアで走れるのは魅力的に映るのでしょう。
——どういうトレーナーが人気ですか?
森井さん:売れ筋は後輪を外して使うダイレクトドライブ式。やはり音が静かなところが支持されています。スマート3本トレーナーという選択肢もあります。車輪を外さなくても実走で使うバイクをそのままインドアが使えるのも魅力です。自動負荷調整による勾配の再現度はダイレクトドライブ式のほうが優秀ではありますが、ダンシングも自然にできますし実走感は高いです。
——トレーナーを選ぶ際、皆さんどういうところを気にされていますか?
森井さん:まず予算。だいたい10万円前後が売れ筋です。集合住宅にお住まいの方が多いので、静粛性を気にする人も多いですね。一方でパワーメーターの精度はそれほど気にされていない印象ですね。
——バーチャルサイクリングアプリは皆さん何を選ばれていますか?
森井さん:やはりズイフトの人気が高いですね。いろいろなワールドやコースがありますし、ワークアウトも充実しています。一人でも走れますが、レースやイベントも頻繁に開催されていて他の人と走ることもできますしね。今後は、実在のコースを走れるルービーなども人気が高まってくるかもしれないですね。
スマートトレーナーを設置するのに必要なスペースは?
スマートトレーナーとロードバイクを設置するスペースだけでも、最低限畳1畳分(長さ180cm×幅90cm)は必要と考えよう。それ以外にズイフトやトレーニングアプリを表示させるためのパソコンやディスプレイ、タブレット端末などを設置するスペースや、オーバーヒートを防ぐための扇風機を置くためのスペースも別途必要になる。
パソコンやタブレットを使う場合は、パソコンデスクに設置してその方に向かってスマートトレーナーと自転車を設置するのが一般的。スマートトレーナーのメーカーが用意する専用の台座を使うといい具合の高さに画面がきて、端末の操作もしやすい。ズイフトコンパニオンアプリを使う場合などスマートフォンを併用する場合は、それとは別にスマートフォン用のマウントも用意すると便利だ。
スマートトレーナーは、ズイフトなどのバーチャル空間内の勾配を再現するために電源が必要になるほか、ワフー・キッカークライムのような周辺機器やパソコン、扇風機用にも電源が必要になるため、コンセントが近くにある方がよい。
スマートトレーナーでバーチャルライドをするのに必要なものは?
ズイフトなどでバーチャルライドを楽しむには、パソコンやタブレット、スマートフォンなどにアプリをインストールし、インターネットに接続する必要がある。パソコンやタブレットとスマートトレーナーとはANT+やBluetoothのいずれかでワイヤレス接続する。快適にバーチャルライドを楽しむには、いくつかのポイントがある。
ひとつはある程度ハイスペックなパソコンやタブレットを使うこと。ズイフトでは快適に楽しむために必要なパソコンやタブレットの最低限のスペックを紹介しているので、それ以上のスペックを持つパソコンやタブレットを用意しよう。ちなみにスペックの足りないパソコンだと、高画質でズイフトを楽しむことができなかったり、バーチャルライド中にパソコンがフリーズしてしまうことが考えられる。
インターネット回線も高速で安定してつながるサービスを利用したい。インターネットが途中で切れてしまうと、途中でフリーズしてしまうことがある。インターネット回線がスマートフォンの4G、5Gだとパケットを大量に使用してしまうので、Wifiに接続をおすすめする。
また、スマートトレーナーとタブレットなどをつなぐワイヤレス接続も、機器同士の距離に注意するなど安定してつながるようにすると、途中でパワーデータやスピードデータが送信されなくなってストップしてしまうということが発生しにくい。
なるべく大きいディスプレイで楽しむこともポイント。大画面で楽しむ方がバーチャルライドの世界に没入しやすいからだ。そういう意味では、スマートフォンよりもパソコンやタブレットなどのほうがおすすめだ。
代表的アプリ「ズイフト」のセットアップについては別記事をチェック!
