ロードバイクやクロスバイクに最適な自転車用ライトの選び方
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自転車には安全のために夜間のライト点灯が必須だ。それはロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクでも当然同じこと。これからは走りやすいシーズンとなるものの、日の出が遅く日暮れも早くなるので、しっかりしたライトをそろえたい。でも、よく明るさの単位で使われる「ルーメン」とは何で、どのくらいのレベルにしたらいいのか? 今回は今注目のブランド「FORCE(フォース)」を例に、自転車用ライト選びについて特集しよう。
自転車にライト装着は必須
「当然でしょ」と思う人もいるかもしれないが、改めて説明したい。まず、そもそも道路交通法で自転車には夜間に前照灯(フロントライト)を点灯する義務が課されている。
法律で定められているから、というだけではなく、事故リスクを減らして自転車で走行するためには、ライトは必須だ。特にスピードが出やすいスポーツバイクの場合は、夜間に的確に路面状況を把握する必要があり、その走行に適したライトで前方を照らす必要がある。また、視界を確保する意味合いだけでなく、対向車や歩行者に自分の存在を知らせる意味でも非常に重要だ。
一方で、前側を照らすライトだけでなく、テールライト(尾灯)も必須と考えたい。道路交通法では自転車の後方に向けて赤い反射板を装着することが義務付けられており、夜間には尾灯を点灯させてそれに替えることができるとされている。やはり、こちらも法律で定められているからというだけではなく、後方から来る車両に自分の存在を知らせ、事故のリスクを減らすという意味で非常に重要となる。
ライトの明るさレベルとして使われる「ルーメン」とは何?
「それじゃあ、ちゃんとしたライトを買って装着しよう」と思ったところで、どんなライトを選んだらいいのか? と疑問を持つ人が多いだろう。特に、明るさの単位で「ルーメン」という数値が出てくることが多く、「これって何なの?」と混乱する人もいるはずだ。
ライト類の明るさを表す数値として、よく製品表示されていることが多いのは「ルーメン」「カンデラ」「ルクス」だ。自転車用ライトの場合は、「ルーメン」の単位で明るさが表示されることが多い。
あまり専門的な説明をすると話が難しくなるのでごく簡単に言うと、ルーメンとは“光の量”を表している。これが高い数値のライトほど、光の量が多くなる。スポーツバイク向けライトの場合は、200ルーメン〜1000ルーメンの製品が多い。
シチュエーション別ライトの選び方
自転車用ライトを選ぶときにポイントとなるのは、あなたの走行シーンがどのようなものか、ということだ。それに応じてどのくらいのルーメンの製品を選ぶかが変わってくる。
200ルーメン〜700ルーメンのものを選ぼう
ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツバイクで自転車通勤やサイクリングをするとき、夜間にも走行するなら最低200ルーメン以上のライトを選ぶと良い。それ以下になると、相手に自分の存在を知らせる補助灯としての役割程度だと考えてほしい。
より走るときの速度域が高いだとか、街灯が少なく暗い環境でも走るのならば、それ以上のルーメンのライトを装備しよう。目安としては最大で700ルーメンだ。それ以上の明るさになると今度はライト自体が大きく・重くなってくるので、そのあたりのバランスも考えたい。
よって、200ルーメン〜700ルーメンを目安として、明るい市街地をメインで走るのか/暗い環境をメインで走るのか、サイクリングがメインの目的なのか/通勤がメインの目的なのか、に応じてどのくらいのルーメンにするか決めよう。
200ルーメン〜市街地走行メインで速度域は低め
市街地で街灯の多い場所をメインで走るのならば、200ルーメンでOKだ。ある程度路面を照らしてくれて、かつ対向車にきちんと自分の存在を知らせられれば良い。サイクリングの場合でも、“日が落ちてから少し市街地を走行しないといけない”といった環境ならばこれで十分だろう。ライトがコンパクトなものが多いので、軽量でハンドルのスペースを取りにくいメリットもある。
おすすめアイテム FORCE PEN(フォース・ペン)
その名のとおり、ペンのように細長くコンパクトでスタイリッシュな形状のフロントライト。200ルーメンで照射範囲はそれほど大きくはないが、スポット照射タイプなので光が当たっている部分は十分すぎるほど明るい。サイド部分にはカットが施され、左右にも光が広がるよう工夫が凝らされる。装着はラバーバンド式で簡単だ。
OTHER LINEUP〜FORCE VERT(フォース・ヴァート)
