【チャプター2】注目のグラベルバイク&アイテムピックアップ

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走れるフィールドが広いのがグラベルロードバイクの特徴。「グラベル」とは英語で砂利という意味で、グラベルロードバイクは未舗装路を走るロードバイクということになるが、オフロードで乗らなくても楽しめて、ロードバイクで引き返していたような河川敷のダートの先や、今まで行けなかったフィールドに行けるようになる。そんなグラベルロードバイクの中からチャプター2の「アオ」をピックアップしよう。

アオ

AO
フレームセット価格(税抜・送料込)/33万1900円、35万400円(リミテッドエディション)

SPEC.
フレーム/カーボン
フォーク/カーボン
サイズ/XS、S、M、L、XL
カラー/シルバー×マット (リミテッドエディション)他

※このテストバイクはプロトタイプカラーですが、2021年11月に販売されることが決定しました。チャプター2のウェブサイトではカラーラインナップ、在庫状況、価格がライブで確認できます。

アッセンブル次第でレースからアドベンチャーまで

ニュージーランドの新興ブランドであるチャプター2が、2019年のサイクルモードで発表したのが“アオ”だ。このネーミングはマオリ語で地球や地面を意味し、あらゆるステージと遊び方に対応できるようさまざまな工夫が盛り込まれているのだ。

最も特徴的なギミックが、リヤセンターを3段階に調整できる機構だ。短くすれば反応が良くなり、長くすれば安定性がアップする。また、それによって許容できるタイヤの最大幅が変わるのもポイントだ。

アオのリヤエンド

リヤアクスルの固定位置を7mmずつ3段階に調整できるリヤエンド。リヤセンターを好みに応じて変えられるのだ。リヤキャリパーの位置も前後にスライドする

ダウンチューブ上面のボトルケージ台座は、電動コンポのバッテリー内装機能も備えている。シートポストはドロッパータイプにも対応できるようにφ31.6mmと太めの設計となっており、そのケーブルを内装できる工作も。さらに、フロントのチェーンリングはダブルとシングルの両方に対応しているなど、アッセンブルの振り幅が広いところがアオの魅力と言えるだろう。

アオのタイヤ

タイヤサイズは700C、650Bともに50mmまで許容するが、写真のように650B×54Cのタイヤを装着することが可能な場合もある。フォークブレードには台座あり

アオのチェーンステー

大きくドロップさせた右側チェーンステーは、タイヤクリアランスの確保が目的だ。BBの規格が整備性に優れるBSAスレッドという点にも注目を

アオのリヤフェンダーマウント

取り外し可能な専用のリヤフェンダーマウント。リヤキャリヤの台座としても活躍する。トップチューブ上面とダウンチューブ下側にもボトルケージ台座あり

IMPRESSION:大量に荷物を積んでも高い直進安定性を確保。地球全体がステージだ

東レのT700とT800を採用するこのカーボンフレームは、Mサイズで1040gを公称する。今回はリヤセンターを最も短くした状態で試乗したのだが、フラットダートでの走りは軽快そのもの。カーボンの持つ衝撃吸収性とジオメトリによって優れた安定性を生み出しており、時速30kmを超えてなお余裕を見せてくる。シクロクロスバイクのトリッキーな反応とは対照的だ。一方、舗装路では一般的なロードバイクよりも大らかなライドフィールであり、各部の台座を利用してたくさんの荷物を積んでも、十分な直進安定性を発揮してくれるだろう。グラベルバイクの最新トレンドをほぼ全て取り入れつつ、独自のギミックを盛り込んだアオ。人とは違う個性的なバイクを手に入れたいならぜひ。

アオに乗る大屋さん

RIDER:大屋雄一

モータースポーツにも造詣が深いフリーライター。MTBやグラベルライドもたしなみ、次回SDA王滝のグラベル部門出走も計画している。