ZWIFT(ズイフト)公式! 完全スタートガイド 何をそろえたらいいか、まる分かり!
その他あると便利なアイテム
インドアトレーニングを楽しむうえで必要な騒音・振動への対策と汗対策。騒音、振動については、後輪を外して自転車を設置するダイレクトドライブ式のスマートトレーナーはいずれも音・振動ともにかなり低いレベルに抑えられているのでおすすめだ。
マットは騒音・振動対策にも汗対策にも有効。汗をかいてもサッと拭けばキレイになる。
インドアトレーニングでは冬でも大汗をかくので、汗対策は必須。汗を拭くための大きめのタオル(いわゆるスポーツタオルと呼ばれるサイズが使いやすい)を用意しよう。バイクの汗汚れ防止のために、汗受けネットもあると便利だ。汗受けネット代わりに、ハンドルバーに大きめの洗濯ばさみ(竿を巻き込むように止められるもの)でスポーツタオルを固定するのもよい。また、体を直接冷やすために大型の扇風機やエアコンもうまく活用したい。
パソコンやタブレットは専用のスタンドや台、専用のホルダーでバイクの近くに設置できるようにしたい。電源が近くにない場合は電源タップも用意した方がいいだろう。電源タップは差し込み口ごとにスイッチがついているものだと使わないときに電源を切れるので、省エネにつながり、家計にも優しい。
実際にスマートトレーナーを設置してみよう
ここでは実際にスマートトレーナーを設置するまでの手順を、オーソドックスなダイレクトドライブタイプの代表的なモデルとして、エリート・スイートを例に説明する。
①開封
まずは箱を開封し、スマートトレーナーを取り出す。スマートトレーナーの中でも、後輪を外して自転車を設置するダイレクトドライブタイプは、20kg近い重量があるものも。開封した後の箱は、万一の故障修理時にあると便利なので、スペースがあるならとっておきたい。
②組み立て
スマートトレーナーを設置できるように脚を組み立てる。このモデルは脚を開き、設置部のネジを回して水平を出してがたつかないようにするだけでOK。脚部をボルトで固定するちょっとした作業が必要なものもあるが、その場合はマニュアルに沿って正しく組み立てよう。
③バイクのセット
トレーナーが設置できたら、トレーナーにバイクを設置する。後輪がクイックリリース式かスルーアクスル式か、スルーアクスルの径やフレームのリヤエンド幅のサイズによって、適切なアダプターをあらかじめセットしておく。
ダイレクトドライブ式トレーナーの場合、バイクの設置方法は基本的に後輪の着脱と同じ。後ろのギヤをあらかじめトップ側に変速しておき、後輪を着脱する際の要領でバイクを確実にセットする。ディスクブレーキロードの場合、誤ってリヤブレーキのレバーを握ってピストンが飛び出さないように、後輪を外したら忘れずにスペーサーを入れよう。
④完成
ディスクブレーキロードの場合はスルーアクスルを最後まで確実にはめ、リムブレーキロードの場合はクイックリリースレバーを確実に締める。前輪の下にライザーブロックを設置し、電源コードを接続すれば設置は完了だ!
