効率良くFTP UP!! Zwift ACADEMY 2021でパフォーマンス向上!
目次
- 1. Zwift ACADEMY 2021とは?
- 2. ズイフトに必要、あったら良いアイテム
- 3. FTP測定:ワークアウトの強度を決める重要な数値
- 4. パワーゾーンとは?
- 5. いよいよズイフトアカデミーに参戦!
- 6. ベースラインライド:現状の自分の能力を測定
- 7. ワークアウト#1 VO2 OVER/UNDERS
- 8. ワークアウト#2 PEAK VO2 INTERVALS
- 9. ワークアウト#3 LACTATE TOLERANCE
- 10. ワークアウト#4 THRESHOLD UNDER/OVERS
- 11. ワークアウト#5 UPPER THRESHOLD BLOCKS
- 12. ワークアウト#6 FTP BOOST
- 13. フィニッシュラインライド:向上したパフォーマンスを確認
コロナ禍に甘んじてダラダラと過ごしていたサイクリストが、強くなれるとうわさのズイフトアカデミーに挑戦! ぬるま湯につかりきった体は、はたしてどこまで進化できるのか……? 駆け抜けた1か月の記録がここに。
ふぬけた我が筋肉たちをズイフトでいじめ抜け!
最近、鏡で自分の体を見るのが怖い。というのもコロナ禍以前と比べて、明らかに脚の筋肉量が減っているのだ。加えてなんだか脂肪も増えた気がする。いろんなところがぷにぷにだ。ただでさえ苦手だった峠が、以前にも増して嫌いになっていた。鈍りきった自身の体に辟易していた矢先、始まったのがズイフトのトレーニングイベント「ズイフトアカデミー」だったのだ。
時に世界中のサイクリストとバーチャルライドを楽しみ、時にトレーニングで自身の限界まで追い込むことのできる室内専用のサイクリングアプリ「ズイフト」。外出制限が続いたこの2年を経て、読者の中には最近始めた人や気になっている人も多くいらっしゃることだろう。今回取り組んだのは2021年8月から10月にわたって開催されたイベント「ズイフトアカデミー2021」。プロを目指す人にとっては才能発掘プログラム、多くのアマチュアライダーにとってはトレーニングプログラムとして参加できるイベントで、短期間で効率的にパワーアップできるのが最大の魅力だ。私の最大の敵は峠道。はたして室内トレーナーで苦手意識を改善し、キレキレの筋肉を手に入れられるのだろうか。1か月の実録をお届けする。
Zwift ACADEMY 2021とは?
2021年8月31日〜2021年10月25日に開催されたトレーニングプログラムイベント「ズイフトアカデミー」。イベント期間中にベースラインライドと6回のワークアウト、2回のリカバリーライド、フィニッシュラインライドの合計10のプログラムを行うことで、自身のパフォーマンスを向上させるのが狙いだ。プログラムを達成することでゲーム内のオリジナルキットがアンロックされるほか、効率的に強くなれるのが最大の魅力。全世界同時イベントなので、世界中のズイフターと励まし合いながらトレーニングに取り組めるのもモチベーションアップにつながる。
ズイフトに必要、あったら良いアイテム
FTP測定:ワークアウトの強度を決める重要な数値
測定結果:FTP 113W PWR 約2.6倍
FTPとは、自分が1時間平均して維持できるワット数(パワー)の最高値のこと。閾値(しきいち)パワーとも呼ばれ、ズイフトではこれを指標に、ワークアウトの難易度を決定している。FTP値が高いほど、インターバル中に表示される目標ワット数も高くなる。そのため自身のレベルに合ったトレーニングを行うためには、必ず事前にFTPテストを実施して、現状のFTPを把握することが大切だ。フルバージョンのFTPテストから簡易版テスト、さらには初心者向けのランプテストなど、さまざまな方法での測定が可能。トレーニング前にまず取り組んでみよう!
パワーゾーンとは?
パワーゾーンは自身のFTP値に基づいてトレーニングの目安となる強度を6つのゾーンに分けたもの。リカバリー(グレー)からエンデュランス(青)、テンポ(緑)、FTP(黄)とゾーンレベルが上がるほどきつくなる。
いよいよズイフトアカデミーに参戦!