110ルーメンで補助灯的な存在とはなるが、持っていると非常に役立つ一品。この価格帯にしてUSB充電バッテリー式で、電池残量インジケーターが装備されているのがうれしい。一気にぱっと点灯・消灯するのではなく、優しくふわっと点灯・消灯するのも特徴だ。
400ルーメン〜暗い道も走るならここからが基準
より明るくなり、また照らせる範囲も大きくなるのが400ルーメンだ。特に自転車通勤で市街地だけでなく、街灯の少ない暗い道も走るのならば、最低限このレベルを推奨したい。明るさに対してライト本体が大ぶりになりすぎず、明るさと本体の大きさや重量とのバランスが取れているのもこのライト群の傾向だ。
おすすめアイテム FORCE BUG(フォース・バグ)
中心部をかなり明るく照らしてくれる一方で、周辺部も優しく照らしてくれるフロントライト。400ルーメンと高い明るさを確保していながら、ライト本体はコンパクトに仕上がっている。一方で最大の400ルーメンで最大2時間持続と、バッテリーの持ちも良い。暗い道を含む片道1時間程度の通勤や日暮れ後に短時間走ることを想定したサイクリングにぴったりなアイテムだ。
500ルーメン〜暗い道をより長い時間走る場合や速度域がより高い場合に
通勤で暗い道をより長時間走る、あるいはより速度域の高いサイクリングになるなら、500ルーメンを選びたい。光が当たっている部分の明るさが大きくなることに加え、光の当たる範囲もより広くなる傾向にある。バッテリーの持ち時間も400ルーメンのものより長くなる傾向だ。最も明るさと本体の大きさ・重量とのバランスが良いカテゴリーと言える。
おすすめアイテム FORCE SHARK500(フォース・シャーク500)
500ルーメンの明るさを誇り、上部は配光カットが施されてまぶしさを抑えつつ、横と下側は光が広範囲に広がるよう工夫が凝らされたフロントライト。500ルーメン点灯でのバッテリー持続時間は約3.5時間と、持続力も申し分なし。それでいて価格も約4300円で、驚きのコストパフォーマンスを誇る。ベストバイ的な一品だ。
700ルーメン〜ナイトライドなど夜間のサイクリング目的に
夜間に確実に走行することが分かっている場合、例えばナイトライドなどと呼ばれる夜間のサイクリングや、街灯のない道をメインで走る場合は700ルーメンを選ぼう。このジャンルは前方を大きく照らしてくれるだけでなく、その周囲もさらに広範囲に照らしてくれる傾向がある。バッテリー容量も大きくなるので、中モードで長時間使う、というのもアリだ。
おすすめアイテム FORCE SHARK700(フォース・シャーク700)
ハイパワーLEDを搭載し700ルーメンの明るさで照射するだけでなく、広範囲を照らしてくれるハイグレードなライト。上部配光カットが施され、まぶしさは抑えられている。また、ライト本体の角度を左右で調整可能だ。ハイパワーではあるがスマートな形状をしており、ハンドルのスペースを取りにくい点がうれしい。
テールライトは後方車両からの被視認性が大切
フロントライトと合わせて必ず装備したいテールライト。選ぶポイントとしては、当然だがその目的である後方から来る車両(車、モーターサイクル、自転車)に自分の存在を知らせる被視認性の高さだ。路面を照らすことが目的ではないので、絶対的な明るさというよりも被視認性の高いLED基盤を用いているかなどに着目しよう。また、シートポストやシートステーへの装着しやすさも大切なポイントとなる。なお、交通ルール上、点滅で使う場合は赤い反射板を装着することが義務付けられている。
おすすめアイテム FORCE TAILCOB(フォース・テールCOB)
COB(チップ・オン・ボード)基盤を用いたLEDを採用し、被視認性抜群のテールランプ。コンパクトでスタイリッシュなデザインも魅力で、ラバーバンドでさまざまな形状のシートポスト・シートステーに簡単に取り付けが可能だ。点滅モードで使うと最大45時間持ち、日中に被視認性を高めるために点滅させて使うのもアリだ。
FORCE(フォース)について〜Brand Info
1991年にチェコで創立したKCK社が展開する、総合自転車パーツブランド。現在はサイクルウェア、アイウェア、ヘルメット、ライトからケミカルに至るまで、実に3000ものアイテムを世界展開しており、日本でも徐々に展開が進んでいる。特徴はサイクリストが求めるアイテムを高い品質かつ手頃な価格で提供していることにあり、今回の記事で紹介したライトも他ブランドの同カテゴリー品に比べてかなりコストパフォーマンスが高くなっている。世界最高峰の舞台で戦う自転車ロードレーシングチームへの製品供給を行うなど、シリアスなサイクルスポーツ分野での実績も積み重ねている。
FORCE 公式ウェブサイト
https://forcejapan.com/