未来の輪夢が跳ぶ! 2023東京都選手権BMXミニランプコンテスト
目次
オリンピック種目にもなったBMXフリースタイル。3歳で乗り始め、5歳で大会出場して活躍し、中学生でプロ転向を果たした中村輪夢が日本のエースだ。
2023年2月11日(土曜)と12日(日曜)に、未来の輪夢を超える可能性を秘めた子供たちが埼玉・川口のミニランプで闘った。
初日は3つのエイジグループ、7-8歳、9-10歳、11-12歳が、2日目に13-14歳、15-16歳を設定。
屋内に設けられた複合ランプのミニランプ(幅7m高低差1.8m)とジャンプランプ(幅2.7m高低差3m)で、選手たちは持ち時間1分で走る。それを<いかに楽しんでいるか>、<セクションで演じる技の構成、流れ、ルーティン>、<技難易度>の評価軸で3人の審判が総合的にジャッジ。
大会プレジデントの宮城力さん(TCFオフロード部会)が、「小さいうちは体力も技術も差があるので細かい年齢別クラスにしています」と説明してくれた。たしかに、2日目のエイジグループは技の安定度とエアの高さが大きくなった。でも初日には9歳が後ろ向き縦に宙返りする“バック・フリップ”という大技まで繰り出していた!
基礎スキルを知る!
コンテストに先立って午前中は基礎スキルを教える無料スクールが開催された。
「ここ数年、BMXフリースタイルの選手人口が増えています。親御さんもお子さんも派手な技を目指すけれど、基礎を小さいうちに磨けばもっと上手になる」と語ってくれたのは、午前中にコーチングした乙幡“OPJ”潤さん。そして安達“PiRO”浩樹さん。
「ここ数年、BMXフリースタイルの選手人口が増えています。親御さんもお子さんも派手な技を目指すけれど、基礎を小さいうちに磨けばもっと上手になる」と語ってくれたのは、午前中にコーチングした乙幡“OPJ”潤さん。そして安達“PiRO”浩樹さん。
1 「ターン」
ランプのコース幅いっぱい利用して大きくまわる(ターン)。最初は傾斜が怖くてスピードが出ない。遅いとランプがツルツル(転んでも滑るので身体的な衝撃が和らぐ)なのでタイヤが引っ付いてくれない。
スピードが増すとBMXがランプ斜面に応じて張り付くように安定。
見守る保護者をチラッと見た生徒に、「下りでよそ見しないで!」とコーチ。ロードバイクの下りコーナリング同様、目線を先に据えないとちゃんと曲がれない。
2 「キック・ターン」
大きく回ってスピードが出ればランプ上まで行ける。ランプ上端のコーピング(鉄パイプ)をフロント(前輪)が越えたらターン。リヤ(後輪)がコーピングをキック(蹴る)する感触がある。
3 「エア・ターン」
スピードが出れば慣性力が働く。より勢いがつけばリヤもコーピングを越えて空中でターン。これがエア・ターンだ。
ランプを回る3ステップに加えて、「バニー・ホップ」も追加。平面に目印となる木片が置かれ、生徒はそれを跳びこえる。ペダルを水平にし、ハンドルを引き上げるようにフロントから浮かせ、リヤはペダルをしゃくるようにする。一連の加重移動アクションで跳ぶ。エア・ターンなどを決めるためにも、バニー・ホップは大事な基礎スキルなのだ。
●大会は埼玉・川口市の工場地域の一画にあるスケートパークで開催。ミニランプとジャンプランプを使用してスクールとコンテストが行われた
トリック縦横無尽
ヒップポップの流れる会場でMCが盛り上げてくれる。
エイジグループ毎トレーニング時間の後に、1選手2回、1分の持ち時間で自分の技を繰り出す。60秒で自分を魅せる!
観客が沸くのは空中でのアクション技。浮遊中にハンドルを切る、手足を離す、BMXとライダーが放物線を描いて空を跳ぶなかでダイナミックな技がメイクされる。
代表的な技を挙げると、“バースピン”(ハンドルを1回転)、“ウィップ”(自転車を横に振ってひねる)、“360” =スリーシックスティ(人間と自転車が一緒に横1回転)、“バックフリップ”(後ろ宙返り縦方向に1回転)。
“バックフリップ”を決めた伊良部琉椰(9歳)に聞いた。「水を張ったプールとかクッションを敷き詰めた場所で、1年くらい練習してできるように」なったそうだ。
いやはや、ダイナミック。大きく跳んだ尾後家優斗(9歳)の“ウォールライド”でタイヤが壁面を激しく叩くドン!!衝撃音が響いた。歓声が沸いた。
『2023東京都選手権BMXミニランプコンテスト』
日時:2023/2/11(土)~12(日)
会場:Bashi Burger Chance(埼玉県川口市東領家5-15-14)
主催・主管:東京都自転車競技連盟(Tokyo Cycling Federation)