Zwiftを始める最初の一歩
目次
まわりの仲間はみんなZwift(ズイフト)をやっている。いい加減自分も始めてみたいけど、どうも最初の一歩が踏み出せない……。そんなあなたへ向けて、その一歩を後押しし、疑問を解消する特集をお届けしよう。
Zwiftはハードルが高い?
世界的オンラインフィットネスサービスのZwiftは、もはやサイクリングシーンに欠かせない一つのジャンルとして確立している。読者の皆さんも、何となくはそれがどんなものかはもう分かってきたはずだ。そして、そろそろ始めたい、しかし決心が……という人が多いのではないだろうか。
「私はサイクリング派で、レースはたまにヒルクライムに出るくらいですが、大いにZwiftを活用しています。ゲーム感覚でできるから始めてみようかなと思ったのがきっかけですが、実際やってみるとハードルは低かったし、かなり楽しめていますよ」と語るのは、自転車系YouTuberのゆみさん。
彼女が主催するZwiftの「クラブ(後に詳しく)」は、今や国内最大規模に成長しており、彼女は日本で最もZwiftを活用する自転車乗りの一人と言えよう。
「プレイするのは結構きついんじゃないかと思ってましたが、確かにきついことはきついです。でも、オンラインで“みんな”とつながっているから続けられるんです。これが普通のサイクリングと違うところで、Zwiftの大きな魅力だと思います。私でもこんなに活用できているんだから、きっと読者の皆さんならもっと活用して楽しめるはずです。
まずは、ここで改めてプレイに必要になるものを確認しましょう。そして次に皆さんの疑問にお答えし、私なりの活用術を伝授しましょう!」
おさらい Zwiftをプレイするのに必要なもの
Zwiftのアプリ
まずはこれがないと始まらない。PC、タブレット、スマホ等のデバイスへZwiftをダウンロードしよう。PCなら公式ウェブサイトから、タブレット・スマホならGoogle Play(Androidの場合)かApp Store(iOSの場合)からダウンロードできる。いずれも「Zwift」で検索すればすぐトップに出てくるはずだ。ダウンロードとユーザー登録は誰でも無料で行うことができ、さらに無料のお試し期間(距離)もある。サービスを完全に使うためには、月額料金制のサブスクリプション登録を行う必要がある。金額は1650円(税込)と、毎月払う携帯電話料金よりは断然安く、お得だろう。サブスクリプションはいつでも解除できるのでご安心を。
スマートトレーナー
Zwiftを100%楽しむためには必ず用意してほしいものだ。Zwiftに対応するスマートトレーナーがあると、パワーを計測することで正確な速度を算出できたり、Zwiftの世界で勾配が変化したり負荷が変化した場合に自動でトレーナーの負荷が変化してくれ、より実走に近いリアルな走行感が得られる。また、それは効率の良いトレーニングにもつながるのだ。Zwift対応のスマートトレーナーについては、公式ウェブサイトをチェックしよう。
スマートトレーナーでなくてもプレイはできる
スポークやハブに装着するタイプで、ANT+かBluetoothでZwiftとペアリングできるスピードセンサーを使えば、いわゆる昔ながらの“ローラー台”でもとりあえずプレイは可能だ。
アプリを動かすデバイス
主にPC、タブレット、スマホのどれかでアプリを動作させる必要がある。それら単体の画面を見ても良いし、トップ画像のように大画面テレビ等に接続して見ても良い。「おすすめは大画面テレビに接続することです。何と言っても見やすく、没入感が上がります。私はスマホとテレビをつないで、タブレットを併用してチャットしています」とゆみさん。
スマホのみでもプレイはできる
これのみで、ハンドルに装着したり机の上に置いて見てプレイはできる。「ただ画面が小さくて見にくいので、やはり大きな画面でプレイするのがいいですよ」とゆみさん。
あなたの自転車
通常のトレーナーと同様、自分の自転車をセットしてプレイする。「私はZwift用にセカンドバイクを据え置きしています。これならすぐに“中”でも外でも乗り出せます」とゆみさん。
【あると良いもの】ハートレートセンサー
Zwiftとペアリングして心拍数を表示できるうえ、データも細かく取ることができる。体調管理やトレーニングプランを立てるのに活用できるので、併用するとより充実したプレイになる。
ゆみやみさんにZwiftの疑問をぶつけてみた
Q1 “ツールのDVD”を見ながらいわゆるローラー台に乗るのと何が違うの?