厳選モデルその1-エリート・スイート-
ここからはさまざまなブランドのスマートトレーナーの2021年モデルの中から、注目のモデルを紹介! まずはエリートのダイレクトドライブ式スマートトレーナーの上位モデル、スイートを紹介しよう。
エリートは後輪を外して設置するダイレクトドライブ式トレーナー
ANT+とBluetoothの両規格のワイヤレス通信に対応し、ズイフトをはじめとするバーチャルサイクリングでの勾配変化に応じて自動的にトレーナーの負荷が変化するなど、実走さながらのリアルな走行感を楽しめる。
また、ズイフトやエリート純正トレーニングアプリのマイEトレーニングの無料ライセンスがついているほか、スプロケットも装着されているので、購入したその日からすぐにバーチャルライドを楽しめるのも魅力だ。
エリート・スイートをインプレッション
ダイレクトドライブ式スマートトレーナーも各ブランドからさまざまなモデルが登場しているが、エリートのトレーナーの強みのひとつは、ラインナップの充実ぶりにある。スイートは2021年春現在のラインナップではセカンドグレードに位置づけられる上位モデルで、最大の特徴は本体のスリムさにある。インドアトレーニングではスペースが確保できるならトレーナー出しっ放しにするのが理想だが、住宅事情や家族との兼ね合いで使わないときは片付けなくてはいけない場合もあるだろう。スイートは脚をたたむと幅15cmほどになるので、収納時に場所をとらないのが魅力。取っ手もついているので、安定して持ち運べるのは便利だ。
性能に関しては、10万円前後の価格帯のモデルとしては必要十分な性能が備わっている印象。パワーメーターを内蔵し、勾配変化による自動負荷調整機能も備えているので、ズイフトなどのバーチャルサイクリングを存分に楽しめる。上り勾配の再現は最大15%で、ズイフト内ならほぼすべてのコースを再現できる。負荷のかかり方は強めで、プロ選手がトレーニングに使えるであろうレベル。個人的には負荷が実走より強く感じたので、気軽にバーチャルライドを楽しみたい人と言うよりは、インドアでも高強度のトレーニングをしたいサイクリスト向けと言えそうだ。
実際にバーチャルライドをしたときの振動や音の静かさは、鉄筋コンクリート造りの建物であれば近くにいてもそれほど気になるレベルではないし、テレビの視聴や会話も普通のボリュームでできるはずだ。このあたりはダイレクトドライブ式トレーナーに一日の長があるエリートの強みと言ってもいい。
エリート・スイート Spec
価格:10万4280円
設置サイズ:760×560×495mm
収納サイズ:560×150×495mm
重量:約14.5kg
負荷ユニット:磁気抵抗ユニット(自動負荷調整機能つき。AC100V電源が必要)
最大再現勾配:15%
対応通信規格:ANT+ FE-C、Bluetooth Smart
パワー計測の精度:±2.5%
対応エンド幅:130mmクイックリリース、135mmクイックリリース、142×12mmスルーアクスル、148mm×12mmスルーアクスル(アダプター使用)
付属品:my E-Training1年間無料ライセンス、ズイフト1ヶ月間無料ライセンス、ライザーブロック、シマノ11速カセット(105)※取付済
動画もチェック!
こちらもお薦め その1-ディレート XR-T
エリートのダイレクトドライブ式スマートトレーナーの最高峰ディレートXRシリーズから、スプロケットを省略することでより求めやすい価格を実現したモデル。計測精度±1.5%の光学センサー式パワーメーターを内蔵し、正確な数値でのパワートレーニングが可能。再現可能な最大勾配も24%と、ズイフトのすべての地形を再現可能だ。
こちらもお薦め その2-ステルツォスマート ステアリングブロック-
前輪を載せるライザーブロックをステアリング操作に合わせて左右に切れるようにし、ズイフトのステアリング機能に対応するステルツォスマートステアリングブロック。ズイフト内でコーナーを最短距離で抜けたり、ルートの分岐でハンドルを切るだけで進路を選んだりできる。ハンドルは力を抜くと自然に直進方向に戻り、ライドフィールも自然だ。
