一般利用できる風洞試験センターが静岡・沼津に2023年初頭誕生

2022.10.18
その他

コンパクト風洞試験システム「Aero Optim（エアロオプティム）」を手掛ける日本風洞製作所が、ニシヤマとの協同で、静岡県沼津市に、エアロオプティムシリーズを用いた「風洞試験センター」を設立する。

風洞試験センターの外観（イメージ）

風洞試験センターは、自社開発の自転車用測定システムと、ニシヤマ、大和製衡との共同開発の自動車用測定システムを配備し、一般企業や個人でも有償で利用できる施設となる。日本風洞製作所によれば、このような、一般でも利用できる自転車、自動車用風洞は日本で初めてのものだという（2022年10月17日現在。日本国内における風洞試験施設のうち、一般利用ができ、1/1スケールでライダーが搭乗可能な自転車用風洞を具備するものおよび1/1スケールの自動車用風洞）。

施設内の様子（イメージ）。中央区画に自転車用システム、右側区画に自動車用システムを配置

自転車では、エアロロードバイクの開発、各種パーツ、ウェアなどの空力試験や、従来は一部のトッププロ選手に限られていた、自転車のセッティングや最適な乗車フォームの追究をすることができる。

エアロオプティムとは

日本風洞製作所が開発したコンパクト風洞試験システム。

風洞試験装置は、整った気流を生み出し、空気抵抗や流れの観察をするために活躍する試験装置で、乗り物の開発やスポーツ、航空宇宙産業など、流体が関わる多くの分野で活用されている。しかし、従来型の風洞装置は大型、高価、高維持費、高い稼働率により、一部の大手メーカーや研究機関等しか使えないものだった。

そこで同社は、独自の技術開発により、この風洞装置をできるだけ小型、低価格化させ、できるだけ多くの人が気軽に風洞実験ができることを目指してエアロオプティムシリーズを開発。2022年度から量産モデルの販売に着手した。小型ながら、ある程度整った直進性の高い気流を生み出せることが特徴で、従来型風洞とも相関のある実験結果を得ることができる。