東京発! サイクリング コース11 信州・木崎湖自転車キャンプ
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関東近郊などとエリアを限らずに、思いっきり遠征するコースを紹介しよう。信州はご存知のとおり山国であり、峠ばかりだが、初心者でも走りやすく、それでいて抜群の達成感を得られるコースがある。古くからサイクリストに愛されてきた北信の「嶺方(みねかた)峠」は、標高こそ1000mを超えるが、麓からの勾配は緩い。そして北アルプスが眼前に迫る絶景が魅力だ。この峠越えを軸にして、爽やかな空気を味わいに出かけよう。
コース情報
走行距離 約87km
長野駅→(約20分・約2km)→善光寺→(約110分・約19km)→鬼無里(きなさ)→(約100分・約16km)→嶺方峠→(約60分・約10km)→佐野坂峠→(約50分・約12km)→木崎湖キャンプ場→(約90分・約10km)→小熊山 (パラグライダー場)→(約60分・約18km)→信濃大町駅
総距離は長めだが、木崎湖で一泊して行程を分割すれば時間の余裕はたっぷり。嶺方峠はぜひ体験してほしいが、小熊山への林道は険しいので、上りが苦手ならパスしよう。
長野駅から伝説の峠へ
スタート地点は、JR北陸新幹線で速達できる長野駅を選んだ。もちろん、せっかくの信州で日帰りはもったいない。嶺方峠を越え、白馬を南下していけば、高原に3つの湖が連なる仁科三湖だ。その一番南、木崎湖に素敵なキャンプ場がある。そこで夜を明かせば、走りの達成感に非日常感が加わって、旅としての完成度は爆上がりだ。
鬼無里まで進めば、すでに標高680m。だから、標高1100mの嶺方峠も「あと少し」といった感じだ。距離をかけて標高差を詰めていくので勾配は穏やか。だから、「上りは苦手」という人にも体験してほしい峠だ。嶺方峠を越えてしまえば、木崎湖まで下り基調で一気に快走……できるが、少しもったいない。旧道をのぞきながら、のんびり進もう。木崎湖は標高がまだ760mもある。湖面を渡る風がひんやりと冷たく、夏のキャンプには最適だ。
2日目は、木崎湖を見下ろす小熊黒沢林道を上り、ほど近い信濃大町駅から帰路についた。それだけのシンプルな小旅行だったが、全身の血が入れ替わったかのように晴れ晴れとした気分に包まれた。心身の健康維持にも信州はおすすめだ。
使用バイク:stijncycles Peg
あなたに寄り添う万能スポーツバイク
stijncycles Peg
価格:19万3600円(シングルスピード完成車)、21万7800円(ロード・フレームセット+ホイールセット)、35万2000円(ロード・105油圧ディスク完成車)
問:ポディウム
「ステインサイクルズ」は、ベルギーのロードレース一家に生まれ、自身も選手として活躍したステイン・デフェルム氏が興したブランドだ。選手を引退した後は自転車デザイナーとして多くのモデルに関わっており、特にパシフィックサイクルズ・バーディーの流麗なモノコックフレームを手がけたことは熱心なファンに有名だ。
そんなステイン氏の理想を形にしたのが「Peg」。外形的には小径車というカテゴリーに入るスポーツ自転車だが、生粋のロードバイクのように快走でき、ツーリングに欠かせない安定感も高く、ふだん使いの気軽な足にもなる意欲的なモデルだ。用途を決めるのは乗り手次第であり、どんなニーズにも応えることができる。
今回ピックアップした魅力いっぱいのコースだけでなく、他にもたくさんのコースを紹介しているサイクルスポーツ特別編集「東京発! サイクリング」は、都民や近県にお住まいで、自転車通勤や休日ライドによってサイクリングに関心が高まっている方へ贈るコースガイドです。都心から自走圏内、もしくは輪行で1時間〜2時間ほどでアクセスできる関東近郊での、超おすすめなサイクリングコースを紹介します。巻頭では、関東を代表する5つの自転車道を徹底リポート。輪行の方法もわかりやすく解説します。日帰りから一泊二日で楽しめる、自転車をとおした「大人の遠足」を提案します。