問:カワシマサイクルサプライ(https://www.riogrande.co.jp/)
厳選モデルその2-タックス・ネオ2Tスマート-
タックスのハイエンドモデル・ネオ2Tスマートは、使用時の静かさや負荷変動の自然さも魅力だが、ズイフトで路面状況に合わせて振動する機能を備えるなど、独自機能で存在感を放っている。
ステルス戦闘機のような近未来的なルックスを誇るタックスのスマートトレーナー・ネオ2Tスマート。他社のトレーナーにはない独自の機能を満載している。
そのひとつがロードフィール機能。ズイフトやタックスのソフトウェアなどでバーチャルサイクリングを楽しむとき、路面が石畳になるとその凹凸をトレーナーが再現し、あたかも石畳の上を走っているように感じられる。
さらにバイクを設置した後も、バイクが左右に5°振れるようになっていて、ダンシングをしたときに軽くバイクが振れるようになっているのも特徴。より自然なライドフィールを得られる。
フライホイールを使用せず、モーターと強力な磁石で負荷をコントロールしているため、非常に静かで振動が少ないのも特徴。測定精度±1%未満という高精度のパワーメーターを内蔵し、最大負荷は2200W、再現可能な勾配は25%、さらに下り勾配の負荷も再現可能なのも特徴だ。
タックス・ネオ2Tスマートをインプレッション
機能に関してはライバルを圧倒する完成度の高さ。特に静かさとライドフィールの自然さに関しては、群雄割拠のスマートトレーナー界でトップクラスだ。
ライド時の静かさについては、後輪を外すダイレクトドライブ式というのもあるが、フライホイールやベルトがなく、モーターと強力な磁石で負荷をコントロールする独自の構造が大きい。このため、電源を接続しているときは、上り勾配を負荷で再現できるだけでなく、下り勾配で脚が軽くなる感じも再現でき、ライドフィールが自然に感じられることにもつながっている。スプリントのような高トルクをかける場面でも負荷が高くなりすぎたり脚が抜ける感覚もないので、このあたりも実走に近いと感じる。
個人的にいいなと思ったのが、設置後も完全にバイクが固定されるのではなく、バイクを左右に揺らすことができる点。ダンシング時に自然にバイクが振れるので、上りやスプリントで実走に近いライドフィールが得られる。ダンシングを多用するサイクリストならきっと気に入るはずだ。
路面を再現する機能が搭載されているのもこのモデルならでは。ズイフトなどのサイクリングアプリで路面の再現をオンにすると、石畳の上を走った時などにトレーナー自体が振動し、あたかも石畳の上を走っているように感じられる。
タックス・ネオ2Tスマート Spec
価格:19万5800円
設置サイズ:575 x 750 mm
重量:21.5 kg
シミュレーション可能な最大勾配:25%
対応通信規格:ANT+、Bluetooth
パワー計測の精度:±1%未満
最大負荷:2200 W
こちらもお薦め-フラックス2スマート-
大型のフライホイールを搭載し、2000wの最大負荷に対応するダイレクトドライブ式スマートトレーナー。最大16%の勾配を再現できる。測定精度±2.5%の高精度なパワーメーターを搭載し、ズイフトやタックストレーニングアプリと連動させることが可能。安定感があって頑丈なボディにより、スプリントやダンシングの際も安心だ。
合わせて使いたいお薦めアイテム-ガーミン・エッジ1030プラスセット-
現在市販されているGPSサイクルコンピューターの中で、最も多機能で高性能と言っても過言ではないガーミンのフラッグシップモデル。高精細で大画面なタッチディスプレイは視認性に優れ、スマートフォン感覚で直感的に操作できる。スピードやケイデンス、パワーなどの各種センサー、電動変速システムやスマートライトなど多彩なアクセサリーと連携できるのも特徴だ。高性能なナビゲーション機能も搭載する。
問:ガーミンジャパン(https://www.garmin.co.jp/)
厳選モデルその3-エクスプローバ・ノザS-
