「シマノ自転車博物館」満たされる探究心!何度も通いたくなる 3/25にオープン

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  • text 松本 敦
  • photo 松本 敦(バックス事務所)

「シマノ自転車博物館」が3月25日に、大阪・堺区南向陽町に新しくオープンする。“ここへ来れば、だれもが自転車に乗りたくなる”がコンセプト。

以前は大仙公園にあったが、新装オープンの立地は南海電鉄高野線「堺東駅」下車徒歩5分、公共交通機関でのアクセスがいい。敷地面積約2,640㎡(約800坪)に地上5階建、一見すると美術館のようにプレーンな印象の建築だ。

シマノ自転車博物館

南から見た博物館。白い壁面は透過性あるガラスで、二階BゾーンやCゾーンはとてもクリーンな空気感で気持ちいい

 

自転車に関する“博物”を、美術館的に魅せる

シマノ自転車博物館

博物館を案内していただいた神保正彦さんは、初期のサイクルスポーツ連載記事に登場していた熱血サイクリスト

 

「シマノ自転車博物館でマニアの方が技術的興味や珍しい自転車を見られるのはもちろんですが、私は一般の人にも、身近な存在の自転車が未来に向けて人に寄り添って必要とされる。そして文化的に豊かになることを実感していただければうれしいです」と、広報担当の神保正彦さんが語ってくれた。

まるで美術館のようなゆったり空間にシンプルに自転車に関するすべてのハード&ソフトが展示されている。自転車の始祖であるドライジーネ(1817年)からオーディナリーに至る19世紀初頭の歴史的自転車、20世紀の名車の数々も、そのほぼ全てがすばらしいコンデイションで保存・展示されている。

1階、2階、4階が展示フロアだ。

エントランスを入ると高い天井の「ミュージアムプラザ」。無料展示エリアと有料展示エリアに分かれているが、ちょっと立ち寄っただけの観光客なら無料展示エリアだけでも自転車の奥深い世界をのぞける。が、入場料を支払って先に進んでほしい。

展示はデジタル技術がふんだんに組み込まれ、子どもでも楽しめるバーチャルな工夫があるし、大人のマニアも知的刺激を得られる映像や解説がそろっている。「自転車の誕生とあゆみ」(10分56秒)、「堺と自転車」(6分45秒)の映像2本はとりあえずチェツクしたい。

シマノ自転車博物館

2階のAゾーンは歴史の流れがわかる展示で、上部に6面パノラマシアターが備わる。定時に流れる映像で歴史的エポック学習

シマノ自転車博物館

地上5階建ての博物館だが来訪者が見学できるのは3つのフロア。吹き抜けからは膨大なコレクションをのぞける

 

 

自転車の過去・現在・未来、3つのゾーンを巡る

2階は、「ホワイトキューブ」。自転車発祥の歴史を物語る貴重な自転車を3つのゾーンがある。

Aゾーンのテーマは、「自転車のはじまり」で、黎明期から発展期までの自転車を展示し、6面パノラマ映像で自転車誕生のドラマ鑑賞ができる。

Bゾーンのテーマは「自転車のひろがり」で、20世紀からの多様な自転車展示のほか、関連する科学や技術を紹介。子どもが夏休みの自由研究をするにはネタの宝庫。

Cゾーンのテーマは「自転車とこれから」で、サスティナブルな視点で未来に向けた自転車と歩むライフスタイルを提案。

このシマノ自転車博物館展示物は、1982年にオランダの「バタバスミュージアム」によるコレクションがルーツで、当初は128台であったものが40年を経て、歴史的自転車所蔵は4倍、ポスターや版画なども増加。当たり前だが、とても1日では全てを見られない膨大で興味が尽きない博物館だ。

シマノ自転車博物館

Bゾーン展示は自転車の多様性、科学技術、人々の暮らしとの関わりなどを展示

シマノ自転車博物館

Bゾーンでは触って見て理解できる展示がいくつもある。電動変速システムは微に入り細に入りで理解が深まる

 

ディープな自転車の“知”に踏み込む

4階は「自転車歴史回廊」。館の調査活動や専門情報を紹介する。専門書籍のライブラリーもある。

シマノ自転車博物館は―自転車に関する調査分析や知識の普及・啓発事業を通じて自転車文化の高揚を図り、 ひいては不民文化の向上を図ることを目的とするーが事業目的。そう、来館者であるサイクリストはここで、<自転車に関する調査分析や知識>をたっぷり吸収してお持ち帰りできるワケ。

壁一面がズーっと、日本と世界の自転車史年表になっていて、もちろん堺の歴史もしっかり添えられている。

マルチメデイアライブラリーでは所蔵する自転車関連専門書のほか、デジタルアーカイブとして博物館が収蔵する情報がどんどん公開されていく予定。シマノ自転車博物館、目に焼きつき、心に残る思い出がいっぱいあるはず。ぜひ訪れてほしい。

シマノ自転車博物館

展示はとても親切。仕組み、働き、歴史的背景などが親切でわかりやすい。デジタル解説では深い階層にマニア向け解説を用意

シマノ自転車博物館

「サイクルコンシェルジュ」は、選択方式で遊び方説明。モニター画像の顔部分に自分の顔が撮影される。その画像はスマホに転送されてお土産に!

シマノ自転車博物館

博物館や美術館好きなら必ず立ち寄るのがスーベニアコーナー。チケット売り場にあった「フリーホイール・ピンバッチ(1000円)」よく出来てる!

 

シマノ自転車博物館 施設概要

施設名称:シマノ自転車博物館

所在地:〒 590-0073 大阪府堺市堺区南向陽町2-2-1
アクセス:南海電鉄高野線「堺東駅」下車 徒歩約5分

開館時間:午前10:00~午後4:30(入館は午後4:00 まで)
休館日:月曜日、祝日の翌日(土、日の場合は開館)、年末年始

入場料金:
一般 500円、65歳以上無料
高校生・大学生 200円
小学生・中学生・未就学児無料

◎20名以上、団体割引あり
◎障がい者手帳をお持ちの方と付き添い1名 入館料無料

公式サイト:
https://www.bikemuse.jp

関連施設 :「大仙公園」自転車ひろば
所在地:堺市堺区東上野芝町1丁(大仙公園内)

■クラシック自転車のレプリカ体験試乗(合計22台)
■自転車乗り方教室:予約により自転車に乗れない人を対象に定期開催

 

シマノ自転車博物館

1階「ミュージアムプラザ」は、無料展示エリアと有料展示エリアに分かれている

シマノ自転車博物館

2階は、「ホワイトキューブ」。自転車発祥の歴史を物語る貴重な自転車を3つのゾーンに分けた大空間で観られる

 

シマノ自転車博物館

4階は「自転車歴史回廊」。館の調査活動や専門情報を紹介する。専門書籍のライブラリーもある