東京発! サイクリング コース9 奥武蔵・峠チャレンジ
目次
関東平野が途切れる埼玉県の西部、飯能から秩父にかけての山地を「奥武蔵」と呼ぶことが多い。ここには標高300〜1000mほどの峠が20近くもある。このエリアでサイクリストにとってメインルートといえるのが、舗装林道である「奥武蔵グリーンライン」だ。これを進むと、標高818mの刈場坂峠を筆頭に、いくつもの峠を連続して越えることができる。ここでは東武東上線の駅と道の駅がある小川町をスタート&ゴールにして、奥武蔵グリーンラインを体験する。書籍「東京発! サイクリング」の中では一番手強いコースなので、力試しのつもりで挑んで欲しい。都心から利用しやすい東武東上線と西武池袋線に挟まれたエリアなので、輪行を駆使すれば距離と獲得標高(上り量)を調整することもできる。
コース情報
走行距離 約69km
小川町駅→(約100分・約20km)→黒山三滝→(約70分・約8km)→顔振峠→(約80分・約10km)→刈場坂峠→(約30分・約5km)→白石峠→(約20分・約3km)→定峰峠→(約70分・約23km)→小川町駅
アクセス
奥武蔵は山深いエリアだが、山間の盆地に秩父という比較的大きな街があるため、鉄道路線には恵まれている。東武東上線と西武池袋・秩父線が共に池袋から伸びており、豊島区や練馬区といった都内西部からのアクセスが抜群にいい。秩父盆地から熊谷へ延びる秩父鉄道はサイクルトレインも実施しており、味わい深いローカル線だ。ここではカーサイクリング向けの周回コースを設定したが、輪行を活用したワンウェイコースも組みやすい。荒川を経由して自走で訪れる人も多い。
eバイクで華麗に峠越え?
いったん奥武蔵グリーンラインに上がってしまえば、もう極端な急坂は現れない。稜線沿いをゆるゆる上りながら、自分なりのペースで刈場坂峠をめざそう。木陰が多いので、夏場も走りやすい。奥武蔵グリーンラインは分岐が多いので、あらかじめスマホやハンディGPSにコースを登録しておくと安心だ。
刈場坂峠からの広い展望を満喫したら、道なりに下っていき(左折する正丸峠方面への下りは激坂なので要注意)、大野峠の分岐で右折して白石峠へ。健脚自慢が集う白石峠だが、奥武蔵グリーンラインから向かえば下りだけで到着する。ここも道なりに進んでいき、定峰峠から県道11号で下界へ降りよう。上り返しがないので、スムーズに小川町へ戻ることができる。
使用バイク:BESV JG1
eグラベルバイクが新しい世界を見せてくれる
BESV JG1
価格:36万9600円
問:ベスビージャパン
スポーツ自転車のジャンルとしてすっかり定着した感があるeバイク。上りが苦にならないから、峠を含むコースにも積極的に走り出すことができる。eバイクのトップブランドであるベスビーから登場したJG1は、大きな盛り上がりを見せているグラベルシーンに対応したモデル。軽量なアルミフレームにバッテリーを内蔵しており、一見するとeバイクに見えない流麗なスタイルを実現しつつ、悪路をものともしない700×38Cのタイヤを備えているのが魅力だ。油圧ディスクブレーキと幅広いギア比を使いこなせるシマノ・GRXを採用し、あらゆるシーンで爽快なライドが楽しめる。
今回ピックアップした魅力いっぱいのコースだけでなく、他にもたくさんのコースを紹介しているサイクルスポーツ特別編集「東京発! サイクリング」は、都民や近県にお住まいで、自転車通勤や休日ライドによってサイクリングに関心が高まっている方へ贈るコースガイドです。都心から自走圏内、もしくは輪行で1時間〜2時間ほどでアクセスできる関東近郊での、超おすすめなサイクリングコースを紹介します。巻頭では、関東を代表する5つの自転車道を徹底リポート。輪行の方法もわかりやすく解説します。日帰りから一泊二日で楽しめる、自転車をとおした「大人の遠足」を提案します。