他社のハイエンドモデルに匹敵する高性能を10万円台で実現したエクスプローバ・ノザS。このクラスでは最も重いフライホイールを採用し、高負荷と自然なライドフィールを両立する
ノザSは、エイサー傘下の台湾のサイクルコンピューターブランド・エクスプローバのスマートトレーナーの最新モデル。税込約10万円という価格ながら、最大負荷は2500W、再現可能な最大勾配も18%と、他社のハイエンドモデルに匹敵する高性能を実現しているのが特徴だ。
このクラスのトレーナーとしては最重量級の5.9kgのフライホイールを採用。高負荷を可能にしながら、バーチャルライドの勾配変化に合わせて自然に負荷の強弱がコントロールされ、実走の慣性走行も再現するような自然なライドフィールを実現している。
旧モデルからベルトとプーリーの構造を見直し、ライド時の音の静かさや振動の少なさも特徴。ライド時の音はわずか58デシベルと普通の会話並みに低騒音なのも特徴だ。
エクスプローバ・ノザSをインプレッション
実際に乗ってみて驚くのはその静かさ。ダイレクトドライブ式のスマートトレーナー自体が他のタイプのトレーナーと比べて音が静かな傾向にあるが、その中でも特に静かな部類に入ると感じた。スマートトレーナーの負荷ユニット自体の静音性が高いことが最大の要因だと思われるが、おそらく脚部のラバーカップもいい仕事をしているのだろう。環境にもよるが、木造建築でもよほど古い建物でなければ振動も少なそうだ。
フライホイールと磁力式負荷ユニットの組み合わせは静音性に優れる一方、踏み出しが重かったり慣性が働きすぎて脚を止めたときの空走感が実走とはほど遠かったりしがちだが、それをみじんも感じさせない。ノザSは直径20cm、5.9kgという巨大なフライホイールを使いながら、負荷のかかり方や走行感も特筆すべきレベルの自然さだ。
スプリントなどのひと踏み目で一気にトルクをかけたときのレスポンスは、実走でパワーメーターを使って走る時の反応に限りなく近い。ズイフトなどでレースをしたときに、スプリントでワンテンポ遅れる感覚がないので、バーチャルライドでも違和感がないのがすばらしい。
この価格でこの性能を実現されると、スマートトレーナー単体で見た場合にはライバルは相当限定される。性能の高さはもちろんだが、コストパフォーマンスを求める人にはおすすめできる一台と言える。
エクスプローバ・ノザS Spec
価格:10万7800円
設置サイズ:593.4×514.5×465.15mm
重量:17.0kg
最大シミュレーション傾斜:18%(70kg)
対応通信規格:ANT+、 ANT+ FE-C、 Bluetooth Smart
パワー計測の精度:±2.5%
最大負荷:2500W(58Km/h)
自転車との互換性:ロード650C、700C/MTB24 インチ、26 インチ
対応フリーボディー:シマノ/SRAM 8/9/10/11 速(本体のフリーボディ―はシマノ/SRAMのロード11S用)
合わせて使いたいお薦めアイテムその1-X3-
2.2インチのフルカラー液晶を備えたエクスプローバのGPSサイクルコンピューターの中堅機種。バッテリー持続時間は20時間、省エネモードなら27時間と、バッテリー切れを気にせず使える。表示項目は細かくカスタム可能。専用アプリで設定すれば、ストラバやトレーニングピークスなどにも走行データを簡単にアップロードできる。
合わせて使いたいお薦めアイテムその2-X5エヴォ-
カメラを内蔵し、動画や静止画の撮影が可能なエクスプローバのGPSサイクルコンピューターの最上位機種。3インチのタッチパネル式カラーディスプレイを備え、基本操作は画面をタップしたりスワイプするだけでOK。ローターのパワーメーターと接続するとペダルストロークを確認したり、Qリングスの最適なセッティングも可能。
問:日本コンピュータ・ダイナミクス(https://www.xplova.com/jp/)
厳選モデルその4-ワフー・キッカーバイク-
バイクをトレーナーに設置しなくてもインドアサイクリングが楽しめるスマートバイク。ワフーのキッカーバイクは、勾配変化の再現機能やステアリング操作も実装するのが魅力だ。
