ガーミンの計測技術を支えるファーストビートとは

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サイクルコンピューターなどのGPS機器のブランドであるガーミン。そのデータ統計の裏側には、「Firstbeat(ファーストビート)」の存在がある。ファーストビートは、2020年6月30日にガーミンが買収した、フィンランドに本社を構えるテクノロジー企業、Firstbeat Analytics(ファーストビートアナリティクス)社が提供するサービスだ。

ファーストビート×ガーミン

ファーストビートの特徴

①最先端技術:最先端の分析と指標を提供

ファーストビートアナリティクス社は、スポーツ、健康・フィットネス分野の生理学分析の大手企業であり、ガーミンはもちろん、多数の世界中のスマートウォッチメーカーに対して、心拍データを解析しサービスを提供してきた。

②ビッグデータ:20年間蓄積した10万を超える膨大な計測データ

始まりは、フィンランドのオリンピックスポーツ研究室とユヴァスキュラ大学が共同で行った共同研究。VO2 Maxや、実験室でのエネルギー消費量測定など、20年間に蓄積された10万を超える実際のデータの評価を通じて、巨大なデータベースが開発された。

③世界中のスマートウォッチメーカーから選ばれた信頼の高さ

スマートウォッチによるデータトラッキングの根幹とも言える心拍変動を高度に分析。心拍変動を元にストレス指数を算出することで、いつリラックスすべきかをアドバイスを提供するなど、ファーストビートによって、心拍数のリズムだけで、ストレス値など多くの健康情報を提供することが可能になった。

 

ファーストビートが実現したガーミンのスマートウォッチ機能

ストレスと回復

終日のストレスモニタリングは、生理学的現象として体内に存在するストレスと回復反応の存在と強度を示す。1日のうちどれだけストレスを経験しているか、体がそれらのストレスの多い瞬間に対して効果的に回復できているかをタイムリーに確認できる。

ボディバッテリー

効率的な活動や休息のタイミングを決定するためのアドバイスを行う。身体活動、ストレス、回復の状況を元に、身体の回復力、反応性、対処能力を洞察。心拍変動(HRV)と呼ばれる心臓の鼓動パターンを識別して分析することで、相関性を可視化しユーザーにフィードバックする。

睡眠の質の評価

睡眠の時間だけでなく、質をデータ学習し、回復できているかという点から睡眠を評価する。それにより、睡眠の質を低下させるライフスタイルの要因を特定することや、活動を始めるのに万全の状態なのかを知ることができる。質の高い睡眠による回復状況は、心拍変動でコード化されている。これは、自律神経系(ANS)内で起こる刺激や調整に心拍変動が迅速に反応することで生じる。

トレーニングステータス

トレーニングの有効性を確認し、自身にとって最適なトレーニングを見つけることができる。組み合わせたトレーニングが生産的であったか、現在のフィットネスレベルを維持できているかという全体像を把握し、今後のトレーニングやフィットネスの改善に役立てられる。ピーク、オーバーリーチ、回復という分析結果に加え、トレーニングを休止、減らすタイミングの判断材料となる。

VO2 Max フィットネスレベル

本当のフィットネスレベルを把握することで、自分に適したトレーニングの指標になる。実験室で測定することが一般的だったVO2 Maxだが、独自の方法を使用して実験室と95%同等のデータを検出することができる。ウォーキング、ランニング中や、パワーメーターを使えばサイクリング中にも自動的に検出し、ユーザーの身体情報と活動中に収集されたデータの組み合わせをもとに計算される。また、心拍数と活動中の速度も関与しており、パフォーマンスを生み出すために身体がどれだけ懸命に働いているかを示す。ファーストビートのVO2 Max計算の背後にあるアルゴリズムは蓄積されたデータから学習するため、デバイスを使用すればするほどVO2 Maxの推定値の信頼性が高まる。

トレーニング負荷

時間や距離ではなくトレーニング活動が体に及ぼす生理学的影響の蓄積によって、どのくらいの負荷となっているか週単位で確認できる。ファーストビートではワークアウト中に記録された心拍データをEPOC値(運動後の余剰酸素消費量)に変換する。1週間、各トレーニングで蓄積されたEPOC値が集計され、その内容に応じて自身の体の回復や適応を踏まえた次の活動を決定することに役立つ。