自転車協会による自転車屋さんのためのイベント SBAAオフロードバイクディーラーサミット2021-22開催!
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2年ぶりに開催された自転車協会主催の「SBAAオフロードバイクディーラーサミット」。最新モデルの試乗、ライディングスクールや座学への参加を通じて、自転車店の面々がオフロードバイクに対するリテラシーを高めた。
グラベルロードの人気もあって、ここ数年サイクリストの間では、オフロードでの自転車遊びが再燃している。そんな中にあってオフロードバイクの普及を目指し、自転車協会が実施しているイベントが「SBAAオフロードバイクディーラーサミット」だ。
スポーツバイクの人気は長らくロードバイクが主流だったこともあり、MTBをはじめとするオフロードバイクへのなじみが薄い販売店も多い。そうした販売店とそのスタッフに対して門戸を開き、オフロードバイクへの理解を高めてもらうのがこのイベント。自転車の普及・促進を担う自転車協会ならではの取り組みと言える。
新型コロナウイルス感染症の影響により2年ぶりの開催となった今回は、関東・中部・関西の3会場で予定されたが、オミクロン株の流行により1月の関西会場は中止となった。
それでも昨年の11月、12月に行われた関東、中部会場にはオフロードバイクに関心の高い販売店のスタッフの多くが詰めかけ、eMTBをはじめとする最新モデルの試乗、プロライダーの指導によるライディング講座、メーカー、識者による座学などを通じてオフロードバイクへの理解を深めた。
参加者の中にはMTB初体験のスタッフも少なくはなく、「知らなかったMTBの楽しさに気が付きました」との声も聞かれ、ライディングスクールに参加した経験者は「今まで自己流だったので、プロの走りは勉強になりました。お客さんとのライドで伝えたいですね」と語り、イベントを通じてオフロードバイクの魅力を満喫した様子だった。
このイベントは、サイクルスポーツ.jpの読者には一見関係ないように思えるが、そうではない。僕らが自転車生活を楽しむにはサイクルショップの存在が不可欠だ。彼らのオフロードバイクへのリテラシーが上がれば、僕たちに還元される益も大きくなる。ましてやオフロードバイクの人気はまだ火がついたばかりで、始めようにも分からないことが多いサイクリストも少なくない。「SBAAオフロードバイクディーラーサミット」は、僕たちがオフロードバイクを楽しむために、実は直結している自転車協会の取り組みなのだ。
自転車協会理事長 山﨑一さんのコメント
自転車協会は、オフロードバイクのエントリー層に向けた情報提供を目的とした冊子やウェブサイトの制作や、MTBコースに対する助成金の給付などの施策を行ってまいりました。
この甲斐もあってか、次第にMTBが盛り上がってきているように感じております。
しかしながら、これまでロードバイクを中心に扱われてきた販売店も多いので、スタッフの方々にMTBの知識や技術を得て頂き、その魅力をお客さまに十分に伝えていただきたいと考え、2019年に販売店のサポートを目的にこのイベントを開催しました。
コロナの影響もあって今回が2回目となりましたが、今後は開催エリアを広げて皆さんが足を運びやすくなり、また販売店の方がお客さんを連れて試乗をしたり情報を得られたりするイベントになれば、よりMTBをはじめとしたオフロードバイクのマーケットも成長できるのではないかと考えています。
全2会場で開催
関東会場
日程●2021年11月17日(水)
会場●栃木県宇都宮市新里町1667-2
シクロクロスレースが行われることでもおなじみ、宇都宮郊外にある道の駅「ろまんちっく村」にて開催された。自転車メーカー、販売代理店10社が出展。
中部会場
日程●2021年12月7日(火)~8日(水)
会場●静岡県伊豆の国市神島河川敷中島公園
伊豆の国市を流れる狩野川の河川敷の特設会場を舞台に開催。分解型の木製パンプトラックも設営。自転車&用品メーカー、販売代理店11社が出展した。
プロライダーと走って学ぶ!
ろまんちっく村での林間トレイルはプロライダーによる実戦的なライディングテクニックがレクチャーされた。井手川直樹さん、小笠原崇裕さんのスムーズな走りに参加者は感嘆の声。MTB経験者にとっても有益な学びの場となった。
MTBについて学べる講座もりだくさん!
シマノが教えるディスクブレーキ整備講習
主にロードバイクを扱ってきた販売店は、油圧式ディスクブレーキの整備経験が浅い面もある。シマノでは最新モデルを題材に、ブリーディングのハウツーを紹介。質疑応答でのこだわりの質問は販売店の方ならではだった。
eサイスポでもおなじみの難波ケンジ氏による成功するためのeバイクビジネスについて
eMTBの世界的な市場動向から日本における今後の販売戦略などを、本誌でeバイクの連載企画を持つ難波ケンジ氏が解説。eMTBの対象ユーザーを登山の世界に例えて説明するなど、入門者にも分かりやすい内容だった。
基本的なことから学べるオフロードバイク販売スキルとレース&イベントの活用方法
自転車メーカー、ホダカの野中秀樹氏が、MTBからグラベルバイクまで、オフロード用バイク各ジャンルの特徴から楽しみ方までを説明。その違いを知ることで、販売店はユーザーの要望に適したバイクを提案できるだろう。
中部会場限定講習! ケルヒャー洗車体験講習
MTBを扱ううえで切っても切り離せないのが洗車だ。ケルヒャーブースでは高圧洗浄機を使って素早く汚れを落とす方法をレクチャー。近年新たなビジネスとして注目される洗車サービスを後押ししてくれる講習だった。
イベント参加者さんたちの声
voice 01 伊藤商会 伊藤達也さん
今までeMTBに乗ったことはありませんでした。今日は実際にフィールドで試乗ができましたし、座学を受けて実感が湧いてきたので、お客さんにいろいろお話しすることができそうです。
voice 02 スペシャライズドおおたかの森 玉田旭さん
うちのお客さんは6割程がMTBなのですが、僕はまだロードしか知らないので参加しました。知らないことばかりで勉強になりました。eバイクの話が興味深かったので、もっと販売したいです。
voice 03 じてんしゃの杜 竹澤宏文さん
特にeバイクに関心があり参加しました。登山のロープウェイハイキングにeバイクを例えた話が面白かったです。eバイクは無理なく山に行けるので、乗ったことのない人に薦めたいですね。
voice 04 セオサイクル新小岩店 碓井貴洋さん
オフロードはeバイクが良いのかなと想像していたのですが、普通のMTBやグラベルロードで十分に楽しいのが分かったのが収穫です。静かな自然の中を走るならモーター音はいらないですね。
voice 05 自転車屋フレーシュ 藤田佳希さん
昨年からMTBに乗っているのですが、楽しみ方やスキルなどが手探り状態なので参加してみました。プロ選手のライン取りはとても勉強になりました。お客さんと一緒に走って伝えたいですね。
voice 06 カミハギサイクル緑店 久野稜汰さん
販売も経験もロードバイクばかりでしたが、今度MTBも販売するということで教養を深めるために参加しました。ウワサに聞いていたMTBとeバイクの相性の良さを体感できました。
voice 07 ノムラサイクル 野村知広さん
オフロード系バイクの経験がなく、お客さんに面白さを伝えるためにはまず自分からと思い参加しました。基本的なことを多く学べ、プロライダーにも教えてもらい濃厚な時間でした。
SBAA PLUSオフロードバイクディーラーサミット参加ショップリスト(PDF)