突撃!隣の“じてんしゃ銭湯”「パナレーサー本社の風呂」編
編集部・エリグチは風呂を愛するサイクリスト=「銭湯サイクリスト」だ! パナレーサーのアジリストの取材として訪れた兵庫県丹波市にある本社。そこでまさかの“従業員用風呂”に潜入してきた!?
人の家の風呂に入ることが好きだ。……別にこれはあやしい意味ではなくて、例えば親戚のおじさんの家に遊びに行って酒をごちそうになり、お風呂を頂き客間の温かい布団で眠ること、あるいは友人の家で飲んで風呂を借り、寝袋で転がること。そういった時に入らせてもらう風呂は、どこか日常の延長にあるぬくもりに包まれていて、心がホッとするのだろうなと思う。
そうは言っても、さすがに取材をしに行った先で、その会社の風呂に入る、なんてことを体感できる日が来ようとは僕も思わなかった。自転車のタイヤ&チューブを作り続けて70年。兵庫県丹波市に本社を構えるパナレーサーへ「アジリスト」の取材に訪れた(詳細はこちらを見てネ)。普段から何かとお世話になっている広報担当の三上さんアテンドのもと、丹波エリアのライドを楽しみ、開発者インタビューから工場ラインを見学させてもらい(「へー!」、「ほー!」と撮影班の辻啓さんと二人で感嘆符ばかり飛び出していた)、勉強になるなあとお話を終えたところで三上さんから「従業員用の風呂がありますが、入っていきますよね?」と提案が。二つ返事でポケットからタオルを取り出した。
今回の「パナレーサー風呂(仮称)」は、工場のボイラーの排熱を利用してお湯を沸かしている。つまりはグラベルキングやアールエアーを作り出す熱が、そのまま僕を温めてくれるのだ。一本一本、流れるようにチューブラータイヤを縫製していく手先の光景が浮かぶ。関西らしい軟水はゆるやかに体になじみ、それはこの生産開発現場という日常を温かく包み続けていた。