「グロップアンテ」オープン! 長野県伊那市の本格MTBスキルパークのオープニングイベントが開催

グロップアンテのジャンプエリア

『グロップアンテ』のジャンプエリア。大きさに合わせ初級から超上級者まで楽しめる

 

国内屈指の MTB スキルパークが長野県伊那市にオープンした 。その名も『GLOP Ante.グロップアンテ』。6月11日にオープンイベントが行われ、MTB界を代表するライダーと伊那市長がそれを祝福した。ジャンプ技術を含めた現代レースコースを走る技術を段階を追い身につけられる、国内最大級の専門施設のオープンとなる。

グロップアンテのウェブサイト

 

グロップアンテの案内板

8000平米の土地に7つのセクションが作られている。それぞれレベルに合わせて挑戦できる

浦上太郎

ジャンプの面などの全体監修を担当したのは、浦上太郎選手。ジャンプのうまさでは日本随一と言われるダウンヒル選手で、仕事としてコースビルダーも行っている

 

グロップアンテはMTBでジャンプする技術を無理なく身につけられるスキルパークである。初級者から上級者まですべてのレベルのライダーが楽しめる、というのがここのコンセプトで、その通りに短時間で成長していける。 トレイルなどのコースでは一回で通り過ぎてしまうセクションを、繰り返し練習して技術を習得しておけば、初見のコースでも無理なくジャンプ技術を発揮できるので良い。

自転車での3次元ライドの技術会得を専門としたそのエリアもとても大きい。 広さ8000平米を誇るパークエリアの中に7つエリアが設置される。

 

オープンイベントで音楽に合わせて走りを見せた4ライダー

オープンイベントで音楽に合わせて走りを見せた4ライダー。左より井手川直樹選手,立田直人選手,浦上太郎選手,山本幸平選手で、それぞれのスタイルでのパークの楽しみ方を伝えた

 

世界でも屈指の規模を誇るスキルパークだ。その敷地を余すところなく使って配置されるのは、トレイルエリア、スキルアップエリア、パンプトラックエリア、キッズエリア、コーナーエリア、ドロップエリア、そしてダートジャンプエリアだ。それぞれ名が形と走りを表している。

 

3次元のトレイルセクションを模したコース

昨今のXCレースに多い3次元のトレイルセクションを模したコースもある。これも難易度に合わせた造りだ

ドロップ

今となっては当たり前となったドロップも、高さと見た目で練習できる仕組みになっている

 

このコース作りもMTB界で実績のある専門家たちによるもの。プロデュースはトレイルラボの浦島悠太さん、オーストラリアでトレイルディグを学び、現在は先端のフロートレイルを造り続ける日本トレイル作りの第一人者だ。ジャンプの味付けとなる監修はジャンプのうまさで定評のあるダウンヒルレーサー浦上太郎選手が行い、MTBオリンピックに4度出場している山本幸平さんはXCコースの公認・アドバイザーとなった。

6月11日に行われたオープニングイベントでは、白鳥孝・伊那市長の開会の挨拶で施設のオープニングが宣言された。その後トップライダーたちによるデモンストレーションが行われた。

 

井手川、山本のスラローム

左の井手川DH選手と右の山本XC元選手の夢の共演スラローム! 今はこういうクロスオーバーの時代である

浦上と立田

左がコース監修の浦上選手、右がコース管理を担う立田選手。共にジャンプが得意なライダーだ

 

先の浦上選手、山本さんと共に、トッププロダウンヒルライダーの井手川直樹選手、そしてこのパークを今後運営、整備の現場でになっていく今年24歳の若手ダウンヒルライダー、伊那市出身の立田直人選手。音楽に合わせてジャンプなどのライドを披露した4人は、そののちに今日の試走会の講師となって、このパークの乗り方を伝えていった。

トレイルとキッズとジャンプ全てに分かれての講習となっていた参加者はそれぞれ10人ほどだったが本当に自分のレベルに合ったにこやかな顔で技術を上げていった。それぞれのエリアが初級中級上級とレベルごとに分かれているので好みのレベルで少しずつスキルアップできる。

 

イベント参加者

試走会はライダーごとに10人×2回の計20人ずつ(キッズ担当の井手川さんのみキッズ10人)で行われた

パンプトラックを走るライダーたち

パンプトラックを走るライダーたち。波が大きくジャンプに繋げやすいリズムの、最近のクロスカントリーレースコースにもよく使われるタイプの造りだ

 

今回の試走会では、ライダーがガシガシと1時間ほどセクションに挑戦していった。これほどの人がこれだけの時間一生懸命アタックすれば1回や2回は転倒を見るものだが、初めての1時間の中では、ひとりも見なかった。これは単純にすごいと思った。コースはよくできていて、多分転びにくい。

 

ライダーが同時に走れるコース

コースは何人ものライダーが同時に走れるように余裕を作ってある。安全に隣と競い合うこともできるのだ

 

初めての走行には15分ほどの講習会の受講が必要で、走行料金も通常の大人1日3500円から1000円高い。1日に数回行われているので初回はその時間に合わせて来場しよう。

 

くつろげるエリア

施設内には軽食などでくつろげるエリアがある

トイレとシャワー

トイレはもちろん、有料でシャワーも使える

 

さらなる特徴は休憩所だ。屋根のある建物内には休憩所とトイレがあり、1回500円でシャワーも浴びられる。2階には靴を脱いでくつろげるスペースもある。高速道路のインターからほど近いロケーション。伊那市には手頃なホテルがいくつかあって、地元グルメの『ローメン』など食べたいものもある。

週末をかけて合宿すればプッシュやパンプなどの技術は身に付くだろう。これからの世代のライダーなら、これからの時代に見合った技術を身につけておきたい。時代とともに新たに進化していくコースレイアウトに対応できず、怪我をしてしまっては元も子もない。ロード、トラック、BMX、マウンテンバイク、その先何に乗るのかは、まずうまくなってから考えても遅くない。

 

白鳥市長、呉本さん、御子柴さん、小口さん

左から、白鳥孝・伊那市長、施設運営会社社長・呉本圭樹さん、御子柴さん、地元辰野市のgrav bicycle(グラブバイシクル)代表・小口良平さん

山本、井手川、浦上に囲まれる立田

山本幸平、井手川直樹、浦上太郎というMTB界のキング3人に囲まれて物おじしない伊那出身の立田選手、グロップ・アンテを維持管理していく

 

『グローアップ(成長)』と『アンテロープ(カモシカ)』とをテーマにしたグロップアンテ。この名前に「カモシカが飛び越えた下には宝物が埋まっていた、と言われるよう」と伊那市出身の御子柴慶治氏がスピーチ群を締めた。ここの実現に尽力し、これまで自転車業界にも大きく尽力してきた人物だ。

その施設を担っていくのは伊奈市出身の若手ライダーである。日本自転車界の次世代への繋がりが見えた一日でもあった。

 

浦上の大ジャンプ

浦上選手による大セクションのジャンプ。見ていると2個目は高さを出しやすく、3個目は技を入れやすい

グロップアンテ

自転車に乗る上で必ず役に立つ安全技術を、数日の合宿で身につけてみよう

 

GLOP Ante.
住所:長野県伊那市横山7227-1412
https://glopante.jp
TEL :050-3033-3819