「バーチャル世界の景色が移ろい、勾配などに合わせて自動で負荷が変化するから、というのはもちろんですが、オンラインでいつでも仲間と一緒に走れるから、一人でもくもくと走っている感覚がまるでありません。だから“楽しくて飽きずに続けられる”んです。これは、DVD鑑賞をしながらいわゆるローラー台に乗り続ける、昔ながらのスタイルとはまったく楽しさが違います。私でも飽きずに続けられている理由はまさにこれだと思います」。
Q2 騒音が大きいのでは?
「一軒家に住んでいるという条件はありますが、今のところ私は家人からうるさいとか振動が気になるといったクレームを受けたことは一度もありません。むしろ、自分がZwiftをプレイしていても、誰も気づかないほどです。それほどに、最新のスマートトレーナーは振動・騒音が少ないです。集合住宅に住んでいて階下への振動が気になる人は、専用のマットをトレーナーの下に敷くと良いでしょう。床へ滴り落ちる汗もそれで防いでくれます」。
どんどん課金されるんじゃないの?
「スマホのゲームのように、何かの機能を使うために都度課金されるということはありません。どんなトレーニングメニューをこなしても、どんなZwift上のレースに参加しても、月額料金は変わらないのがいいところだと思います。また、ウェアや自転車の交換は課金で行うものではなく、あくまでZwiftで頑張って走った対価として行えます」。
レースと無関係のサイクリング派なんですが、何かメリットはあるの?
「休日にサイクリングを楽しむためには、できるだけ体力があった方がいいのは当然ですね。体力があれば楽に・遠くまで走れて、ライドの幅が格段に広がります。でも、そのために平日に鍛えるのは気が進まない人が多いでしょう。Zwiftなら、夜でも朝でも、オンラインで仲間と集まってライドをしたり、一緒にワークアウトをこなしたりできるので、仲間と集まってワイワイ走っている感覚で、いつのまにか効率良く体力アップできてしまいます」。
ゆみやみチャンネル・ゆみさんのZwift活用法
ゆみさんの一週間の流れ
月曜:オフ
火曜:Zwift 20時〜21時
水曜:オフ
木曜:オフ
金曜:Zwift 20時〜21時
土曜:ロングライド(実走)
日曜:ロングライド(実走)
※ロングライドを行う日は天候によって平日にずらすことも多い
休日にロングライドを楽しむため、平日に体力を向上させることを目的にZwiftを活用するゆみさん。週に2日、夜の時間に自らが主催する「クラブ・ヤミー」でクラブライドを行っている。そこでは参加者とチャットで励ましあい、きつめのワークアウトをこなす。「一人なら絶対つらくて諦めるけど、チャットでお互い励まし合って走るので、こなせるんです。走力の差を気にせず集まって走れるのも魅力ですね。あと、自分が主催している手前、もう逃げ出せないんですよ(笑)。おかげでリアルなライドで急坂に出くわしても、楽になりました!」とゆみさん。
ぜひ活用したいZwiftの「クラブ」機能
2022年から実装されたぜひとも活用したい機能で、ユーザーなら誰でも「クラブ」を立ち上げられる機能。また、他の人が立ち上げたクラブに参加することもでき、それに許可は必要ない(設定で自分のクラブへの参加を招待制にすることも可能だ)。例えば仲間と集まってライドをしたり、ワークアウトをこなしたりできる。時間と場所にとらわれず仲間とオンラインで集まって走れるという、リアルライドでは不可能なことを可能にする。また、ずば抜けて走力が高い人が居てもちぎられるということはないのも魅力。ゆみさんが主催する「クラブ・ヤミー」は何と約700人の大所帯で、「エンジョイ勢の体力向上を目指している」ので、誰でも気軽に参加できる。
専用アプリ「Zwift Companion」を使おう
クラブの機能を使うためには、タブレットまたはスマホ専用のこちらのアプリが必要にある。これもZwiftで検索すればすぐ見つかるはず。Zwift本体と併用することでプレイがより便利で楽しくなる機能が満載されている。