ベースラインライド:現状の自分の能力を測定
ズイフトアカデミーのスタート時には必ずベースラインライドへ参加することとなる。これはミドル、ショート、ロングと3種類のタイムを計測し、現在の体力値を把握することを目的としており、トレーニング終了後には同一条件でフィニッシュラインライドを実施。3種類のタイムを比較することで、アカデミーでどれだけ力が付いたかを客観的に知ることができるのだ。
ワークアウト#1 VO2 OVER/UNDERS
ヒルクライムが苦手な人に向けたメニュー。VO2max(ゾーンレベル5)を強化すると酸素摂取量が増加し、中強度〜高強度の運動時間を増やせるようになる。ここでは各インターバルの開始時に運動量を急増させ、その後強度をFTP値(ゾーンレベル4)に保つことで高い酸素消費を維持。持久力向上を見込める。
ワークアウト#2 PEAK VO2 INTERVALS
レース終盤のアタックや短く急な上りでのアタックをするために必須のメニュー。このセッションでは各インターバルの序盤でVO2maxのピーク値で負荷をかけ、有酸素系に効果的なレベルを持続。さらに6セット行うことで有酸素能力と乳酸クリアランス能力に負荷をかけ、総合的なリカバリー力も向上させる。
ワークアウト#3 LACTATE TOLERANCE
乳酸耐性を伸ばすことを目的としたメニュー。乳酸を代謝する能力が高いほど持久力が向上するため、タフなレース展開にも食らいつけるようになる。このワークアウトでは、FTP以上の強度で走れるようになることと、VO2maxを高めることの2点を目標に取り組むとなお良し。ちなみに一番キツく感じたメニューはこれ。
ワークアウト#4 THRESHOLD UNDER/OVERS
どんな上り坂や丘陵地、地形変化の激しい場所にも耐えられるようになるメニュー。VO2maxまで上げた後、FTP前後の出力を維持することで耐性を向上させる。長時間継続して高出力で走れるようになるワークアウトなので、レースはもちろんだが長距離ライドやツーリングにも効果的と言えるかもしれない。
ワークアウト#5 UPPER THRESHOLD BLOCKS
TTライダーになるための要素が詰まったワークアウト。前半のセットでは高い強度でスタートするため、乳酸が完全にクリアされず、乳酸値が僅かに上昇する。後半は強度が低いパートから始まるため、ラストにかけて疲労もピークに。じわじわと脚が重くなる感覚こそ強くなっている証拠だ。
ワークアウト#6 FTP BOOST
レースでのアタックや上り坂で発生する激しい燃焼。このワークアウトでは燃焼を押しとどめ、アタックの後でも出力を衰えさせずハイペースを維持するのに適したメニューとなっている。各セクションはじめの無酸素運動はFTP向上に不可欠な乳酸濃度を高める。レストのおかげで最後まで踏み切ることができる。
フィニッシュラインライド:向上したパフォーマンスを確認
今回の最大の目標は、ヒルクライムへの苦手意識を減らすこと。そのために注目していたのが、ベースラインおよびフィニッシュラインライドでのロングでいかにタイムを短縮するかだ。ロングでは約4㎞のヒルクライムが再現されており、実戦さながらの環境でTTできる。ベースラインライドでは13分28秒だったため、『13分を切る』を具体的な目標に掲げトレーニングに取り組んできた。ワークアウトをこなしながら徐々に分かってきたのは、自身の持っているパワーの全体量、いわばバッテリー総量と最大出力値の2点。これらを1か月で伸ばすのはなかなか難しいため、アカデミーでは現在持っている力を「いかに効率的に出し切るか」を考え、パワーの配分をコントロールする練習をした。そしてフィニッシュラインライド本番、ロングでは目標としていた13分切りをどうにか達成。PRタイムの短縮だけじゃなく、FTPも6Wアップしてくれました。ズイフトは効率的なトレーニングメニューが豊富にあるので、これからもトレーニングを続けていきます!