バーチャル空間の勾配を再現するキッカークライムや走行スピードに応じた送風機能を備えたキッカーウインドなど、さまざまな製品を組み合わせてよりリアルなバーチャルライドを可能にするワフーの製品群。キッカーバイクは、スマートトレーナー・キッカーシリーズとキッカークライムの機能を備えたバイク型のスマートトレーナーだ。
ズイフトなどのサイクリングアプリとペアリングすれば、スマートトレーナーと同様に勾配変化に応じてトレーナーの負荷が変動するだけでなく、バイクの傾きも変化するのが特徴。再現可能な勾配は上り20%、下り15%。さらにステアリング機能にも対応し、変速操作もシマノ・カンパ・スラムに準じた操作が再現可能。サドルの高さや前後位置だけでなく、ハンドルの高さや前後位置、スタンドオーバーハイト、クランク長の変更も可能で、あらゆる身長のサイクリストに対応する。また、最大2200Wの負荷に対応し、±1%の精度を誇るパワーメーターも搭載。シリアスレーサーのトレーニング機器としても申し分のない性能を誇る。
なお、設置は配送業者が行ってくれるうえ、梱包材の回収も希望すればその場でやってくれる。設置を任せられるということはうれしいポイントだ。
ワフー・キッカーバイクをインプレッション
勾配変化に応じて負荷が変化するだけでなく、バイクの傾きで斜度を再現したり、ステアリング機能を実装している。それだけでもバーチャルサイクリングで実走の雰囲気を最もリアルに再現できているインドアトレーナーと言っても過言ではない。負荷の変動も滑らかで不自然にペダルをこぐ脚が軽くなったり重くなったりしない。
ステアリング操作はブラケット部分のボタンを押すことで操作可能。ステアリング機能付きのブロックのようにハンドルを大きく切らなくてもバーチャルサイクリング上で曲がることができる。実走ではライダーが曲がりたい方向に傾くことで自然に曲がるようにハンドルを切って曲がるわけではないので、そういう意味ではより実走に近い操作フィールだ。
バイクのポジションの再現も、アプリを使うことでミリ単位まで簡単にできるし、微調整もクイックレバーで簡単にできるので、ポジションがしっくりこないなんて心配もない。クランクの長さも165mmから175mmまで2.5mm刻みで変えられるので、セッティングのうえでも役立つが、クランク長の変更による影響を簡単に実験できるのも魅力だ。
スマートトレーナーとしての機能面では全部盛りのこれ以上ない1台。バーチャルサイクリングの世界に没入したい人だけでなく、カーボンバイクのフレームへのダメージが気になる人にもおすすめしたい。
ワフー・キッカーバイク Spec
価格:48万9500円
設置面積(長さ×幅):121×76cm
重量:42kg
再現可能な勾配:-15~20%
対応通信規格:ANT+、BLUETOOTH、ANT+ FE-C
パワー計測の精度:±1%
最大パワー:2200W
スタンドオーバーハイト範囲:95~119cm
適応身長:152~192cm
クランクの長さ:165mm、167.5mm、170mm、172.5mm、175mm
動画もチェック!
こちらお薦め その1-キッカーコア-
ワフーのダイレクトドライブ式スマートトレーナーのお値打ちモデル。上位モデルのキッカーと同等の静音性や自然な乗り味、滑らかな自動負荷調整機能を備えながら、価格は11万円台と比較的手の届きやすい価格を実現。最大出力は1800W、再現可能な勾配は最大16%でキッカーと比べると控えめだが、バーチャルサイクリングを楽しむには必要十分なスペックだ。
こちらもお薦め その2-エレメントボルト-
小型・軽量・エアロデザインで人気を博したエレメントボルトが、ゴリラガラス採用2.2インチカラーディスプレイ化、16GBメモリへの増強などでパワーアップ。ナビゲーションは予定のルートを外れた場合でもリルートする機能や、目的地変更やスタート地点へ戻るルートの設定がサイクルコンピューター上で可能になった。また、稼働時間も15時間と十分だ。
問:ワフーフィットネスジャパン(https://jp.wahoofitness.com/)