【リドレー】注目のグラベルバイク&アイテムピックアップ

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走れるフィールドが広いのがグラベルロードバイクの特徴。「グラベル」とは英語で砂利という意味で、グラベルロードバイクは未舗装路を走るロードバイクということになるが、オフロードで乗らなくても楽しめて、ロードバイクで引き返していたような河川敷のダートの先や、今まで行けなかったフィールドに行けるようになる。そんなグラベルロードバイクの中から、リドレーの「カンゾーエー」をピックアップしよう。

カンゾーエー

リドレー・カンゾーエー(ベルジアンブルー)

Kanzo A
価格/23万1000円

SPEC.
フレーム/アルミ
フォーク/カーボン
サイズ/XXS、XS、S、M
カラー/ベルジアンブルー、シルバー
完成車重量/10.5kg(サイズS)

カンゾーエー

リドレー・カンゾーエー(シルバー)

シリーズの末弟、汎用性に優れるエントリーモデル

石畳の道が各地に残るベルギー。そんな過酷な環境で鍛え上げられているのがリドレーだ。グラベルバイクの“カンゾー”シリーズは、カンゾーファストを頂点として4機種をラインナップする。ここに紹介するのは、唯一アルミフレームを採用するエントリーモデル“カンゾーエー”だ。

テーパー形状のトップチューブが特徴的なこのフレーム、Sサイズで1570gを公称するなどアルミながら軽量に仕上げられている。また、ケーブル類はダウンチューブに内装するほか、カーボン製のフォークも含めて各部にキャリヤやフェンダー用の台座を設けるなど、グラベルバイクとしての基本設計は上位モデル譲りだ。なお、メインコンポはシマノ・ティアグラで、ディスクブレーキは油圧式。フロントのチェーンリングはダブルだが、通勤や通学など普段使いまで含めた汎用性を考えると、フロントシングルよりも優位と言えるだろう。

カンゾーエーのフレーム

フレームはトリプルバテッドの6061-T6アルミを採用。湾曲したトップチューブはテーパーかつ偏平形状とされ、ヘッド付近の剛性と振動吸収性を両立する

カンゾーエーのフォーク

振動吸収性に優れるカーボンフォーク(コラムはアルミ)を採用。ブレードの側面にある台座を利用することで、キャリヤやフェンダーが取り付け可能だ

カンゾーエーのシートステー

シートステーにはブリッジがなく、上方の内側にはリヤキャリヤ用の台座が設けられている。写真は700×38Cタイヤを装着した状態

カンゾーエーのリヤメカ

コンポはシマノ・ティアグラをメインに構成。リヤスプロケットは11-34Tとワイドだ。なお、2021年8月出荷分よりクランクとBBはシマノからFSA製となった

IMPRESSION:未舗装路ならリドレー。シクロクロスで得たノウハウが感じられる

ロードレースだけでなくシクロクロスでの活躍も目覚ましいリドレー。未舗装路での剛性バランスはどうあるべきか、その勘所を知り尽くしているようで、過剛性のイメージが強いアルミフレームながら、ダートでの走りはカーボンに迫るほどしなやかだ。ジオメトリもキャスター角を寝かせ、BBハイトを低くするなど安定性を重視したもので、大きな衝撃を受けても乗り手を慌てさせることがない。エントリーモデルだからこそ大切な要素だ。一方、舗装路での走りは、37Cというタイヤを履いていることもあって、乗り心地の良さを感じながら淡々と距離を稼ぐことができる。拡張性が高いことからもさまざまなシーンで末長く楽しめることは間違いなく、ベテランにも注目してほしい一台だ。

カンゾーエーに大屋雄一さんが試乗

RIDER:大屋雄一

モータースポーツにも造詣が深いフリーライター。MTBやグラベルライドもたしなみ、次回SDA王滝のグラベル部門出走も計画している。